(
広報資料−公式文書ではありません)記事資料
01/34-J国際連合「文明間の対話年
(2001年)」「人々が地球の反対側に住んでいようと、同じ町に住んでいようと、対話は、異なる文化や伝統をもつ人々がお互いを理解し合うための良い機会を切り開いてくれます。」
コフィー・アナン国連事務総長
序論
多様性とは何だろうか。コミュニケーションの道筋を切り開いて、多様性の意味を再定義するために人間には何ができるのだろうか。多様性をよりよく理解するにはどうしたらよいのだろうか。多様性は全体としてどのように受け止められているのだろうか。
1998年の国連総会で模索されたのは、こうした疑問であった。そして、このとき、2001年を国連「文明間の対話年」にすることが発表された。文明間の対話とは何を意味するのだろうか。世界には
2種類の文明があるといってよいだろう。多様性を脅威と受け止める文明と、それを機会であり成長に不可欠な要素であるととらえる文明である。「文明間の対話年」は、多様性を再定義し、この2つのグループ間の対話を前進させるために設けられた。したがって、「文明間の対話年」の目標は、可能な限り紛争を予防するとともに人々の輪を広げるよう、対話を育成することである。この目標を達成するため、国連総会は、各国政府、国連システム、その他の関連する国際機関、非政府組織
(NGO)に対し、文明間の対話という概念を促進するための文化的、教育的、社会的な事業を企画・実行するよう求めている。国連「文明間の対話年」担当事務総長個人特使
「歴史が人を殺すのではない。宗教が女性をレイプするのではない。血の純潔さが建物を破壊するのではない。制度が失敗するのではない。これらを行っているのはひとり一人の人間なのです。」とジャンドメニコ・ピコ氏は語る。ピコ氏は、
1999年に、国連「文明間の対話年」担当の事務総長個人特使に任命された。その役割は、会議やセミナーを組織し、情報や学術的資料を配布することによって、多様性に関する論議を促進することである。20年にわたって国連の仕事に携わってきたピコ氏は、特に、ソ連のアフガニスタン撤退の交渉やイラン・イラク戦争の終結に関する国連の活動に加わったことで高い評価を受けている。人は自分たちが誰であり、何をし、何に価値を置き、何を信じているかに責任を負わなければならないというのがピコ氏の信念である。断絶を越えて
対話には、地理的な境界も、文化や社会の区分もない。紛争によって人々の間に乗り越えられそうもない壁ができてしまったときでさえ、多くの場合、人間の精神や理想は対話への情熱を燃やし続けてきた。その情熱を絶やさないことこそ、国連「文明間の対話年」の目標の1つである。
そのため、国連は、人間の勇気の実例−−逆境に遭遇しながらも、文化、社会、経済、人種の問題を越えて対話の中から解決策を見出した、知られざる英雄たち−−を取り上げ、広く人々に伝える活動を行っている。現在、差異から生じる断絶に橋を架け、和解を導いた人々について、
60秒の公共広告(PSA)12本の制作が進められている。たとえば、内戦で荒れ果てた北アイルランドでわずか14才ながらベルファストの「平和の壁」プロジェクトの発足に貢献した平和活動家、マーガレット・ギブニーや、ナイロビのアフリカ平和博物館の設立者で、先住民のコミュニティに平和の伝統を共有するよう促したケニアの民族誌学者、スルタン・ソルンジーなどの努力が描かれている。これらの公共広告(PSA)は、いかなる言語に翻訳され、いかなるテレビ局が放送してもよいことになっている。国際関係の新たな展望の源として
現在、事務総長によって選ばれた賢人たちのグループが事務総長特使ピコ氏との協力のもと、多様性の受け止め方に焦点を当てた対話の問題についての
1冊の本を作成している。2001年の国連総会で事務総長に提出される予定のこの本は、国際関係の新たなパラダイム(方法論)を構築するための基礎となるにちがいない。
このプロジェクトに関わっているメンバーは以下の通りである。
Dr. A. Kamal Aboulmagd(エジプト)
「多様性の重要さが高く認識されれば、アイデンティティの感覚が強まり、価値の共通項が確実に拡大されるようになります。」 (
1999年11月12日、事務総長報告より)コフィー・アナン国連事務総長
Dr. Graca Machel(モザンビーク)
この活動は、アメリカ・ニュージャージー州セトンホール大学外交・国際関係学部に置かれた「文明間の対話」事務局の支援を受けている。
多様性を認め合うための活動
2000年初頭以来、文明間の対話に関して、各国の政府組織、学術団体、NGOが各種のセミナーや討論会を開き、研究の後援をしている。それによって、さまざまな市民社会グループの協力が進んでいる。
「文明間の対話」は、
2000年9月に国連本部で開かれた円卓会議のテーマでもあった。イラン・イスラム共和国のモハンマド・ハタミ大統領の支援によって開催され、ユネスコ事務局長が議長を務めたこの会議には、事務総長、12か国の元首(アフガニスタン、アルジェリア、グルジア、インドネシア、イラン・イスラム共和国、ラトビア、マリ、モザンビーク、ナミビア、ナイジェリア、カタール、スーダン)、アメリカ国務長官、およびアゼルバイジャン、コスタリカ、エジプト、インド、イラン・イスラム共和国、イラクの外務大臣が出席した。そして、全参加者により、文明間の対話を通してすべての国が敵意と対決を言葉による意思伝達と理解に置き換えることができると決議された。インターネットで
「文明間の対話のホームページ」(
http://www.un.org/Dialogue)は、相互作用的なインターネットのサイトを通して、世界的な対話と、サイトを訪れた人どうしのつながりを促進している。このサイトには、「文明間の対話年」に関する情報とニュースのほか、人間の勇気の実例(対話によって断絶に橋を架けた、知られざる英雄たちの物語)が掲載されている。また、全ての文化圏の、あらゆる年令の人々の心を引きつけるように作られており、ピコ氏とともに多様性の受け止め方についての本の出版に当たっている賢人グループの情報も提供されている。国連広報局(DPI)が製作したこのサイトは、国連の6つの公用語すべてで閲覧可能である。このサイトを訪れる人は、言葉と映像の両方を使って、オンラインで
1対1の対話をすることができる。さらに、世界の子どもや大人が設計した映像による3種類のゲームを通してこの映像を友達や仲間と共有することもできる。このサイトには、どの言語を話す人にもわかるように、直観的なグラフィックデザインが用いられている。これは、人と人が連携し「対話」を始めることができる、直接的、かつ不変で自由なコミュニケーションの道具なのである。「対話年」によって何ができるのか−−可能性、チャンス、そして変化
さらなる詳細に関しては、以下までご連絡ください。
Hasan Ferdous