コペンハーゲン宣言及び行動計画 世界社会開発サミット 宣言および行動計画については、日本政府によって作成された非公式訳を使わせていただきました Published by the United Nations Department of Public Information DPI/1707−9515294−August 1995 −30M ●目次 はじめに―国連広報センター 邦語訳の刊行に寄せて―外務省 序文―国連広報局 第1部社会開発に関するコペンハーゲン宣言 ......1  A.社会情勢の現況及びサミット開催の理由 ......4  B.原則及び目標 ......7  C.コミットメント ......9 第2部行動計画 ......23  第1章社会開発を可能ならしめる環境 ......26  第2章貧困の撲滅 ......36  第3章生産的雇用の拡大と失業の削減 ......50  第4章社会的統合 ......60  第5章実施とフォローアップ ......70 ************************************************************ ●はじめに  世界社会開発サミットで採択された宣言および行動計画の日本語訳を刊行できますことを大変喜ばしく思っております。  本冊子の作成にあたっては、日本外務省の寛大なるご支援をいただきました。この場をかりて、あらためて謝意を表したいと思います。  真の国連支援とは、私たちの日常生活において国連の崇高なる目的を推進することです。私たちはみな、国際的な場ばかりでなく、国家的、地域的な場においても、そうすべきです。その意味で、ここにある宣言および行動計画を、できる限り数多くの方々にお読みいただきたいと存じます。国連は過去10年の間、社会問題に関してさまざまな文書をだしてきましたが、これはそのなかでも最も重要なもののひとつです。  この冊子が政府、NGO、メディア、学会、個人の方々にお役にたつよう願っております。  なお社会開発サミット関連資料、その他のさまざまな国連の文書をお求めの場合、国連のインターネット・ホームページ(http://www.un.org)でご覧になれます。ご活用下されば幸いです。 1998年1月 国連広報センター 所長 J・P・カバナー ●邦語訳の刊行に寄せて  1995年3月、社会開発サミットがデンマークのコペンハーゲンに於いて開催され、我が国の村山総理(当時)を含め全世界より118ヶ国の首脳が参加しました。このサミットでは、国連史上初めて、貧困撲滅、雇用、社会的統合等、広い範囲にわたる社会問題が総合的に取り上げられ、これらの問題の解決に国際社会全体として取り組む決意が盛り込まれた「コペンハーゲン宣言」及び「行動計画」が採択されました。  社会開発は、経済発展に伴い生じがちな貧富の差や弱者の社会的疎外のような社会的なひずみを是正しつつ、社会の発展を促そうとするものであり、開発途上国のみならず先進国にとっても極めて重要なテーマといえるでしょう。  日本政府としても、関係23省庁から成る連絡会議を中心として、社会開発サミットの効果的なフォローアップに取り組んでいきたいと考えております。特に社会的弱者のような問題は、政府のみならず、国民一人一人が関心を持ち、状況の改善に努めることによって初めて解決が可能となるものです。このような観点からも、社会開発に関する総合的な視点からの課題及び施策を盛り込んだ「コペンハーゲン宣言」及び「行動計画」の邦語訳が出版され、皆様が利用可能になったことを嬉しく思います。この邦語版が、社会開発問題に関心を有する方の一助となるととともに、今後この分野に関心を持つ方が増え、世界において、全ての人々が平等と安寧の中で生活できる社会の実現が促進されるよう願ってやみません。 1998年1月 外務省総合外交政策局 国際社会協力部長 朝海和夫 ●序文  デンマークのコペンハーゲンで1995年3月6日〜12日に開かれた「世界社会開発サミット」の閉会時に、各国政府は、人間を開発の中心に据える必要性に関する新たなコンセンサスを表す宣言及び行動計画を採択した。  この世界各国指導者の最大規模の集い――国家元首または政府首班117人――は、貧困を克服し、完全雇用という目標を達成し、安定した安全かつ公正な社会を育むことを、各国の最重要目標にすると誓約した。  宣言において世界の各国指導者が採択した画期的な取り決めには、以下を行うという十のコミットメントがある。  ●各国が設定する目標期限までに絶対的貧困を根絶すること。  ●完全雇用を基本的政策目標として支持すること。  ●あらゆる人権の強化と保護に基づき、社会的統合を推進すること。  ●男女間の平等と公平を達成すること。  ●アフリカ及び後発開発途上国の開発を加速すること。  ●構造調整計画が社会開発目標を含むようにすること。  ●社会開発に割り当てられる資源を増大させること。  ●「人々が社会開発を達成できるような経済的・政治的・社会的・文化的・法律的環境」を創出すること。  ●教育及びプライマリーヘルスケアへの普遍的かつ平等なアクセスをもたらすこと。  ●国連を通じて社会開発のための協力を強化すること。  宣言及び行動計画は、1994年1月に始まった3回にわたる2週間の準備会合と10月に行われた1週間の非公式協議から生み出された。これらは、サミットの本会議及びプレ−サミット準備委員会の議長、チリのフアン・ソマビア大使(Juan Somavia)が主宰する5日間の交渉を経て、コペンハーゲンにおいて最終決定された。なお、デンマーク首相のポール・ニューロップ・ラスムセン氏がサミットの委員長を務めた。  サミットは、1992年12月に国連総会決議47/92によって任務を規定された。主に、国連政策調整持続可能開発局によって組織された。 ●サミットのフォローアップ  サミットの取り決めの履行についての第一義的責任は各国にあり、国連とその開発諸機関がこの努力を支援する。国際レベルで、サミットは社会開発における国連の主導的役割を強く確認し、具体的責任をいくつかの国連機関、国連事務総長、経済社会理事会及び国連総会に割り当てた。また、ブレトン・ウッズ国際金融機関と国連システムの間の関係強化も要求した。  「貧困撲滅のための国際年」に当たる1996年の会期中に、国連総会はサミットの貧困撲滅に関する誓約の履行進捗状況を再検討する。コペンハーゲン宣言及び行動計画の全般的履行を検討するため、特別総会が2000年に開かれる予定である。 ●広範な参加  サミットには、世界186カ国の代表をはじめとする1万4,000人以上の参加者が出席した。他に、811の非政府機関(NGO)の代表約2,300人、ジャーナリスト2,800人以上が列席した。さらに、約1万2,000人のNGO代表及び他の人々が、「NGOフォーラム’95」という同時開催イベントのため、ホルメン(Holmen)という元海軍基地の会場で、3月3日から12日まで毎日集まった。  社会開発サミットは具体的に社会開発を初めて扱った大規模な国連会議であるが、それと共に国連の開発活動を再形成する一連の高いレベルの会合と密接に関係したものである。コペンハーゲン宣言及び行動計画は、リオデジャネイロでの1992年国連環境開発会議とカイロでの1994年国際人口開発会議で合意された持続可能な開発に関する勧告に依拠している。また、第4回世界女性会議(1995年9月、北京)と「国連人間居住会議(ハビタットII)」(1996年、イスタンブール)の作業によって補完される。 国際連合広報局 (DPI/1707-9515294) ●第1部 ●社会開発に関するコペンハーゲン宣言 ●社会開発に関するコペンハーゲン宣言 1. 歴史上初めて、国連の招待により、社会開発と人類の幸福の重要性を認識し、これらの目標に対して現在そして来る21世紀に向けて最も高いプライオリティーを与えるために、我々は、国家元首あるいは政府首脳として会するものである。 2. 我々は、世界のあらゆる国々に影響を与えている深刻な社会問題、特に貧困、失業及び社会的疎外に対する緊急な取り組みの必要性を世界中の人々がさまざまな形で表明していることを認識する。人々の生活から不確実性や危険性を除去するために、構造的かつ根本的原因とその悲惨な結果の双方に立ち向かうのが我々の責務である。 3. 我々は、さまざまな国々や地域に生活する個人やその家族及びコミュニティーの物質的、精神的ニーズに対し、我々の社会がより効果的に応えなければならないことを認める。我々は、これを緊急の課題として、しかも将来にわたり持続的で揺るぎないコミットメントとして取り組んでいかなければならない。 4. 我々は、社会のあらゆる領域において、民主主義と透明で責任ある統治と行政が、社会と人間中心の持続可能な開発の実現に欠くことのできない基礎であることを確信する。 5. 我々は、社会開発と社会的公正が、各国国内そして国家間の平和と安全を達成し、維持するために不可欠であるという確信を共有する。また逆に、社会開発と社会的公正は、平和と安全、そしてすべての人権と基本的自由の尊重なくして得ることはできない。こうした本質的な相互依存関係は50年前に国連憲章で確認されたが、以降さらに顕著になっている。 6. また、我々は、経済発展、社会開発及び環境保護が相互に依存し、それらは、すべての人々がより高い質の生活に到達することに向けての我々の努力の枠組みである持続可能な開発のために相互に強化し合う要素であることを強く確信する。貧しい人々が環境資源を持続的に利用できるようにする公平な社会開発は、持続可能な開発のために必要な基礎である。我々はまた、持続可能な開発のコンテキストの中での広範な基礎に基づく持続的経済成長が、社会開発と社会的公正を支えるために必要であることを認める。 7. 従って我々は、社会開発が、世界中の人々のニーズと期待及び政府と市民社会のあらゆる主体の責任の中心に位置するものであることを認識する。我々は、経済的にも社会的にも最も生産的な政策と投資とは、人々の能力、資源及び機会を最大にするために人々の能力を開発するものであると考える。持続的な社会的・経済的発展は、女性の完全な参加なしには確保されず、また、男女の平等と公平が、国際社会のプライオリティーであり、そのようなものとして経済・社会開発の中心に据えなければならないことを我々は認める。 8. 我々は、人々こそが持続可能な開発に対する我々の関心の中心にあり、人々は環境と調和した健康的で生産的な生活を送る権利を有することを認める。 9. 我々は、すべての人々、特に貧しい人々が、満足な生活をおくり、家族、コミュニティー及び人類の幸福に貢献することができるように権利を行使し、資源を利用し、責任を分担することができるよう我々自身及び我々の政府と国家が世界中の社会開発に努めることを誓うためにここに参集した。このような努力を支援し、促進することが国際社会の優先目標であり、特に貧困、失業及び社会的疎外などに苦しんでいる人々に配慮しなければならない。 10. 我々は、国連50周年を前に冷戦終結がもたらした社会開発と社会的公正を促進するためのまたとない機会をとらえるとの決意をもって厳粛にこの誓約を行う。我々は、国連憲章の諸原則、及び子供のための世界サミット(1990年、ニューヨーク)、国連環境・開発会議(1992年、リオ・デ・ジャネイロ)、世界人権会議(1993年、ウィーン)、小島嶼開発途上国の持続可能な開発に関する地球会議(1994年、ブリッジタウン、バルバドス)、国際人口・開発会議(1994年、カイロ)などの関連の国際会議における合意事項を再確認し、指針とする。このサミットにより、我々は、それぞれの国々において社会開発への新たなコミットメントを打ち出し、人々のニーズ、権利及び願望を我々の決定と共同の行動の中心に据えるパートナーシップの精神に基づく政府と人々との間の国際協力の新時代を開始する。 11. 我々は、ここコペンハーゲンに希望とコミットメントと行動のサミットに参集した。我々は、果たさなければならない責務の困難さを十分認識しつつも、大きな前進が得られ、得られなければならず、また得られるとの確信をもって参集するものである。 12. 我々は、社会開発を促進し、現在そして来る21世紀に向けて世界中のすべての人々の人間としての幸福を確保するために本宣言及び行動計画にコミットする。我々は、すべての国々及びあらゆる生活分野のあらゆる人々に対して、また国際社会に対して、共通の目標のために我々と行動を共にするよう呼びかける。 ●A.社会情勢の現況及びサミット開催の理由 13. 我々は、世界中の国々で、一部の人々の繁栄の増大に対して、不幸にも他の人々の筆舌に尽くしがたい貧困が拡大していることを目の当たりにしている。この大きな矛盾は容認することができず、緊急に是正する必要がある。 14. グローバリゼーションは、人類の移動の拡大、通信の発達、貿易及び資本フローの著しい増大及び技術発展の結果であるが、世界経済、特に開発途上国の持続的経済成長や世界経済の発展のための新しい機会をもたらすものである。また、グローバリゼーションによって各国は互いに経験を分かち合い、他国の成果や問題から学び、理想、文化的価値及び願望を相互に育み合うことができる。それと同時に、急速な変化や調整にともなって、深刻な貧困、失業及び社会の分裂が進行している。また、環境危機など、人類の幸福への脅威も世界的なものとなった。さらに、世界経済のグローバルな変容は、すべての国における社会開発のパラメーターを根本から変化させている。我々の挑むべきは、これらの変化や脅威に如何に対処して、大きな恩恵を引き出しながら、人々への悪影響を緩和することができるかということである。 15. 社会経済開発のいくつかの分野において進歩があった。中でも、 (a)国々の富全体は過去50年間で7倍になり、国際貿易はそれ以上に増大している。 (b)平均寿命、識字、初等教育及び家族計画を含む基礎的なヘルス・ケアへのアクセスは、大半の国々で向上しており、開発途上国においても乳幼児死亡率は低下している。 (c)民主的多元主義、民主的制度及び基本的な市民の自由が拡大した。脱植民地化の努力は、大きな進歩を遂げたが、なかでもアパルトヘイト撤廃は歴史的な成功である。 16. しかし、あまりに多くの人々、特に女性と子供は、緊張と搾取にさらされているということを我々は認める。貧困、失業、及び社会の分裂はあまりにしばしば放任、疎外及び暴力の原因となっている。多くの人々、特に弱い立場にある人々が自らとその子供の将来について感じている不安感が増大している。 (a)先進国、開発途上国を問わず、多くの社会で貧富の差が拡大している。さらに、いくつかの途上国が急速な成長を遂げている事実にもかかわらず、先進国と多くの開発途上国、特に後発開発途上国との格差は拡大している。 (b)世界の10億人以上の人々が極度な貧困生活をおくっており、その大部分は日々飢えを感じている。大部分の人々―その大部分は女性が占める―は、特にアフリカ及び後開発途上国において収入、資源、教育、ヘルス・ケアまたは栄養へのアクセスが非常に限られている。 (c)市場経済移行期にある国々や、政治的、経済的及び社会的な根本的変革を遂げている諸国においても、性格や規模の異なる深刻な社会問題がある。 (d)地球環境の悪化の主要な原因は、特に先進国における消費と生産の非持続的なパターンであり、それは、貧困と不均衡を悪化させる深刻な問題である。 (e)世界人口の継続的な増加、その構造、分布及びそれと貧困、社会的及びジェンダー間の不平等との関係は、政府、個人、社会制度及び自然環境の適応能力に挑んでいる。 (f)世界中で1億2千万人以上の人々が公式に失業者と認められており、さらに多くの人々が不完全雇用の状態にある。あまりに多くの若年者が、学校教育を受けた者を含め、生産的な職業を見つける希望を失いつつある。 (g)男性に比べより多くの女性が、絶対的貧困の生活をおくっている。不均衡は拡大し続けており、女性と子供に深刻な影響を与えている。女性は、貧困、社会の分裂、失業、環境破壊及び戦争の影響に対処するという不釣り合いに大きい問題を担っている。 (h)少なくとも10人に1人は障害者であり、世界最大の少数グループの一つとなっている。彼らはあまりにもしばしば貧困、失業及び社会的孤立を強いられている。さらにいずれの国においても、特に高齢者は、社会的疎外、貧困及び除外の害を被りやすい。 (i)世界中の何百万人もの人々は、難民か国内避難民である。悲劇的な社会的影響は、出身国、受け入れ国及びそれぞれの地域の社会的安定及び開発に危機的影響をもたらす。 17. これらの問題は、その性格上地球的規模のものでありいずれの国にも影響を及ぼしているが、開発途上国、特にアフリカ及び後発開発途上国の状況は深刻であり、特別な留意と行動が必要とされていることを我々は明確に認識している。また、平和と民主主義を確立する過程にあるなど根本的な政治的、経済的及び社会的な改革を行っている国々が国際社会の支援を必要としていることを我々は認識している。 18. 市場経済移行期にある国々も根本的な政治的、経済的及び社会的な変革を行っており、国際社会の支援を必要としている。 19. 根本的な政治的、経済的及び社会的な変革を行っている他の国々も国際社会の支援を必要としている。 20. 社会開発の目標と目的は、家族や社会の社会的苦悩及び社会的不安定の主要な原因の軽減と除去に向けて努力を継続することを必要とする。我々は、我々の国民の健康、安全、平和、安全及び幸福に深刻な脅威を与える世界的状況と闘うことに特別な焦点をあて、優先的な配慮を与えることを誓う。これらの状況には、慢性的飢餓、栄養失調、不正薬物問題、組織犯罪、汚職、外国による占領、武力紛争、非合法武器取引、テロ、不寛容、人種的・民族的・宗教的その他の憎悪の煽動、排外主義、風土病、伝染病及び慢性病などがある。このために、国内レベル、地域レベル及び国際レベルでの協調と協力を一層強化しなければならない。 21. このコンテキストの中で、過度な軍事支出、武器貿易、武器の製造や購入への投資が開発に与える悪影響に取り組まなければならない。 22. すべての国で、伝染病は深刻な健康問題であり、世界全体で死亡の主要な原因となっている。多くの伝染病において、その羅病率が高くなっている。これらの伝染病は社会開発を阻害し、しばしば貧困と社会的疎外の原因となる。結核及びマラリアからHIV/AIDSまでの範囲にわたるこれらの病気の予防、治療及びコントロールに最も高い優先度を与えなければならない。 23. 世界の人々のニーズを我々の優先事項にすることによってのみ世界の人々の信頼を維持することができる。我々は、貧困、生産的雇用の不足及び社会の分裂が、人間の尊厳に対する侮辱であることを知っている。我々はまた、それらが相互に悪影響を与え、人的資源の浪費であり、市場の機能や経済的、社会的制度やプロセスの非効率を表すものであることを知っている。 24. 我々の立ち向かう挑戦は、現在そして未来の指針となる人間中心の社会開発の枠組みを確立し、協力とパートナーシップの文化を創造し、苦悩に苛まれている人々の緊急のニーズに応えることである。我々は、この挑戦に立ち向かい、世界全体の社会開発を促進することを決意する。 ●B.原則及び目標 25. 我々国家元首及び政府首脳は、人間の尊厳、人権、平等、尊敬、平和、民主主義、相互の責任及び協力に基づき、さまざまな宗教的、倫理的価値観及び人々の文化的背景を十分に尊重しつつ、社会開発のための政治的、経済的、倫理的及び精神的ヴィジョンにコミットする。したがって、我々は、国内的、地域的及び国際的な政策及び行動において、すべての人々の完全参加に基づいた社会的進歩、社会的公正及び人間の置かれた状況の改善に最も高い優先度を与えるものである。 26. このために我々は、以下の行動のための枠組みを設定する。 (a)開発の中心に人間を置き、より効果的に人間のニーズを満たすよう、経済の方向づけを行うこと。 (b)世代間の公平を確保し、我々の環境の保全と持続可能な使用を保護することにより現在及び未来の世代への我々の責任を果たすこと。 (c)社会開発は、各国の責任であるが、集団的取り組みや国際社会の努力なしには完全な成功を達成することができないことを認識すること。 (d)経済的、文化的及び社会的政策を互いに支援するものとするため統合すること。公的活動と民間活動の相互依存を認めること。 (e)持続的な社会開発を達成するためには、健全で広範な基礎に基づく経済政策が必要であることを認識すること。 (f)民主主義、人間の尊厳、社会的公正及び連帯を、国家レベル、地域レベル及び国際レベルで促進すること。社会の内部及び社会の間において多様性を十分に尊重しつつ、寛容、非暴力、多元主義及び無差別を確保すること。 (g)すべての人々に対する機会の公平と平等を通じて所得の公平な分配及び資源へのより大きなアクセスを促進すること。 (h)家族が社会の基礎的単位であることを認識し、社会開発の重要な役割を担っていることを認めること。またそのようなものとして、その構成員の権利、能力及び責任に留意しつつ家族は強化されなければならないこと。異なる文化的、政治的及び社会的システムにおいてさまざまな形態の家族が存在すること。それは包括的な保護及び支援を受ける権利を有すること。 (i)不利で弱い立場にある個人とグループが社会開発に参加すること、及び個人の法的権利を保障し、物理的及び社会的環境をアクセスしうるものとすることにより社会が障害の影響を認め、それに対応するものであることを確保すること。 (j)発展の権利を含むすべての人々のあらゆる人権及び基本的自由の普遍的な尊重、遵守及び保護を促進すること。社会のあらゆるレベルで、権利の実効的な公使や責任の履行を促進すること。男女間の平等と公平を促進すること。児童と若年者の権利を保護すること。社会的統合と市民社会の強化を促進すること。 (k)すべての民族、特に植民地あるいは他の形態の外国支配あるいは外国の占領下にある民族の自決権、及び特に世界人権会議において採択されたウィーン宣言及び行動計画に規定されているこの権利の効果的な実現の重要性を再確認すること。 (l)社会の全ての構成員の基礎生活分野における必要を満たし、彼あるいは彼女の個人の尊厳、安全及び創造性を実現することができるような人々及びコミュニティーのための進歩及び安全を支援すること。 (m)先住民が、経済社会開発を追求することを彼らのアイデンティティー、伝統、社会的組織の形態及び文化的価値を十分に尊重しつつ、認識するとともに支援すること。 (n)あらゆる公共、民間及び国内、国際機関の透明で責任ある統治と行政の重要性を強調すること。 (o)人々、特に女性の能力を強化するためにエンパワーすることは、開発の主要な目標であり、開発の主要な資源であることを認めること。エンパワメントのためには、我々の社会の機能及び福利を定める決定の策定並びに実行及び評価への人々の完全参加を必要とする。 (p)社会開発の普遍性を擁護すること。国際協力及びパートナーシップをもって社会開発への新しい強化されたアプローチを明らかにすること。 (q)高齢者がよりよい暮らしができる見込みを増すこと。 (r)新しい情報技術及び貧しい人々の技術へのアクセス及び使用へのアプローチは、社会開発目標を達成することを助けることができることを認識すること。よって、このような新技術へのアクセスを容易にする必要性があることを認識すること。 (s)政治的、経済的、社会的及び文化的生活のあらゆる側面で平等なパートナーとしての女性の参加を改善し、確保し、拡大する政策及びプログラムを強化すること。そして女性の基本的権利を完全に行使するために必要なあらゆる資源へのアクセスを改善すること。 (t)難民が安全で尊厳をもって出身国に自発的に帰国し、また国内避難民が出身地に自発的かつ安全に帰還し、彼らが社会にスムーズに再統合されることを可能にする政治的、法的、物質的及び社会的条件を創造すること。 (u)完全な社会開発に到達するために国際条約に従い、すべての捕虜、行方不明者及び人質を家族に返還する重要性を強調すること。 27. 我々は、これらの目標を達成することは、各国の第一義的責任であることを認識する。また、我々は、以上の目標が各国のみでは達成できないことを認識する。国際社会、国連、国際金融機関、あらゆる地域機関及び地方機関、そして市民社会のあらゆる主体は、社会的緊張を削減し、より大きい社会的経済的安定及び安全を創出するグローバルな努力の中で人々の間の不平等を削減し、先進国と開発途上国の間のギャップを縮小するするために、それらの努力及び資源をもって積極的に貢献する必要がある。市場経済移行期にある国々の急激な政治的、社会的及び経済的変化は、それらの国々の経済的、社会的状況の悪化を伴っている。我々は、すべての人々に対し、自らの活動分野及び特別な市民的責任を通じて人間の置かれている状況を高めるためそれぞれの誓約を表明するよう呼びかける。 ●C.コミットメント 28. 我々の社会開発へのグローバルな推進及び行動計画にある行動のための勧告は、コンセンサスと国際協力の精神に則り、国連憲章の目的及び原則に完全に合致し、社会開発のための戦略、政策、プログラム及び行動は各国の責任であり、さまざまな宗教的、倫理的価値観、文化的背景及び人々の哲学的確信を十分に尊重し、あらゆる人権及び基本的自由に従って、各国の経済的、社会的及び環境的状況の多様性を考慮に入れなければならないことを認識しつつ策定された。このコンテキストにおいて、国際協力は社会開発プログラムと行動の完全な実行のために不可欠である。 29. 国家主権、領土保全とともに政策目標、開発プライオリティー、宗教的及び文化的多様性を十分に尊重しつつ社会的公正、連帯、調和及び平等を目指す我々の社会開発の共通の追求及びあらゆる人権及び基本的自由の完全な尊重を基礎に、我々は、次のコミットメントに表現されている社会的進歩及び社会開発のグローバルな推進を開始する。 ・コミットメント1  我々は、人々が社会開発を達成することができるような経済的、政治的、社会的、文化的及び法的環境を創出することを誓約する。 この目的のために、国内レベルで我々は、  (a)我々の憲法、法律及び手続に従い、国際法及び国際的義務に合致する、男女の平等と公平、あらゆる人権と基本的自由及び法の支配、司法へのアクセス、あらゆる形態の差別の撤廃、透明で責任ある統治と行政及び市民社会の自由な代表組織とのパートナーシップの慫慂を含みそれらを促進する安定した法的枠組みを提供する。  (b)所得、資源及び社会サービスに対するすべての人々のより公平なアクセスを促進することを目指し、これを可能ならしめるような経済環境を創出する。  (c)適当な場合には、人々が社会、経済政策及びプログラムの策定及び実施に参加する手段及び能力を、非集権化、公的機関のオープン・マネジマント及び市民社会や地域社会が自らの組織、資源及び活動を発展させる能力及び機会を強化することを通じて促進する。  (d)寛容、非暴力、多様性の尊重を促進し、平和的な手段によって紛争を解決することにより平和を強化する。  (e)ダイナミックで開放的な自由市場を、市場の失敗を防止するために必要な範囲内での市場への介入が必要であることを認めつつ促進する。安定性と長期投資を促進する。公平な競争及び倫理的な行動を確保する。貧しい人々及び不利な立場にある人々、特に女性が、経済及び社会に十分かつ生産的に参加することを可能にする適当なプログラムの開発及び実行等、経済開発と社会開発を調和する。  (f)世界人権宣言、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、発展の権利宣言等の関連の国際文書及び宣言に規定されている教育、食糧、住居、雇用、健康及び情報等に関する権利の実現を、特に貧しい人々を支援するために再確認し、促進するとともに確保するよう努力する。  (g)難民が出身国に安全かつ尊厳をもって自発的に帰国し、また国内避難民が出身地に安全に帰還し社会にスムーズに統合されることが可能となるような包括的な条件を創出する。  国際レベルで、我々は、  (h)国際的な平和と安全を促進し、国連憲章に従い平和的な手段で国際紛争を解決するため、あらゆる努力を行いそれを支援する。  (i)社会開発を達成するために国際協力を強化する。  (j)特に、マクロ経済政策の策定及び実施における協力、貿易の自由化、十分かつ予測可能で持続可能な開発のためのそのような資源の利用可能性を最大化するような形で動員される新規で追加的な金融資金の動員及び/または供給、あらゆる利用可能な資金供給源及びメカニズムの使用、財政の安定の向上、市場経済移行期にある国々のニーズに適当な考慮を払いつつ、開発途上国のグローバル・マーケット、生産的投資及び技術及び適当な知識へのより公平なアクセスを通じて支援的な海外経済環境を創出する政策を促進し、実行する。  (k)貿易、投資、技術、債務及び政府開発援助(ODA)に関する国際合意が、社会開発を促進する形で実施されることを確保するよう努力する。  (l)迅速で、広範な基礎に基づく持続可能な開発を達成しようとする開発途上国の努力を特に技術・経済協力を通じて支援する。小島嶼開発途上国及び内陸開発途上国及び後発開発途上国の特別なニーズに特に留意しなければならない。  (m)市場経済移行期にある国々が迅速で広範な基礎に基づく持続可能な開発を達成しようとする努力を適当な国際協力を通じて支援する。  (n)普遍的で不可譲な権利であり基本的人権の欠くことのできない一部である発展の権利を含む普遍的、不可分、相互依存的かつ相互に関係するあらゆる人権を再確認し、促進するとともに、それらが尊重され、保護され、遵守されることが確保されるよう努力する。 ・コミットメント2  我々は、果断な各国の行動と国際協力により、倫理的、社会的、政治的及び経済的な人類の課題として、世界の貧困を撲滅する目標を誓約する。このために、国内レベルで、市民社会のすべての主体とのパートナーシップ及び多次元の総合的アプローチにより我々は、  (a)できる限り短期間で全般的な貧困を実質的に削減し、不平等を削減するとともに各国が国内の状況に応じて設定する目標期限までに絶対的貧困を根絶するための国内政策及び国内戦略を緊急事項として、できる限り国際貧困撲滅年の1996年までに策定または強化する。  (b)貧困の根本的な原因に対処し、あらゆる人々の基本的ニーズを提供するため我々の努力と政策を傾注する。これらの努力は、飢餓と栄養失調の除去、食糧安全保障、教育、雇用と生計、リプロダクティヴ・ヘルス・ケア、安全な飲料水及び衛生を含むプライマリ・ヘルス・ケア・サービス、十分な住居及び社会的及び文化的な生活への参加の提供を含まなければならない。しばしば貧困の一番大きな負担を背負っている女性及び児童のニーズと権利及び不利で弱い立場にあるグループ及び人々のニーズに特別な優先度が与えられるであろう。  (c)貧しい人々が、信用、土地、教育・訓練、技術、知識・情報等の生産資源及び公的サービスへのアクセスを有すること、及び彼らが雇用及び経済機会の拡大の恩恵を受けることができるような政策及び規制的環境に関する意思決定に参加することを確保する。  (d)すべての人々が、失業、疾病、妊娠、育児、寡婦、障害及び高齢について十分な経済的及び社会的保護を受けられることを確保するための政策を開発し実行する。  (e)国内予算及び政策が必要に応じ、戦略目標として基本的ニーズを満たし、不平等を削減し、貧困と取り組むために向けられることを確保する。  (f)不平等を緩和し、資源及び所得に対する機会及びアクセスを増大し、不平等を強化し、存続させるいかなる政治的、法的、経済的及び社会的要因及び制約を除去するよう追求する。  国際レベルで、我々は、  (g)国際社会及び国際機関、特に国際金融機関は、開発途上国及び貧困の撲滅及び基礎的な社会的保護という包括的な目標を達成する努力をしているすべての国々を支援することを確保するよう努力する。  (h)あらゆる国際ドナーと国際開発金融機関に対し、持続的な形態で開発途上国及び(支援を)必要とするすべての国々による人間中心の持続可能な開発及びすべての人々の基礎的ニーズ充足に関する具体的な努力の達成のための政策及びプログラムを支援し、合意されたプログラム目標の達成を確保するため関係する開発途上国と協議して、それらの既存のプログラムを評価し、それらの政策及びプログラムが、すべての人々の基礎的ニーズを満たし、絶対的貧困を根絶することに焦点を当てる合意された開発目標の達成を前進させることを確保することを追求するよう慫慂する。関係する人々の参加が、そのようなプログラムの不可欠な一部であることを確保するよう努力しなければならない。  (i)貧しい人々が特に集中しており、社会・経済開発を達成するために深刻な困難に直面している特に南アジアの国々や地域の特別なニーズに注意を傾注するとともに支援する。 ・コミットメント3  我々は、我々の経済・社会政策の基本的プライオリティーとして完全雇用の目標を促進し、すべての人々が自由に選択した生産的雇用と職業を通じて確実で持続可能な生計を得ることができるようにすることを誓約する。  このために、国内レベルで、我々は、  (a)労働者の権利を十分に尊重しつつ、使用者、労働者及びそれぞれの団体が参加し、若年者、女性、障害者その他のすべての不利な立場にあるグループ及び個人の構造的で長期の失業及び不完全雇用の問題に特別な配慮を払いつつ、雇用の創出、失業の削減及び適当で十分な報酬のある雇用を政府の戦略及び政策の中心に置く。  (b)経済成長を達成し、人的資源の開発に投資し、生産的雇用を創出する技術を促進し、自営、企業家精神及び中小企業を慫慂することにより、農村及び都市セクター双方において職業機会と生産性を拡大する政策を開発する。  (c)社会の不利な立場にあるセクターを特に強調してインフォーマル・セクターを含む中小企業の土地、信用、情報、インフラ及びその他の生産的資源へのアクセスを改善する。  (d)労働者と使用者が、経済環境、技術及び労働市場の変化に適応するために必要な教育、情報及び訓練を受けることを確保するための政策を開発する。  (e)雇用創出のための革新的なオプションを探求し、所得及び購入力を創出するための新しいアプローチを探求する。  (f)人々が、賃金労働と家族的責任を両立することができるような政策を強化する。  (g)女性の雇用へのアクセス、女性の労働市場での地位の保護、特に賃金面での男女の平等な待遇の促進に特に留意する。  (h)開発途上国における貧困の撲滅や社会的統合へのインフォーマル・セクターの貢献を増大し、フォーマル・セクターとの関連を強化することを目標として、雇用開発戦略におけるインフォーマル・セクターの重要性を適切に考慮する。  (i)質の高い労働を確保する目標を追求し、労働者の基本的権利及び利益を保護し、このために、強制労働及び児童労働の禁止、結社の自由、団結及び集団交渉の権利及び無差別の原則を含む関連のILO条約の尊重を自由に促進する。  国際レベルで、我々は、  (j)移住労働者が、関連の国内及び国際文書により提供される保護の恩恵を受けることを確保し、移住労働者の搾取に対する具体的で効果的な手段をとる。すべての国々が、移住労働者関連の国際文書を批准し、完全に履行することを検討するよう慫慂する。  (k)持続的な経済成長及び雇用の創出を促進するために、マクロ経済政策に関する国際協力、貿易の自由化及び投資を強化する。雇用の増大及び失業の削減を目指して成功した政策及びプログラムの経験を交換する。 ・コミットメント4  我々は、あらゆる人権の促進と擁護及び無差別、寛容、多様性の尊重、機会の平等、連帯、安全及び不利で弱い立場にあるグループ及び人々を含むすべての人々の参加に基づき、安定した安全かつ公正な社会を強化することにより社会的統合を促進することを誓約する。このために、国内レベルで、我々は、  (a)教育システム及びコミュニケーション・メディア、地域社会及び地域組織が人々の社会的統合のあらゆる側面の理解及び認識を高めることを慫慂することにより、民主主義、法の支配、多元主義及び多様性、寛容及び責任、非暴力及び連帯に対する尊重を促進する。  (b)あらゆる形態の差別の撤廃と平等及び人間の尊厳の尊重に基づいた社会的統合の達成を目指した政策及び戦略を策定あるいは強化する。  (c)コミュニケーション及び市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的生活への参加を促進するための不可欠な手段としてあらゆる人々の教育、情報、技術及びノウ・ハウへのアクセスを促進する。市民的、政治的、経済的、社会的及び文化的権利の尊重を確保する。  (d)不利で弱い立場にあるグループ及び人々の保護及び経済と社会への完全な統合を確保する。  (e)多くの社会のセクターにおいて増大する人種主義と排外主義の行為を撤廃し、すべての社会においてより大きな調和と寛容を促進するために、移住者、移住労働者及びその家族の人権の尊重及び擁護を確保する手段を策定あるいは強化する。  (f)先住民が、アイデンティティー、文化及び利害を維持し、発展させる権利を認めるとともに尊重する。また、先住民の社会的公正に対する期待を支援し、国内での社会的、経済的および政治的な生活分野への参加を可能にする環境を提供する。  (g)第2次世界大戦及びその他の戦争の退役軍人及び犠牲者を含む、退役軍人に対する社会的保護及び経済及び社会への完全な統合を強化する。  (h)すべての年齢グループの人々の貢献が調和した社会の建設のために等しく非常に重要であることを認識するとともにこれを慫慂し、また社会のあらゆる部分において世代間の対話を強化する。  (i)国家的あるいは民族的、宗教的あるいは言語的少数者の文化的、民族的及び宗教的多様性を認識するとともに尊重する。そして、彼らが社会の政治的、経済的、社会的、宗教的及び文化的生活のあらゆる側面及び自国の経済発展と社会開発に完全に参加することを容易にする手段を講じる。  (j)地域社会及び共通の関心を有するグループが、NGOの活動を通じる等自らの組織及び資源を開発し、社会開発に関する政策を提案する能力を強化する。  (k)家族が果たす役割の重要性を認識し、家族に支援と保護を保障する環境を提供して、社会的統合を促進する制度を強化する。異なる文化、政治及び社会システムで、さまざまな形態の家族が存在する。  (l)社会の分裂の要因として犯罪、暴力及び不正薬物の問題に取り組む。  国際レベルで、我々は、  (m)差別の撤廃及びあらゆる人権の促進及び擁護に関する国際文書を批准し、できる限り留保に訴えることを回避し、履行するとともに、国際的に認められた宣言を遵守するよう慫慂する。  (n)難民及び受け入れ国への人道的資金援助を提供する国際的なメカニズムをさらに強化し、適当な責任分担を促進する。  (o)平等、相互の尊敬及び互恵に基づく国際協力及びパートナーシップを促進する。 ・コミットメント5  我々は、人間の尊厳に対する十分な尊重を促進し、男女間の平等と公平を達成し、政治的、市民的、経済的、社会的及び文化的側面と開発への女性の参加と指導的役割を認識するとともに強化することを誓約する。 このために、国内レベルで、我々は、  (a)家族と社会における人間の尊厳、平等、公平への障害となるものをすべて除去するために、姿勢、組織、政策、法律及び慣習の変化を促進する。また、都市及び農村女性そして障害をもつ女性の、公の政策及びプログラムの策定、実施及びフォローアップ等、社会的、経済的及び政治的生活における完全で平等な参加を促進する。  (b)特に先住民女性、草の根レベル及び貧困に苛まれているコミュニティーのさまざまな組織を通じて、必要な場合にはアファーマティヴ・アクションを通じ、また経済、社会政策の企画及び実施にジェンダーの視点を取り入れるための手段を通じて、あらゆるレベルの意思決定過程におけるジェンダー間のバランス及び公平を確保し、女性の政治的、経済的、社会的及び文化的機会と自立を拡大し、女性のエンパワメントを支援するために組織、政策、目的及び測定可能な目標を確立する。  (c)女性の識字、教育・訓練への十分で平等なアクセスを確保し、信用その他の生産資源及び男性と平等に資産及び土地を購入、所有及び売却する能力を有することに対するあらゆる障害を除去する。  (d)男女の平等を基本として、国際人口・開発会議の行動計画に従い、リプロダクティヴ・ヘルス・ケアを含む最も幅広いヘルス・ケア・サービスへの普遍的なアクセスを確保するため適当な手段を講じる。  (e)女性が、土地を所有し、財産を相続し、金銭を借り入れる権利に対する残存する制限を除去し、女性の平等な労働の権利を確保する。  (f)ジェンダー間の差別が人生の初期に始まることを認識し、女児の、特に健康、栄養、識字及び教育に関する地位、福祉及び機会の平等を促進する政策、目的及び目標を確立すること。  (g)家庭とコミュニティーにおける生活及び社会における男女間の平等なパートナーシップを促進し、育児及び高齢の家族の扶養における男女の責任の分担を強調し、男性に分担された責任を強調し、男性が親として積極的に責任を持つこと、並びに積極的に責任ある性的及び生殖行動をすることを促進する。  (h)関連の国際文書及び宣言に従い、女性及び女児に対するあらゆる形態の差別、搾取、虐待及び暴力と闘い、撤廃する立法及びその実施を通じる等の手段を講じ政策を実行する。  (i)女性があらゆる人権及び基本的自由を完全かつ平等に享受することを促進し、保護する。  (j)ポジティヴ・アクション、教育、訓練、労働法制下の適切な保護及び質の高い育児その他の支援サービスの提供を容易にする等の手段を通じて、女性が完全に賃金労働及び雇用に参加することができるようにすることを確保するための政策及び慣行を策定あるいは強化する。  国際レベルで、我々は、  (k)女性の人権を促進及び保護し、女子差別撤廃条約及びその他の関連の文書をできれば2000年までにできる限り留保を付さずに批准し、その条項を履行すること、及び女性の地位向上のためのナイロビ将来戦略、農村女性の経済的地位向上に関するジュネーヴ宣言及び国際人口・開発会議において採択された行動計画を履行することを慫慂する。  (l)1995年9月北京で開催される第4回世界女性会議の準備と、その会議の結果のフォローアップに特別に留意する。  (m)開発途上国が平等と公平及び女性のエンパワメントを達成しようとする努力を要請に応じて支援するため国際協力を促進する。  (n)女性の仕事及び無報酬の家庭部門における貢献を含む国内経済へのあらゆる女性の貢献の全範囲を認識し、目に見えるようにする適当な手段を考案する。 ・コミットメント6  我々は、社会的条件にかかわる不平等を是正する特別な努力を行いつつ、人種、出身国、性、年齢あるいは障害による差別なく、質の高い教育への普遍的で公平なアクセス、到達可能な最高の水準の身体的、精神的健康及びすべての人々のプライマリ・ヘルス・ケアへのアクセスという目標を促進し、達成すること、我々の共通及び個別の文化を尊重し、促進すること、開発における文化の役割を強化するよう努力すること、人間中心の持続可能な開発の不可欠な基礎を維持すること、及び人的資源の完全な開発と社会開発に貢献することを誓約する。これらの活動の目的は、貧困を撲滅し、生産的な完全雇用を促進し、社会的統合を強化することである。 この目的のために、国内レベルで、我々は、  (a)あらゆる地域において幼児教育、初等教育及び識字教育を含み、特に、可能であれば教育システムに自国語を導入するために、また学校外教育のさまざまな手段による支援により、できる限り高い水準の学習を達成するよう努めて、非識字の解消と基礎教育の普遍化のための期限を付した国内戦略を策定し、強化する。  (b)すべての年齢の人々に、健康で尊厳をもって完全に自らの能力を伸ばし、開発の社会的、経済的及び政治的プロセスに完全に参加するために必要な有用な知識、推論能力、技能及び倫理的、社会的価値観の提供を確保するために教育の質の向上を追求することにより生涯学習を強調する。この点において、女性及び女児は優先的グループと見なされなければならない。  (c)児童の権利に関する条約に従い、児童、特に女子が教育、十分な栄養及びヘルス・ケアにアクセスできるようにし、親及びその他児童に対して法的に責任を有する者の権利、義務及び責任を認めることにより、児童、特に少女が自らの権利を享受し、その権利の行使を促進することを確保する。  (d)すべての児童及び青少年が学校に通い、修了するようにし、初等、中等、職業及び高等教育におけるジェンダー間の格差を縮小するために適当かつ積極的な手段を講じる。  (e)健康、乳幼児死亡率の一層の低下、多産の必要性の低減に関して、社会的平等、高い生産性及び社会的還元を達成するためには、女性教育に投資することが必須の要素であることを認識して、女児及び女性の教育への完全で平等なアクセスを確保する。  (f)障害のある児童、若年者及び成人に対するあらゆるレベルの平等な教育機会を個々の差異及び状況を十分に考慮しつつ確保する。  (g)先住民の特別なニーズ、期待及び文化に対応するような教育の権利を認識し、支援する。そして彼らの保健への完全なアクセスを確保する。  (h)ジェンダーの観点を考慮に入れた特別な教育政策を開発する。世界中で利用可能な一般的及び特殊な情報を知識に、知識を創造性、生産能力の増大及び社会への積極的な参加に転換することを加速するために社会のあらゆるレベルにおける適当なメカニズムを企画する。  (i)教育及び職業訓練が職業創出及び失業及び我々の社会における社会的疎外と闘う重要な要素であることを認識しつつ、労働市場及び教育政策の間の連結を強化する。社会開発のすべての計画におけるより高い教育及び科学的調査の役割を強調する。  (j)発展の権利を含むあらゆる人権及び基本的自由の尊重を促進し、強化する幅広い基礎に基づく教育プログラムを開発する。寛容、責任の価値、及び多様性や他者の権利の尊重に対する評価を高める。国連人権教育の十年(1995年ー2004年)を認識して、平和的な紛争解決の訓練を提供する。  (k)学習習得及び成果に焦点を当て、基礎教育の手段と範囲を拡大し、教育環境を促進し、万人のための教育という目標を達成するために政府、NGO、民間セクター、地域社会、宗教グループ及び家族の間のパートナーシップを強化する。  (l)児童の権利に関する条約に従い、親及び児童に対してその他の法的に責任を有する者の権利、義務及び責任を認識しつつ、社会開発の前提条件の一つとして、児童、若年者及び成人、特に女児及び女性に対する学校及びコミュニティー双方に基礎を置く健康問題全般に関する健康教育プログラムを設置、あるいは強化する。  (m)健康を保護し、栄養教育及び予防的健康プログラムを促進するために、衛生及び飲料水等の基礎的ヘルス・サービスへの普遍的で差別のないアクセスを確保するための国別行動計画あるいはプログラムを開発あるいは改定することにより、プライマリ・ヘルス・ケアに関するアルマータ宣言に則り、平等及び社会的公正に基づいた国内の「すべての人々に健康を」戦略の目標を達成する努力を促進する。  (n)障害者が、彼らの福祉、自立及び社会への完全参加を最大にすることができるようにリハビリテーション及びその他の自立のための生活サービス及び支援技術へのアクセスを有することを確保するよう努力する。  (o)あらゆるセクターにおける政策の健康に関する側面を認識しつつ、経済、社会開発においてすべての人々の健康の保護及び促進を提供するための統合されたセクター間のアプローチを確保する。  (p)世界子供サミット、国連環境・開発会議の母子の健康に関する目標、特に乳幼児死亡率及び妊産婦死亡率を削減する目標を達成するよう求める。  (q)必要な教育及び予防サービスを提供し、適当なケア及び支援サービスがHIV/AIDSに感染している人々に利用可能でありアクセスできることを確保するために働き、HIV/AIDSに感染している人々に対するあらゆる形態の差別及び隔離を撤廃するすべての必要な手段をとることにより、HIV/AIDSの増大する流行にさらに効果的に取り組むための国内的努力を強化する。  (r)すべての教育及び健康政策及びプログラムにおいて、持続可能な消費と生産のパターンについての認識を含む環境に対する認識を促進する。  国際レベルで、我々は、  (s)国際機関、特に国際金融機関が、適切にそれらの政策プログラム及び運営に組み入れて、これらの目標を支援することを確保するよう努力する。これは、新たな二国間及び地域内の協力により補完されるべきである。  (t)文化的多様性の尊重を確保するために開発の文化的次元の重要性を認識するとともに、我々に共通の人類の文化遺産の重要性を認識する。創造性は認識されるとともに促進されるべきである。  (u)専門機関、特にUNESCO及びWHO及び教育、文化及び健康の促進に携わるその他の国際機関に対し、貧困の撲滅、完全かつ生産的雇用を促進し、社会的統合を強化するという最優先の目標にさらに一層力点を置くよう要請する。  (v)文化を促進する様々な形態の教育を利用する政府間機関を強化する。教育及び通信メディアを通じて情報を頒布する。技術の使用の普及を支持する。そして、技術・職業訓練及び科学的調査を促進する。  (w)マラリア、結核、コレラ、チフス熱及びHIV/AIDS等大きな人命の犠牲を払った主要な病気に対するより強く、より調整された世界的な行動への支援を提供する。これに関し、HIV/AIDSに関する国連共同プログラムに対する支援を継続する。  (x)特に内生的能力開発に帰結するような効果的な教育・訓練及び健康プログラム及び政策(薬物の濫用に対する認識、予防及びリハビリテーション・プログラムを含む)の企画及び提供において、例えば技術の移転を促進することにより知識、経験及び技能を共有するとともに創造性を高める。  (y)人間の尊厳に対する尊重に基づき、特に搾取、不正取引及び児童買春、女性の性器切除及び児童結婚等の有害な習慣からすべての女性及び児童を保護することに焦点を当てた教育及び健康プログラムに対して国際的な支援を強化するとともに調整する。 ・コミットメント7  我々は、アフリカ及び後発開発途上国における経済的、社会的及び人的資源の開発を加速することを誓約する。 このために、我々は、  (a)社会開発の目標を含む構造調整計画及び貿易と投資のより好ましい環境を創造する効率的な開発戦略を国内レベルで実施する。人的資源の開発にプライオリティーを与え、民主的機関の開発をさらに促進する。  (b)アフリカ及び後発開発途上国による経済改革、食糧安全保障強化プログラム及び商品多角化努力の実施を、南南協力、技術・経済援助及び貿易とパートナーシップ等の国際協力を通じて支援する。  (c)1994年12月にパリ・クラブにおいて合意された債務の免除またはその他の債務救済措置を含む債務削減を包含する債務救済措置を直ちに実施することにより、債務問題に効果的、開発指向で持続可能な解決を見出す。国際金融機関に対し、多国間の債務の割合の高い低所得国を支援する革新的なアプローチを、当該国の債務負担を軽減するために検討するよう要請する。本サミットの優先事項と合致した社会開発プログラム及びプロジェクトに対して適用される債務スワップの手法を開発する。これらの行動は、国連の1990年代におけるアフリカの開発のための新アジェンダの中間レビュー及び1990年代の後発開発途上国のための行動計画を考慮するものとし、また可能な限り早期に実施するものとする。  (d)国際社会が決定したアフリカの開発のための戦略と手段の実行を確保する。また、アフリカ及び後発開発途上国が決定した改革努力、開発戦略及びプログラムを支援する。  (e)国際的な合意に合致し、各国の経済状況と援助能力に見合うよう、ODAを総額と社会分野への配分の両面で拡大し、その影響を改善する。  (f)国連砂漠化防止条約の批准を検討し、アフリカ諸国が砂漠化を防止し、干ばつの影響を緩和するための緊急行動を実施することを支援する。  (g)伝染病、特にHIV/AIDS、マラリア及び結核が、経済社会開発に、制約あるいは後退を生じさせないことを確保するために必要なあらゆる手段を講じる。 ・コミットメント8  我々は、構造調整計画が合意される際、特に貧困の撲滅、完全で生産的な雇用の促進、社会的統合の強化などの社会開発目標を含むことを確保することを誓約する。 このために、我々は、国内レベルで、  (a)基礎的社会プログラム及び支出、特に社会の貧しく弱い立場にある層に影響を及ぼすそれらのものを促進する。そして、それらを社会支出の質及び効率性を高めつつ、予算削減から保護する。  (b)ネガティヴな効果を削減し、ポジティヴな効果を増やすような政策を開発するために、適当な場合には、ジェンダー別の社会的影響評価の方法及びその他の方法を含めて、社会開発に対する構造調整計画の影響をレヴューする。このレヴューにあたって関係国は、国際金融機関の協力を要請することができよう。  (c)市場経済移行期にある国々において、改革の社会的影響及び人的資源の開発のニーズに取り組みつつ、変革過程への統合的アプローチを促進する。  (d)所得及び資源へのより公平で高められたアクセスを促進する政策を企画することによって、市場のグローバリゼーション及び急速な技術変化を含めて、あらゆる調整政策及びプログラムの社会開発の要素を強化する。  (e)女性がこのようなプロセスの過渡期のコストのあまりに大きな負担を負わないことを確保する。  国際レベルで、我々は、  (f)国際開発金融機関及びその他のドナーが、調整貸付を目標の定められた社会開発投資貸付の促進によって補完することを確保するよう努める。  (g)構造調整計画が、各国の経済的、社会的状況、関心及びニーズに反応するよう努力する。  (h)構造調整計画の企画、社会的管理及び評価並びに社会開発目標の実行において、それらの目標を政策、プログラム及び運営に統合することによって、地域、国際機関及び国連システム特にブレトン・ウッズ機関の支援及び協力を得る。 ・コミットメント9  我々は、国内行動並びに地域及び国際協力を通じて、サミットの目標を達成するために、社会開発に割り当てられる資源を著しく増大させるとともに/あるいはより効果的に使用するよう誓約する。 このために、国内レベルで、我々は、  (a)国内貯蓄を促進するとともに動員し、生産的投資に対する外国資源を誘引する経済政策を開発する。また、社会プログラムのための、公的・私的部門における革新的な財源を追求するとともに、その効果的利用を確保する。  (b)社会開発を支援する持続的な経済成長及び持続可能な開発を確保するためにマクロ経済及びミクロ経済政策を実施する。  (c)社会の不利な立場にあるセクターを特に強調して、インフォーマル・セクターを含む小企業及び零細企業へのアクセスの増大を促進する。  (d)経済、社会資源を効率的かつ効果的に使用するために、信用できる統計及び統計指標が、社会政策及びプログラムを企画し、評価するために使用されることを確保する。  (e)税制が、各国のプライオリティー及び政策に従い、持続可能な開発の関心を認識して、公平で、累進的で経済的に効率的であることと、効率的な徴税を確保する。  (f)予算プロセスで公的資源の使用に透明性と責任を確保する。基礎的社会サービスを提供し、改善することにプライオリティーを与える。  (g)特に、世界の軍事支出及び武器取引を含む過度な軍事支出及び武器生産と購入への投資の適当な削減を通じて、各国の安全保障の要求を考慮に入れつつ、社会、経済開発のための追加的な資金の可能な配分ができるよう、新規の公的及び民間の財政資源を創出する新しい方法を探求することを約束する。  (h)社会開発の目標、特に貧困の撲滅、完全かつ生産的雇用の創出及び社会的統合の促進の達成のため共同組合の能力及び貢献を十分に利用及び開発する。  国際レベルで、我々は、  (i)十分かつ予測可能で、そのような資金の利用可能性が最大になるような方法で動員され、特に譲許的及び無償条件を含む国際的、二国間あるいは民間資源のすべての利用可能な資金源及びメカニズムを活用するような新規で追加的な財政資源を動員するよう追求する。  (j)十分で予測可能な新規で追加的な資金を供給する目標を実現するために開発途上国への国際金融、技術及び人的技能のフローを容易にする。  (k)市場経済移行期にある国々への国際金融、技術及び人的技能のフローを容易にする。  (l)政府開発援助(ODA)の対国内総生産(GNP)比0.7%の合意目標をなるべく早く達成するために努力し、社会開発プログラムに振り向けられる割合を増やし、本宣言及び行動計画の目的と目標達成に要する行動の範囲と規模に見合ったものとする。  (m)難民及び避難民に関連する問題に直面する国々のニーズに対応するため国際的な資金のフローを増大する。  (n)類似の困難を克服した開発途上国の経験の優位を活用することができる南南協力を支援する。  (o)最貧重債務低所得国の債務を早期に軽減するために、現行の債務救済にかかわる合意を緊急に実施することを確保するとともに、既存の債務救済に加え、とりわけ1994年12月にパリ・クラブにおいて合意された、債務の免除またはその他の債務救済措置を含む債務の削減を包含する、債務救済措置の適用を含む、より有利な条件による適用を通じて、債務救済に関してさらなるイニシアティヴを取り決める。適当な場合には、当該国は債務の繰り延べプロセスからの卒業及び経済成長と発展の再開を可能とするに足る、二国間の公的債務の削減を認められるべきである。国際金融機関に対し、マルチの債務の割合の高い低所得国を支援する革新的なアプローチを、当該国の債務負担を軽減するために検討することを要請する。本サミットの優先事項に合致した社会開発のプログラム及びプロジェクトに適用される債務スワップの手法を開発する。  (p)所得、雇用及び貿易の広範な基礎に基づく成長が相互に強化し合うものである事実を認識し、アフリカ諸国及び後発開発途上国が、十分に恩恵を受けることができるために最終議定書の履行のインパクトを評価するにあたり支援を必要とすることを考慮に入れつつ、WTOを設立するマラケシュ合意の補足条項を含むウルグァイ・ラウンド多国間貿易交渉最終議定書を予定通りに完全に履行する。  (q)基礎生活分野に対応するために開発途上国においてなされた進歩に対する自由貿易の影響をモニターする。国際市場へのアクセスを拡大する新たなイニシアティヴに特別な注意を払う。  (r)国際協力及び経済、技術協力に関して市場経済移行期の国々のニーズに注意を払う。特に多国間貿易ルールに従い輸出への市場アクセスを改善するため、市場経済移行期にある国々の世界経済への完全な統合の必要性を、開発途上国のニーズを考慮に入れつつ強調する。  (s)国連総会決議47/199に述べられているように、予測可能で、継続的かつ保障された基礎において、開発途上国の増大するニーズに見合った形で、事業活動のための資源の実質的な増大により国連の開発努力を支援する。そして、国連及び専門機関の能力を社会開発サミットの結果の履行における責任を遂行することができるように強化する。 ・コミットメント10  我々は、国連及びその他の国際機関を通じて、パートナーシップの精神にもとづき国際的、地域的及び亜地域の社会開発のための協力の枠組みを改善し、強化することを誓約する。 このために、国内レベルで、我々は、  (a)要請に基づき、国連システムの機関、計画及び地域委員会の支援を得て、また市民社会のあらゆるセクターの幅広い参加をもって、社会開発サミットの結果を履行し、監視するための適当な手段及びメカニズムを採用する。  地域レベルで、我々は、  (b)必要で、適当な場合には、特定の地域あるいは亜地域においてそのようなメカニズム及び手段を追求する。地域委員会は、地域の政府間機関及び銀行と協力して、2年毎、サミットの結果を履行するためになされた進歩を評価し、それぞれの経験に関する見解を交換し、適当な手段を採用するために高い政治レベルの会合を招集することができよう。地域委員会は、適当なメカニズムを通じて、会合の結果について経済社会理事会に報告しなければならない。  国際レベルで、我々は、  (c)国連システムの機関及び組織、国際開発機関及び国際開発金融機関の代表者に対して、サミットにおいて合意された目標及びコミットメントの達成の継続的かつ持続的な進展のため適当かつ調整された手段を講じるためにこれらの機関が支援及び協力を行うよう指示する。国連及びブレトン・ウッズ機関は、社会開発のためのより効果的かつ効率的な支援の調整のため、フィールド・レベルを含め定期的かつ実質的な対話を行わなければならない。  (d)国家間の貿易関係に障害となる、国際法及び国連憲章に従わないいかなる一方的な措置も差し控える。  (e)経済社会理事会及びその下部機関、経済社会開発と関係する国連システム内のその他の機関の構造、資源及びプロセスを強化する。  (f)経済社会理事会に対し、政府、地域委員会、関連の機能委員会及び国連専門機関の報告書を基礎に、社会開発サミットの結果を履行するために国際社会によってなされた進歩についてレヴュー及び評価を行い、総会による適切な検討及び行動が可能となるよう適宜(総会に)報告を行うよう要請する。  (g)総会に対し、サミットの結果の履行の全般的なレヴュー及び評価を行い、さらなる行動とイニシアティヴを検討するために2000年に特別会期を開催するよう要請する。 ●第2部 ●行動計画 ●前文 1. 本件行動計画は、社会開発サミットで採択された社会開発に関するコペンハーゲン宣言に列挙された原則を実施し、コミットメントを履行するための政策、行動及び手段を概説している。我々の成功は、我々が達成する結果に基づくであろう。 2. ここに挙げる行動は、持続的な経済成長と持続可能な開発の枠組みの中で、社会開発、貧困撲滅、生産的雇用の拡大・失業の減少そして社会的統合の強化に好ましい国内的、国際的環境を醸成するために勧告されるものである。ここに勧告されるすべての行動は、すべての関係者の参加を含む企画段階における必要条件あるいは人間の置かれる状況のさまざまな局面に対する影響において、相互に関連している。貧困を撲滅し、不均衡を減少させ、社会からの疎外を防ぐための政策は、雇用機会の創出を必要とするが、それは、差別を撤廃し、参加及びグループと国家間の調和ある社会関係の促進のための手段なくして不完全であり非効率である。長期にわたる成功のためには、環境、経済及び社会の各政策間の前向きな相互の関係の強化も重要である。人々の幸福はまた、すべての人権及び基本的自由の享受、良質な教育、ヘルス・ケア及びその他の基礎的な公共サービスへのアクセス及びコミュニティー内の調和ある関係の発展が必要である。社会的統合、つまり人々が、個々の尊厳、共通の善、多元主義・多様性、非暴力、連帯を十分に尊重し、共に生活する能力、そして彼らが社会的、文化的、経済的及び政治的生活に参加する能力は、社会開発とすべての政策のあらゆる側面を包含する。それは、弱者の保護とともに異なることへの権利及び創造し革新する権利、健全な経済的環境及び自由と責任を基礎とする文化を必要とする。それはまた、国家と市民社会双方の完全な関与を必要とする。 3. 本件行動計画に言及されている多くの事項は、社会開発のさまざまな側面に密接に関連した問題に関する先立つ世界会議においてより詳細に取り扱われている。行動計画は、これらの他の会議のコミットメント、原則及び勧告を背景としつつ、それらを考慮して作成され、多くの国々がそれぞれの特別な状況のコンテキストで社会目的を促進する上での経験に基づいている。この行動計画の特別な重要性は、その総合的アプローチと貧困の撲滅、雇用の創出及び社会的統合のための多くの異なる行動を社会開発に関する一貫した国内及び国際戦略において結びつけようとする試みにある。行動計画に記載されている勧告の実施は、各国の主権であり、国内法と開発プライオリティーに調和しつつ、人々のさまざまな宗教的、倫理的価値観及び文化的背景を十分に尊重し、すべての人権と基本的自由を遵守して行わなければならない。各国はまた、その発展能力に応じて行動をとるであろう。関連の国際会議の成果もまた、本件行動計画の履行の際、然るべく考慮されなければならない。 ●第1章社会開発を可能ならしめる環境 ◎行動の基礎と目標◎ 4. 社会開発は、それが行われる文化的、生態的、経済的、政治的及び精神的環境と切り離すことができない。社会開発は、セクター別のイニシアティヴだけでは追求することができない。社会開発はまた、国内及び国際的な平和、自由、安定及び安全の発展と明確に関連している。社会開発を促進することは、価値観、目標及びプライオリティーをすべての者の幸福に方向づけること、及び貢献し得る機関及び政策を強化・促進することを必要とする。人間としての尊厳、あらゆる人権及び基本的自由、平等、公平及び社会的公正はあらゆる社会の基本的価値を構成する。これらの価値観を追求し、促進し、保護することは、なかでも、すべての機関及びすべての権限の行使の基本的合法性を与えるとともに、人類が持続可能な開発の関心の中心にあるような環境を促進する。人類は、自然と調和して、健康で、生産的な生活への権利を有する。 5. 世界の経済及び社会の相互依存関係は、ますます増大している。貿易、資本の移動、移住、科学技術の革新、通信及び文化交流は地球的な規模のコミュニティーを構築している。その地球的な規模のコミュニティーは、環境の悪化、深刻な食糧危機、伝染病、あらゆる形態の人種差別、外国人排斥、さまざまな形態の不寛容、暴力・犯罪及び豊かな文化的多様性を失う危機により脅かされている。政府は、変化する状況及び持続可能な開発と社会的進歩を達成しようとする願望への対応は、適当な多国間の計画及び国際協力の強化を通じて表現されたさらなる連帯が必要であることをますます認識している。そのような協力は、アフリカ諸国及び後発開発途上国のように援助を必要とする国々がグローバリゼーションのプロセスの恩恵を受けることができることを確保するために特に重要である。 6. 個人がそれぞれのイニシアティヴと創造性を表現し、コミュニティーの富を高める経済活動は、社会的進歩の基本的な基礎である。しかし、社会的進歩は、市場の力の自由な相互作用のみによってでは実現できないであろう。政府の政策は、市場の失敗を修正し、市場メカニズムを補完し、社会の安定を維持し、グローバルな規模の持続可能な成長を促進する国内及び国際的経済環境を創造するために必要である。そのような成長は、公平と社会的公正を促進し、寛容、責任及び参加を促進しなければならない。 7. 社会開発の究極の目標は、すべての人々の生活の質を改善し、向上させることである。それは、民主的機関、すべての人権及び基本的自由の尊重、一層の平等な経済的機会、法の支配、文化的多様性及び少数者に属する人々の権利の尊重の促進及び市民社会の活発な参加を必要とする。能力開発と参加は、民主主義、調和及び社会開発のために非常に重要である。社会のすべてのメンバーは、彼らの生活するコミュニティーの問題に積極的に参加する機会及び権利と義務を行使することができなければならない。ジェンダー間の平等と公平及び女性のすべての経済的、社会的及び政治的活動への完全参加は非常に重要である。女性の意思決定、教育、ヘルス・ケア・サービス及び生産的雇用へのアクセスを制限する障害が撤廃されなければならず、家庭生活における男性の十分な責任を含む男女間の公平なパートナーシップは確立されなければならない。ジェンダーに関する一般的な社会的規範を、より人間的な世界秩序の創造のため男女がともに働く新世代へ向けて変革しなければならない。 8. このような背景に対し、我々は次の特徴を有する持続可能な開発への人間中心のアプローチに基づいた(開発を)可能ならしめる環境を促進するであろう。  ●我々の社会の機能や幸福を定める決定の策定及び実行における市民社会の幅広い基礎に基づく参加及び関与。  ●持続的な経済成長及び持続可能な開発の広範な基礎に基づくパターン及び人口問題を経済・開発戦略に統合すること。それにより、持続可能な開発及び貧困の撲滅のペースを速め、市民の目標の達成及び市民の生活の質の向上に貢献するであろう。  ●社会グループ及び国々の間の成長の恩恵の公平で差別のない配分及び貧しい人々の生産的資源へのアクセスの増大。  ●効率と社会開発につながる市場の力の相互作用。  ●社会的な分裂を引き起こすような不均衡を是正することを求め、多元主義と多様性を尊重する公の政策。  ●民主主義、開発、そしてすべての人権及び基本的自由の間の相互の関係強化を促進する支援的で安定した政治的、法的枠組み。  ●多元主義と宗教、文化を含む多様性を尊重しつつ疎外を回避する政治的、社会的プロセス。  ●社会開発に関するコペンハーゲン宣言の原則、目標、コミットメント及び国際人口・開発会議のそれらに従い、家族及びコミュニティー市民社会の役割の強化。  ●知識、技術、教育、ヘルス・ケア・サービス及び情報へのアクセスの拡大。  ●すべてのレベルにおける連帯、パートナーシップ及び協力の強化。  ●人々が(自らの力で)一生を通じて健康と生産性を享受することを可能にするような公の政策。  ●人間を中心に置く持続可能な開発のコンテキストにおける自然環境の保護及び保存。 ◎行動◎ ・A.好ましい国内及び国際的環境 9. 社会開発の基礎として、相互に強化する広範な基礎に基づく持続的経済成長及び地球的な規模の持続可能な開発の促進、そして生産性、差別のない多角的規則に基づいた国際貿易システム、雇用及び所得の成長のため次の行動が必要である。  (a)開かれた、公平、協力的かつ相互に利益を及ぼすような国際的経済環境の促進。  (b)広範な基礎に基づく持続的経済成長及び持続可能で公平な開発を助長するとともに職を創出し、貧困の撲滅、社会的経済的不平等と疎外を軽減するような健全で安定したマクロ経済政策及び分野別政策の実施。  (c)企業、生産的投資及び開かれた、公平、安全、無差別、予測可能、透明そして多角的規則に基づいた国際貿易システムのコンテキストにおいて開かれかつダイナミックな市場へのアクセスの促進、並びにすべての人々、特に貧しい人々と後発開発途上国による技術へのアクセスの促進。  (d)ウルグァイ・ラウンド多角的貿易交渉の最終議定書を完全に計画通りに実施すること。  (e)国際法及び国連憲章に則らない、国家間の貿易関係に障害となり、社会的、経済的開発の完全な実現を妨げ、影響を受ける住民の福祉を阻むようないかなる一方的な措置も差し控えること。  (f)農業部門の持続可能な成長及び市場機会の改善を通じた食糧増産、及び貧困を緩和し、栄養失調を撲滅し、生活水準を向上させる手段としての開発途上国の低所得民の食糧へのアクセスの拡大。  (g)特に、金融市場のより高度の安定、金融危機のリスクの軽減、為替レートの安定の改善、長期の低実質金利の安定に向けての努力及び金融フローの不確実性の軽減を通ずる、安定した持続的経済成長及び持続可能な開発につながる国際金融システムを促進するための国内、亜地域、地域及び国際レベルのマクロ経済政策の調整の促進。  (h)社会開発を特に強調し、経済政策への適当な考慮及び調整を確保するために必要な場合には特に能力開発を通じ、利用可能な国内的及び国際的機構、プロセス及び資源の設立、強化あるいは再建。  (i)開発途上国、特にアフリカ及び後発開発途上国が、社会活動を展開する能力の促進あるいは強化。  (j)アジェンダ21及び国連環境・開発会議の成果のフォローアップの枠組みで採択されたさまざまなコンセンサス合意、条約及び行動計画に従い、広範な基礎に基づく持続的経済成長及び持続可能な開発が、環境及び将来の世代の利益を保護する必要性の尊重を確保すること。  (k)小島嶼開発途上国の特別なニーズと脆弱性が、それらの国々が「小島嶼開発途上国の持続的開発のための行動計画」を履行することにより、公平な持続的経済成長と持続可能な開発を達成することができるように適切に対応されることを確保すること。 10. グローバルな経済成長の恩恵が、国家間で公平に分配されることを確保するために、次の行動が不可欠である。  (a)公平で持続可能なアプローチに基づき、適当な場合には、優先事項として最貧重債務国の債務ストック全体に対処するとともに、貿易障壁を削減し、開かれた、公平、安全、無差別、予測可能、透明かつ多国間の規則に基づいた国際貿易システムのコンテキストですべての国々の市場と生産的投資、技術、ノウ・ハウへのアクセスの拡大を促進することにより、多くの開発途上国のさまざまなタイプの債務と関連した非常に負担の大きい債務と債務返済負担を軽減する努力を継続すること。  (b)持続可能な開発を促進し、世界経済への完全で効率的な参加への障害を克服するために、開発途上国への技術・経済支援を強化するとともに改善すること。  (c)特に先進国において持続不可能な消費と生産のパターンが、貧困と不均衡を助長し、重大な懸念の対象となっており、地球環境の継続した悪化の主要な原因になっていることを考慮して、消費と生産の持続不可能なパターンを変化させること。  (d)多角的貿易交渉ウルグァイ・ラウンドの最終議定書の完全実施のコンテキストにおいて、国際貿易の拡大の機会を開発途上国が活用することができるようにする政策を策定すること。世界経済の自由化から完全に恩恵を受ける立場にない国々、特にアフリカの国々を支援すること。  (e)開発途上国、特に商品輸出に大きく依存している国々が経済を多角化するための努力を支援すること。 11. アフリカ及び後発開発途上国のニーズに優先度を与えつつ、開発途上国を支援する枠組みの中で、適当な場合には、国内、国際レベルにおいて次の行動が必要である。  (a)人的資源の開発に優先度を与え、民主的機関のさらなる発展を促進し、社会開発、貿易及び投資のためにさらに好ましい環境をつくる効率的な政策及び開発戦略を実行すること。  (b)アフリカ諸国及び後発開発途上国が、外国及び国内の直接投資を誘引し、貯蓄を慫慂し、逃避資金の返還を誘導し、成長、開発プロセスにおいてNGOを含む民間部門の完全参加を促進する(開発を)可能ならしめる環境を作る努力を支援すること。  (c)適当な機関、二国間、多国間の金融、南南協力を含む技術協力そして貿易とパートナーシップを通じて、商品市場の機能の改善のための経済改革及び商品多角化の努力を支援すること。  (d)アフリカ及び後発開発途上国の商品多角化努力を、就中商品多角化プロジェクト及びプログラムの準備段階に技術及び金融援助を行うことによって引き続き支援すること。  (e)1994年12月にパリ・クラブにおいて合意された債務の免除またはその他の債務救済措置を含む債務削減を包含する債務救済措置を直ちに実施することにより対外債務問題に効果的、開発指向で継続可能な解決を見出すこと。国際金融機関に対し、マルチ債務の割合の高い低所得国をそれらの債務負担を軽減することを目指して革新的なアプローチを検討するよう招請すること。本サミットの優先に合致した社会開発プログラム及びプロジェクトに対して適用される債務スワップの手法を開発する。これらの行動は、国連の1990年代のアフリカ開発のための新アジェンダの中間レヴュー及び1990年代の後発開発途上国のための行動計画を考慮するものとし、可能な限り早期に実施するものとする。  (f)これらの国々により採用された戦略の展開を支援し、それらの国々の開発のための措置の実行を確保するために協同して作業すること。  (g)多角的貿易システムへの参加の促進及びウルグァイ・ラウンドの実施の悪影響の緩和のため、またアフリカ諸国がウルグァイ・ラウンドの結果の恩恵を完全に享受することができるために支援する必要性を強調しつつ、ウルグァイ・ラウンド多角的貿易交渉最終合意、特に後発開発途上国に有利な手段に関する決定並びに後発開発途上国及び純食糧輸入開発途上国に改革プログラムが与え得る悪影響についての手段に関する決定と一致した適切な行動をとること。  (h)国の経済状況及び援助する能力に応じ、また国際合意のコミットメントに合わせるべく政府開発援助を総額及び社会プログラムについて増大し、そのインパクトを改善すること。また、GNP0.7%を政府開発援助に、0.15%を後発開発途上国に割り当てるとの合意された目標をできる限り早く達成すること。 12. 経済成長と市場の力の相互作用がより社会開発に結びつくようにするため、次の行動が必要である。  (a)すべての人々、特に貧しい人々及び不利な立場にある人々に対し、市場機会を開放し、広範な基礎に基づく持続的経済成長と持続可能な開発を促進しつつ、個人とコミュニティーが経済的イニシアティヴをとり、刷新し、社会開発に貢献する活動に投資することを慫慂する手段を実行すること。  (b)持続的経済成長及び持続可能な開発、安定、長期投資、公正な競争及び倫理的な行動を促進する市場の機能を必要な限度において改善し、拡張するとともに、規制すること。特に、市場メカニズムを補完し、市場の力によりもたらされたいかなる悪影響をも緩和することによって成長の恩恵の公平な配分を促進し、重要な社会サービスを保護する政策を採用し、実施すること。ウルグァイ・ラウンド多角的貿易交渉最終合意の規定に従って、保護主義的措置を撤廃する一方で、社会開発を強化し、社会・経済開発を統合するため補完的政策を実施すること。  (c)参入障壁を低減し、特に、情報へのよりよりアクセスを通じた市場の透明性の促進、及び消費者に選択可能な幅を広げる開かれた市場政策を策定すること。  (d)すべての国々、就中開発途上国の特に零細企業及び中小企業に対し、技術及び技術援助並びにそれに適合するノウ・ハウへのより大きなアクセスを促進すること。  (e)多国籍企業及び国内企業に対し、国内法及び法制に適合しつつ、環境保護の枠組み及び国際合意に従い、それらの活動の社会的、文化的インパクトに対する適当な考慮を払いながら活動するよう慫慂すること。  (f)貧しい人々に恩恵を与え、雇用を創出するような基礎インフラの建設及び改造に対する実質的で、方向性のよく定められた公的及び民間投資を確保するための長期戦略を採用し、実施すること。  (g)人的資源開発、特に貧しい人々、あるいは社会からの疎外に苦しむ人々の健康、教育、エンパワメント及び参加のための能力開発に対する実質的な公的及び民間投資を確保すること。  (h)特に農村地域における中小零細企業及び自給自足経済を、より大きな経済との安全な相互作用を確保するために保護するとともに、特別な注意を払うこと。  (i)先住民の状況及び開発を改善し、より大きな経済との安全な相互作用を確保するため、先住民の経済活動を支援すること。  (j)機関、プログラム及びシステムが、社会的進歩を促進するために実用的な情報を配布することを支援すること。 13 .財政システム及びその他の公の政策が、貧困の撲滅に向けられるとともに社会を分裂させるような不均衡を生じないことを確保するために次が求められる。  (a)あらゆる形態の腐敗及び個人、家族及びグループに対する搾取を防ぐ規則及び規制を制定し、道徳的、倫理的環境を創造すること。  (b)商業活動における公正な競争と倫理的責任を促進すること、及び政府、民間並びに市民社会の間の協力及び相互作用を高めること。  (c)財政、金融政策が、各国のプライオリティーと政策に従い、貯蓄及び生産的活動に対する長期的投資を促進することを確保すること。  (d)各国のプライオリティーと政策に従い、特に国内レベルにおける適切な課税を利用することにより、富の蓄積より生ずる不公平に対処する手段、及び金融市場の非効率を削減するとともに安定性を改善する手段を検討すること。  (e)補助金システムが、貧しい人々、特に弱い立場にある人々に恩恵を与え、不均衡を削減することを確保するために、特に工業と農業、都市部と農村部、民間と公共の消費の間の補助金の分配を再検討すること。  (f)税金の徴収の効率性及び公平性を改善するとともに、二重課税及び国境を越えた租税回避に効果的に対処するための国際協定を、関係国のプライオリティーと政策に従い推進すること。  (g)開発途上国を、その要請に応じ、課税額の査定、税金の徴収及び脱税者の訴追のための行政能力を強化することによって効率的及び公平な税制を確立するため、そしてより累進的な税制を支えることを支援すること。  (h)市場経済移行期にある国々が、これらの国々において進行中の社会・経済改革に貢献するため確固たる法的基礎に基づいた公平で効率的な税制を確立することを支援すること。 ・B.好ましい国内及び国際的な政治的、法的環境 14. 政治的枠組みが社会開発の目標を支援することを確保するために、次の行動が不可欠である。  (a)社会政策の計画及び実行に責任を有する政府組織及び機関が、政策策定において社会開発に高いプライオリティーを与えるために必要な地位、資源及び情報を有することを確保すること。  (b)法の支配、民主主義及びすべての公的及び民間の機関において透明性及び責任を創造し、あらゆる形態の腐敗を防止するとともにそれと闘い、教育及び責任、連帯及び市民社会の強化の促進による態度及び価値観の発展を通じて維持される規則とプロセスが存在することを確保すること。  (c)そのための教育プログラム及びマスメディア・キャンペーンの展開及び慫慂を行いつつ、あらゆる形態の差別を撤廃すること。  (d)公共機関及びサービスを政府の全般的な責任、プライオリティー及び目的と両立する範囲内で、地方のニーズに適切に対応することができ、地方の参加を容易にするレベルまで分権化することを慫慂すること。  (e)国内法及び規則を適当に考慮しつつ、社会のパートナーが、表現、結社の自由と団体交渉の権利が保障され、相互の利益を促進する状況を創設すること。  (f)職業団体及び自立労働者の団体についても同様の状況を創設すること。  (g)社会のすべてのメンバーが参加し、政治的多元主義及び文化的多様性を尊重する政治的、社会的プロセスを促進すること。  (h)すべての人々、特に不利あるいは弱い立場にある人々が自らの経済的、社会的発展を遂げ、彼らの利益を代表する団体を組織、維持し、彼らが直接影響を受ける政府の政策及びプログラムの計画及び実行に参加する能力及び機会を増強すること。  (i)女性が、すべてのレベルにおいて意思決定及び実行プロセス、政策が策定され実施される経済的、政治的メカニズムに完全に関与し参加することを確保すること。  (j)男女のあらゆる生産手段と資産に対する所有権に関するすべての法的障害を除去すること。  (k)適当な場合には、国際社会と協力して、国連憲章、世界人権宣言その他の国際文書、関連の国連決議に従い、難民の移動の根本的原因に対処し、難民が安全かつ尊厳をもって自主的に帰還することを認める適切な政治的、法的環境を創出するための手段をとること。適当な場合には、国際協力を得て、国内レベルにおいても、国連憲章に従い、国内避難民が出身地に自主的に帰還できる条件をつくるための手段がとられなければならない。 15. 社会開発のためには、基本的人権の不可欠な部分を構成する発展の権利を含むすべての人権及び基本的自由が次の行動により促進され、保護されることが不可欠である。  (a)未批准の既存の国際的人権条約の批准を慫慂すること。既に批准した条約や規約の規定を履行すること。  (b)普遍的で、不可分で、相互に依存し関連する、発展の権利を含むすべての人権及び基本的自由を再確認し、促進すること。それらが、適当な法制、情報の普及、教育・訓練及び実施のための効果的なメカニズム及び救済を通じ、特にモニター及び実施に責任を有する国内機関を設置あるいは強化すること等により尊重され、保護され、遵守されなければならない。  (c)すべての人々及びすべての人民が参加することができ、経済的、社会的、文化的及び政治的発展に寄与しそれらを享受できることを確保するための手段をとること。すべての人々が、個々にあるいは集団的に開発に対して責任をもつことを確保すること。そして、国家はウィーン宣言及び行動計画の関連条項を考慮に入れつつ、発展の権利の実現のために好ましい国内的及び国際的条件を創出する第一義的な責任を有することを認識すること。  (d)民主主義の強化、開発、人権及び基本的自由を通じ、また、開発途上国のより急速な開発の強化のためには持続した行動が必要であるため、国内レベルにおいては効率的開発政策、国際レベルにおいては公平な経済関係及び好ましい経済環境を通じて発展の権利を促進すること。  (e)社会・経済開発に悪影響を与えるすべての人民、特に植民あるいはその他の形態の外国の支配あるいは外国の占領下にある人民の自決権の実現のため障害を除去すること。  (f)女性の人権を促進または保護すること。政治的・市民的・経済的・社会的及び文化的生活における女性と男性の間の完全な平等と公平へのあらゆる障害を除去すること。  (g)特に児童の権利に関する条約の批准・履行、及び世界子供サミットにおいて採択された1990年代の児童の生存、保護及び発展に関する世界宣言のための行動計画の履行を慫慂することにより、とりわけ女児の権利に留意しつつ、児童の権利の促進及び保護に特別な注意を払うこと。  (h)すべての人々、特に社会の不利で弱い立場にある人々に対し、独立、公平かつ効率的な司法システムの恩恵を与えること。すべての人々が法的権利及び義務についての助言を受けることのできる権限ある機関へのアクセスを確保すること。  (i)障害者に対するすべての法律上、事実上の差別を撤廃するため効果的な手段をとること。  (j)市民社会及びコミュニティーが、教育及び資源へのアクセスによって、社会開発プログラムの計画、意思決定及び実行に積極的に参加することができる能力を強化すること。  (k)家庭内の差別及び暴力を予防し、撤廃するために個人の権利を促進し保護すること。 16. 開かれた政治的、経済的システムのために次により、すべての人々が知識、教育及び情報にアクセスする必要がある。  (a)すべてのレベルにおける教育システムを強化し、技能及び知識を習得するその他の手段についても強化すること。教育を受ける権利の行使への経済的、社会・文化的障害を除去する一方で、基礎教育及び生涯教育の機会への普遍的アクセスを確保すること。  (b)完全な男女の平等と公平に対するすべての障害を撤廃するため男女間の問題に考慮した教育を促進すること及び一般の認識を高めること。  (c)マスメディア及びその他の方法を通じて、すべての人々の一般的関心事項に関する幅広い情報及び意見へのアクセスを可能にするとともに、慫慂すること。  (d)教育システム、及び表現の自由と両立する範囲内において通信システムが、ジェンダー間の問題、非暴力、寛容、連帯、文化及び利害の多様性に対する尊重を含む社会的統合に対する人々の関心を高め、メディアにおけるポルノの開示及び明らかな暴力や残虐性のあからさまな描写を差し控えるよう慫慂すること。  (e)国内的、地域的及び国際的レベルで収集されたジェンダー別に分析された資料の効率的な活用等、社会開発及びジェンダー間の問題に関する資料その他の情報の信頼性、有効性、有用性及び一般の人々の利便性を学術・調査機関への支援をも通じて、向上させること。 17. 好ましい政治的、法的環境を促進するための国内努力に対する国際協力は、国連憲章及び国際法の原則と調和し、国連憲章に基づく国家間の友好関係及び協力に関する国際法の原則に関する宣言と一致するものでなければならない。よって次の行動が求められる。  (a)武力紛争を予防、解決し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準とを促進するため、適当な場合には、国連及びその他の国際、地域及び亜地域国際機関の能力を利用すること。  (b)テロ、あらゆる形態の過激派暴力、非合法な武器取引、組織犯罪、不正薬物問題、マネー・ロンダリング及びそれに関連する犯罪、女性、若年者、児童、移住者及び人間の臓器の取引、及び人権と人間の尊厳に反するその他の活動と闘う政策、行動及び法的方法乃至手段を調整すること。  (c)開発を確保し、開発への障害を撤廃するために国家が相互に協力すること。国際社会は、特にウィーン宣言及び行動計画により再確認された発展の権利宣言の規定の履行を通じて、開発途上国の努力を支援して発展の権利の完全な実現及び発展への障害の撤廃のための効率的な国際協力を促進しなければならない。発展の権利の実現に向けての継続的な過程は、国内レベルでは効率的な開発政策、国際レベルでは公平な経済関係及び好ましい経済環境を必要とする。現在及び将来の世代の社会的、開発的、環境的ニーズに公平に対応するために、発展の権利が実現されなければならない。  (d)人間が社会開発の中心にあること、そしてこれが亜地域、地域及び国際機関のプログラム及び活動に十分に反映されることを確保すること。  (e)発展の権利を含むあらゆる人権及び基本的自由の履行及びあらゆる形態の差別の撤廃の促進のため、そのマンデート内で関連の国内、地域及び国際機関の機能を強化すること。  (f)さまざまな国際機関のマンデート及び機能の範囲内で社会開発の目標を支援し、能力開発及びその他の形態の協力を通じて制度的発展に貢献する政策を策定すること。  (g)特定の、あるいはグローバルな責任に対応することを可能ならしめるため、特にアフリカ及び後発開発途上国において政府、民間部門及び市民社会の能力を強化すること。  (h)市場経済移行期にある国々が、中央計画経済から市場指向経済に変革する過程を支援するため政府、民間部門及び市民社会の機能を強化すること。 ●第2章 貧困の撲滅 ◎行動の基礎と目標◎ 18. 今日世界中で10億人を越える人々が、その大部分は開発途上国、特にアジア・太平洋、アフリカ、ラテン・アメリカ及びカリブの低所得国の農村部及び後発開発途上国において、受け入れ難い貧困の状況にある。 19. 貧困は、持続可能な生活を確保するために十分な所得及び生産的資源の不足を含むさまざまな表現をとる(例えば、飢餓と栄養失調、不健康、教育及びその他の基礎的サービスへのアクセスの制限あるいは欠如、疾病率及び疾病による死亡率の増加、ホームレスと不十分な住居、危険な環境、社会的差別及び疎外)。貧困はまた、意思決定並びに市民的、社会的及び文化的生活への参加の欠如により特徴づけられる。貧困は、すべての国において見られるものである(多くの開発途上国における大量の貧困、先進国における富の中の貧困地帯、経済不況の結果による生活の糧の消失、災害あるいは紛争の結果による突然の貧困、低賃金労働者の貧困、家族の支援システム、社会制度及びセイフティー・ネットからはずれた人々の極度の貧困)。女性は、不釣り合いに大きい貧困の負担を担っており、貧困の状況で成長した児童はしばしば永続的に不利な立場に置かれる。高齢者、障害者、先住民、難民及び国内避難民もまた、特に貧困におちいりやすい。さらに、さまざまな形態の貧困は、コミュニケーション及びサービスへのアクセスについての障害、健康への重大な危険を意味し、貧しい人々は、災害及び紛争の影響に特にさらされやすい。絶対的な貧困は、食糧、安全な飲料水、衛生設備、健康、住居、教育及び情報を含む基礎的生活分野の深刻な欠如により特徴づけられる状況である。それは、所得のみならず、社会サービスへのアクセスに依存している。 20. 永続する広範な貧困、そして深刻な社会的及びジェンダー間の不均衡は人口の増加、構成、分布等の人口パラメーターに重要な影響を与えるとともに影響を受けるとの一般的な合意がある。また、持続不可能な消費と生産のパターンは、自然資源の持続不可能な使用と環境悪化及び人口パラメーターに対する上述の影響を伴う社会的不均衡と貧困の増大をもたらしているとの一般的な合意がある。 21. 都市部の貧困は、全般的な都市化のペースとともに急速に増大している。それは、すべての国々及び地域でますます見られる現象であり、しばしば過密、水の汚染、不衛生、危険な住居、犯罪及びその他の社会問題等の特別な問題を惹起している。女性により維持されている都市部の低所得家庭はますます増加している。 22. 貧しい人々の間では、特に女性により維持されている家庭の増加におけるジェンダー間の不均衡は顕著である。人口の増大とともに、貧しい若年者の数は著しく増加している。それゆえに、貧困の若年化及び女性化に対応するため特別の手段が必要である。 23. 貧困は、構造的なものを含めてさまざまな原因によりもたらされる。貧困は、国内的、国際的双方の領域に起源のある複雑な多分野にわたる問題である。普遍的な適用ができる単一の解決方法があるわけではない。むしろ、貧困と闘う各国の事情に応じたプログラム及び国内の努力を支援する国際的努力そして支援的な国際環境を創出する並行的なプロセスはこの問題の解決のため非常に重要である。貧困は、土地、技能、知識、資金及び社会的関係を含む資源に対するコントロールの欠如と不可分に関連している。これらの資源なくして、人々は容易に為政者により無視され、社会制度、市場、雇用及び公的サービスへのアクセスが限られる。貧困の撲滅は、貧困対策プログラムのみでは達成できず、すべての人々の資源、機会及び公的サービスへのアクセスを確保し、富と所得のより公平な配分に向けた政策を保障し、自ら(の生活)を維持することのできない人々に対して社会的保護を提供し、個人的であれ集団的であれ自然的、社会的あるいは技術的な予見できない災害に直面する人々を支援するために、民主的参加と経済構造の変化を必要とする。 24. 貧困の撲滅は、持続可能な生活及び基礎的社会サービスを促進する経済的機会への普遍的アクセス及び不利な立場にある人々の機会及びサービスへのアクセスを容易にする特別の努力を必要とする。貧しい人々や弱い立場にあるグループは、組織化及び政治的、経済的、社会的生活のあらゆる側面、特に彼らに影響を与える政策の計画及び実行への参加により、彼らが開発における純粋なパートナーになりうるようにすることを通じて能力開発されなければならない。 25. よって緊急に次の行動が必要である。  ●国内的コンテキストにおいて各国において定められた期日までに絶対的貧困を根絶する具体的な期限付きのコミットメントとともに、貧困から脱却することを阻む構造的障害を除去する手段を含む全般的貧困を実質的に削減する国内戦略。  ●貧困を根絶し、基礎的社会保護及びサービスを提供する努力を行う国々を支援するより強力な国際協力及び国際機関の支援。  ●国内的コンテキストにおいて、あらゆる形態の貧困、特に絶対的な貧困を計測し、危機に瀕する人々の状況を評価し、モニターする方法の開発。  ●貧困を根絶し、不平等を削減する方向に向けるため経済政策及び国内予算の定期的な国内レヴュー。  ●貧しい人々が自らの全般的な能力を高めることを可能ならしめ、持続的に資源を管理しつつ経済的、社会的状況を改善する機会の拡大。  ●人的資源の開発及びインフラ設備の改善。  ●すべての人々の基礎的ニーズの総合的な提供。  ●すべての人々が、失業、疾病、妊娠、障害及び高齢に対して十分な経済的・社会的保護を確保する政策。  ●家族を強化し、社会開発に関するコペンハーゲン宣言の原則、目標及びコミットメント並びに国際人口・開発会議のそれらに従い、その安定に貢献する政策。  ●貧困に苛まれる地域を支援するために公的及び民間部門双方、及びより発展した地域、教育、学術機関及びNGOの動員。 ◎行動◎ ・A.総合的戦略の策定 26. 政府は、次により絶対的貧困を根絶し、全般的貧困を実質的に削減する公的な努力にさらに強い関心を向けなければならない。  (a)持続可能な開発のコンテキストのなかで持続的経済成長及び社会的進歩を促進すること、成長が広範な基礎を有することを要請すること、すべての人々に平等な機会を与えること。すべての国々は、共通でありながら異なった責任を認識すべきである。先進国は、持続可能な開発の国際的な追求において負う責任を認識すべきであり、持続的な経済成長を促進し、すべての国々、特に開発途上国が恩恵を受けるように不均衡を是正する努力を引き続き改善しなければならない。  (b)地方、国内、亜地域、地域及び国際レベルにおける行動を包括しつつ、貧困の構造的原因に対処する国内貧困撲滅計画を好ましくは1996年までに策定あるいは強化すること。これらの計画は、各国のコンテキストにおいて戦略及び全般的な貧困及び絶対的な貧困の根絶のために可能な期限を付した目標及び戦略を規定しなければならない。国内計画のコンテキストにおいて、健康及び教育に適当な考慮を払い、家庭所得を創出し、生産資産及び経済的機会へのアクセスを促進しつつ、貧困撲滅の手段として雇用の創出に特別な注意が払わなければならない。  (c)生計システム、生存戦略及び貧しい人々の自助組織を確認し、関係する人々の完全な参加を確保し、彼らの現在のニーズに対応することを確保し、彼らの努力の上に築く貧困対策プログラムを開発するため、そのような組織とともに作業すること。  (d)国内レベルにおいて、絶対的貧困の範囲及び分布を決定する尺度、判断基準及び指標を策定すること。各国は、好ましくは1996年の国際貧困撲滅年までに絶対的貧困の正確な定義と評価を開発しなければならない。  (e)女性、特に収入源を有しない女性が、経済機会及び生産的資源へのアクセスを増大し、広げるための政策、目標及び測定可能なターゲットを設定すること。  (f)特に、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約及び政治的及び市民的権利に関する国際規約等の関連人権文書の批准を慫慂し、完全な履行を確保することを通じて、すべての人々の市民的、文化的、経済的、政治的及び社会的権利の効率的享受及び既存の社会的保護及び公的サービスへのアクセスを促進すること。  (g)女性が直面する不公正及び障害を撤廃すること。決定及びその実施への女性の参加及び生産資源へのアクセス、土地所有及び遺産への権利を慫慂し、強化すること。  (h)貧しい人々の技能、自己依存及び自信を強化し、彼らが貧困撲滅への努力に積極的に参加することを容易ならしめる地域社会開発計画を慫慂し、支援すること。 27. 政府は、次により、貧困を撲滅するための目標及びターゲットを地方、国内及び適当な場合には、地域レベルにおいて総合的な経済・社会政策に早急に統合するよう求められる。  (a)貧困及び不平等に与えるインパクトに関して、マクロ経済の安定、構造調整計画、税制、投資、雇用、市場及び経済に関連するすべての部門に関するものを含む政策及びプログラムを分析すること。そしてそれらが家族の幸福及び状況に与えるインパクト、ジェンダー間の関係に及ぼす意味合いを評価し、適当な場合には、生産資産、富、機会、所得及びサービスのより公平な分配を促進するためそれらを調整すること。  (b)貧しい人々に恩恵を与え、彼らの生計の長期にわたる改善と両立するインフラ開発、自然資源の管理及び人的資源開発に関する公共投資政策を再計画すること。  (c)開発政策が、低所得地域や農村、農業開発に恩恵を与えるものであることを確保すること。  (d)可能な場合には、現地の住民を退去させることのない開発計画を選択すること。退去させられた住民に対し、彼らが生計を再構築し、社会的、文化的分断からの回復に助力するために損失を補償するための適当な政策及び法的枠組みを企画すること。  (e)アジェンダ21及び国連環境・開発会議の結論のフォローアップの中で採択されたさまざまなコンセンサス合意、協定及び行動計画に従い、貧しい人々及び弱い立場にあるグループのニーズを考慮に入れる環境保護や資源管理措置を企画し、実施すること。  (f)民間部門を含む市民社会と協力して、適当な場合には貧困と闘う努力を調整するメカニズムを設置し、強化すること。そしてその目的のため、統合的な部門間及び政府内の対応を明らかにすること。 28. 貧しい人々とその組織は、次により能力開発されなければならない。  (a)彼らを目標の設定、及び貧困の撲滅及び地域に根づいた開発のための国内戦略及びプログラムの企画、実行、監視及び評価に完全に関与させること。そして、そのようなプログラムが彼らのプライオリティーを反映することを確保すること。  (b)女性のエンパワメントのための政策及びプログラムの計画及び実施においてジェンダーに関する視点を取り入れること。  (c)貧しい人々に影響を与える政策とプログラムが、彼らの尊厳と文化を尊重し、彼らの知識、技能及び知見を十分に利用することを確保すること。  (d)すべてのレベルの教育を強化すること。そして貧しい人々の教育、特に初等教育及びその他の基礎教育の機会へのアクセスを確保すること。  (e)代表者が経済的、社会的政策決定に参加することができ、彼らが必要とするサービスと機会を得るために政府、非政府、その他関連機関とさらに効率的に作業することができるよう慫慂するとともに、貧しい人々を支援すること。  (f)能力開発及びコミュニティーに基礎を有する管理を特別に強調すること。  (g)権利、政治システム及びプログラムの利用について人々を教育すること。 29. 貧困撲滅計画の実施に関する情報を定期的に監視、評価、共有し、貧困と闘う政策を評価し、貧困及びその原因と結果に関する理解と認識を促進することが必要である。これは、政府により特に次(の施策)を通じて実施することができよう。  (a)所得、富、栄養、身体的及び精神的健康、教育、識字、家庭の状況、失業、社会からの疎外と孤立、住居及び土地の欠如その他の要因を含む貧困及び脆弱性の特別かつ合意されたジェンダー別の指標及び、貧困の国内的、国際的原因の指標を開発、改定するとともに普及させること。この目的のため、人種、性、障害、家庭的地位、言語グループ、地域及び経済的、社会的部門の観点からの包括的で比較可能なデータを収集すること。  (b)社会開発分野の国際フォーラムにおいて合意された目標及びターゲットの達成を監視するとともに評価すること。貧困レベルの変化、貧困の永続、特に家庭所得レベル及び資源及びサービスへのアクセスに関する貧困への脆弱性を量的、質的に評価すること。貧しい家庭及び低所得のコミュニティーのプライオリティーと認識に基づいた貧困撲滅戦略の効率性を評価すること。  (c)社会開発目標の監視について各国を支援するため国際データ収集及び統計システムを強化すること。女性の無報酬の仕事及び社会への貢献、インフォーマル経済及び持続可能な生計等、利用可能なデータに含まれていない社会的に有益な活動を加えるため国際的データベースを拡大すること。  (d)社会が、決定された目標及びターゲットの追求における進展あるいは失敗に注目しながら、貧困に対する闘いに優先度を与えることができるように、特に教育機関、NGO及びメディアを通じて一般の認識を喚起すること。  (e)貧困の原因及びその解決方法、構造調整措置が貧しい人々に与える影響並びに貧困対策戦略及びプログラムの効率性に関する理解を改善するため、大学及び調査機関の資源を動員すること。開発途上国における社会科学調査のための能力を強化し、適当な場合は、調査の結果を意思決定過程に統合すること。  (f)特に亜地域及び地域機関を通じて、特に開発途上国間の知識及び経験の交換を容易にするとともに、促進すること。 30. 国際社会の構成員は、二国間であるいは多国間機関を通じて、次により貧困の撲滅を可能ならしめる環境を強化しなければならない。  (a)開発途上国、特にアフリカ及び後発開発途上国において、基礎的社会開発目標及びターゲットを達成するために、貧困を撲滅し、報酬のある仕事を提供し、社会的統合を強化すべくとられている手段を支援する政策及びプログラムを調整すること。  (b)開発途上国の要請に応じて、ジェンダー間の平等の達成や女性のエンパワメントに向けての開発途上国の、特にコミュニティー・レベルでの努力を支援する国際協力を促進すること。  (c)国内貧困撲滅計画の進捗を監視するとともに、貧しい人々に対して国内的、国際的政策及びプログラムが及ぼす影響を評価し、その悪影響に対応する開発途上国の能力を強化すること。  (d)市場経済移行期にある国々が、特に貧困の削減のための社会保護システムや社会政策を展開する能力を強化すること。  (e)国内的プライオリティーを反映する社会開発プログラムの脈絡の中で、貧困を撲滅し、貧困撲滅目標とターゲット達成に関する小島嶼開発途上国の特別なニーズに対応すること。  (f)内陸開発途上国が、貧困の撲滅にあたって直面する問題に対処し、社会開発を目指すそれらの努力を支援すること。  (g)紛争により分断した社会が、社会保護システムを再建し、貧困を撲滅する努力を支援すること。 ・B.生産的資源及びインフラへのアクセスの改善 31. 所得創出、活動の多様化、低所得で貧しいコミュニティーにおける生産性の増加の機会は、次により増大されなければならない。  (a)特に、孤立した、遠隔、辺境のコミュニティーについて地方あるいはコミュニティー・レベルの運輸、通信、動力及びエネルギー・サービスの利用可能性及びそれらへのアクセスを改善すること。  (b)インフラへの投資が、地方あるいはコミュニティー・レベルで持続可能な開発を支援するものであることを確保すること。  (c)第一次産品に大きく依存している開発途上国が、多角化を慫慂し、競争力を高めるための国内政策と制度的環境の促進を継続する必要性を強調すること。  (d)いくらかの第一次産品価格の継続的不安定と交易条件の一般的悪化に対して、開発途上国の輸出収入を増大し、競争力を改善する方法として商品の多角化の重要性を支持すること。  (e)特に、(貧困撲滅のための取組を)支援するような法律及び行政措置、与信政策及び技術的、行政的訓練を通じて、農業加工、農器具及び投入物の販売及びサービス、灌漑、与信サービス及びその他の所得創出活動等、農村部の非農業生産・サービス活動を零細企業等により促進すること。  (f)コミュニティーに基礎をもつ開発と自助プログラムへの経済的、技術的支援を強化し、改善すること。地方の貯蓄を動員するため政府、コミュニティー組織、協同組合、公式、非公式の銀行業務機関、民間企業及び国際機関の間の協力を強化すること。地方の金融ネットワークの創造を促進すること、及び小企業家、小農家及びその他の低所得自営労働者の信用及び市場情報の利用可能性を、そのようなサービスを女性が利用できる可能性を確保するための特別な努力を行いつつ増大させること。  (g)特に、市場アクセスを改善し、生産性を向上し、データ及び技術的助言を提供し、生産及び市場活動の協力を促進し、農村開発の計画及び実行への参加を強化するため、小農家、借地労働者、その他小生産者、漁師、特に女性により運営されているコミュニティーに基礎をもつ労働者の協同組合の組織を強化すること。  (h)社会グループ、特に、不正薬物取引に使用される作物の耕作及び加工に関与する農民に経済的に可能な代替作物を提供することに対する国内的、国際的支援を促進すること。  (i)環境的優位を有する自然製品の競争力及び持続可能な消費及び生産パターンに及ぼし得る影響を改善すること。そのような製品の調査及び開発に関する開発途上国に対する経済、技術協力の強化及び改善を行うこと。  (j)土地改革、土地改良及び経済多角化によるものを含む包括的農村開発を促進すること。  (k)農村女性の経済機会を、女性が経済活動に参加する法的、社会的、文化的及び事実上の障害を撤廃すること、及び女性が生産資源への平等なアクセスを有することを通じて改善すること。 32. 農村の貧困は、次により対処されなければならない。 (a)土地改革等の手段により、土地所有権を拡大し、改善すること及び土地所有の安全性を向上させること。そしてこれに関し男女の平等な権利を確保すること。新しい農地を開拓し、公平な土地貸借を促進し、土地譲渡をより効率的で公平にし、土地にかかわる紛争を裁定すること。 (b)公平な賃金を促進し、農業労働の条件を改善すること。また、女性、障害者、不利な立場にあるグループを含む小農家の水、信用、技術普及サービス及び適当な技術へのアクセスを平等を基礎として増大すること。 (c)農村地帯の社会的及び経済的生活状況を改善し、農村からの人口流出を抑止するために企画された手段及び行動を強化すること。 (d)持続可能な開発を尊重することを条件に、小農家及びその他の農業、林業、漁業労働者の機会を促進すること。 (e)小生産者が、自らの生産物についてより良い価格を得、彼らが必要とする原料をより良い価格で入手できるようにするために市場へのアクセス及び市場情報を改善すること。 (f)各国の事情に応じて、畜産家、漁業労働者、遊牧・先住民の土地及びその他の資源への伝統的権利を保護すること。畜産あるいは遊牧活動の分野における土地管理の強化、伝統的な共同体の慣習の上に積み上げること、他の者の侵入を防止すること、牧場管理のシステムの改善、水、市場、信用、動物生産、獣医サービス、健康サービスを含む健康、教育及び情報へのアクセスの開発。 (g)持続可能な農業の地方的・伝統的慣習に基づき、女性の知識を特に利用しつつ、特に環境的に脆弱な地域において、農業システム、小規模耕作及び畜産技術に関する教育、調査及び開発を促進すること。 (h)女性を普及労働者としてさらに雇用すること等を含め、男女を問わず農家その他の農業労働者に到達するように、既存の技術及び土着の知識システムのさらに効率的な利用の促進及び新しい技術を広めるための農業訓練及び普及サービスを強化すること。 (i)小規模農家が、自由化のコンテキストにおいて、十分に市場機会を探求することができるために、資源の乏しい地域において小規模農業にインフラ的、制度的投資を促進すること。 33. 小規模な農村あるいは都市生産者、小作農及び低所得あるいは所得のないその他の人々の信用へのアクセスは、女性及び不利で弱い立場にあるグループのニーズに特別な注意を払いつつ、次により実質的に改善されなければならない。 (a)貧しい人々、特に女性が合理的な条件で信用にアクセスすることを制限する国内の法的、規制的、組織的枠組みをレヴューすること。 (b)適当な場合には、可能な信用へのアクセスへの現実的な目標を促進すること。 (c)アクセスを改善するためインセンティヴを提供すること。貧しい人々及び弱い立場にあるグループに対する信用及び関連するサービスを配分する組織された信用システムの能力を強化すること。 (d)金融ネットワークを拡大すること。既存のコミュニティー・ネットワークの上に積み上げること。貯蓄のための魅力的な機会を促進すること、及び地方レベルにおける信用への公平なアクセスを確保すること。 34. 都市の貧困は、さらに次により対処されなければならない。 (a)零細企業、新規の小ビジネス、共同組合事業、市場の拡大及びその他の雇用機会を促進し、強化すること。適当な場合には、インフォーマルからフォーマル・セクターへの移行を容易にすること。 (b)訓練、教育その他の雇用支援サービスへのアクセスの拡大を通じて、都市の貧しい人々、特に女性、若年者、失業者及び不完全雇用者の持続可能な生計を促進すること。 (c)貧しい人々の全般的な人的環境及びインフラ、特に住居、水、衛生及び公共交通機関の改善のために公的及び民間投資を促進すること。 (d)住居のための戦略は、かかる戦略の策定における女性の知見に留意しつつ、女性及び児童に特別な注意を払わなければならない。 (e)必要な場合には、よりよい雇用機会、住居、教育、健康及びその他の社会サービスを提供する地域へ人々が移動することを支援することを含め、社会サービス及びその他の不可欠なサービスを促進すること。 (f)コミュニティーのニーズ及び懸念に対応する効率的な刑事司法行政及び保護手段を通じて安全を確保すること。 (g)地方自治体、NGO、大学その他の教育機関、ビジネス及びコミュニティー組織が都市計画、政策策定及び実施にさらに活発に関与できるよう、それらの役割を強化し、手段を拡大すること。 (h)避難民、ホームレス、ストリート・チルドレン、保護者のいない未成年者、特別で困難な状況にある児童、孤児、少年少女及び未婚の母親、障害者及び高齢者を保護するための特別の手段がとられることを確保すること。そして彼らが、そのコミュニティーに統合されることを確保すること。 ・C.すべての人々の基礎生活分野への対応 35. 政府は、すべてのその他の開発主体、特に貧しい人々及びその組織とのパートナーシップのもとで、次により貧しい人々及び弱い立場にあるグループを含むすべての人々の基礎生活分野に対応するよう協力しなければならない。  (a)貧しい人々及び弱い立場にあるグループのアクセスを容易にするために、特別な努力をもって、基礎的社会サービスへの普遍的なアクセスを確保すること。  (b)基礎生活分野を満たすことが、貧困の削減の不可欠な要素であるとの一般の認識をつくり出すこと。これらのニーズは密接に関連しており、栄養、健康、水及び衛生、教育、雇用、住居並びに文化的、社会的生活への参加を包括するものである。  (c)親及び児童に対して法的に責任を有するその他の者の権利、義務及び責任を認識しつつ、児童の権利に関する条約に従って、社会サービス、特にすべての年齢の女性及び児童に対する教育、法的サービス及びヘルス・ケア・サービスへの完全で平等なアクセスを確保すること。  (d)HIV/AIDSの急速かつグローバルな蔓延、結核、マラリア、オンコセルカ症(河川盲目症)、下痢性疾患、特にコレラ等の個人及び公衆の健康に対する脅威と闘うため、国内、地域、国際レベルにおいて十分な資源が与えられるよう適当なプライオリティーが与えられることを確保すること。  (e)先住民の生産能力を高めるため特別な行動をとること。彼らの文化、言語、伝統、社会組織の形態及び彼ら自身のイニシアティヴを十分に尊重して、社会サービスへの完全で平等なアクセス及び彼らの発展に影響を与える政策の策定及び実施への参加を確保すること。  (f)弱い立場にある人々及び貧しい人々が彼らの生活を改善し、彼らの権利を行使し、すべての社会的、経済的、政治的活動に完全に参加し、社会・経済開発に貢献することを可能ならしめるために適当な社会サービスを提供すること。  (g)人々の健康を改善することは、健全な環境と不可分に関連していることを認めること。  (h)高齢者、障害者あるいは在宅患者に対してすべての基礎的社会サービスへの物理的なアクセスを確保すること。  (i)適当な場合には無料の法的支援の提供を通じて、彼らの権利に関する知識を含めて貧しい人々が完全で平等な司法へのアクセスを有することを確保すること。法的システムは、強力で独立した司法行政を確保するために、不利で弱い立場にあるグループのニーズと特別な状況に対してさらに敏感に反応するものでなければならない。  (j)特に施設での介護を必要する人々あるいは在宅患者に完全な介護サービスを促進するとともに、自立を失った人々に対するコミュニティーに根ざした一連の総合的な長期介護のサービスを促進すること。 36. 政府は、本行動計画第V章に従い国際社会からの支援を得て、すべての人々の基礎的ニーズに対応するためになされた特に次を含むコミットメントを実行しなければならない。  (a)西暦2000年までに、基礎教育への普遍的アクセス及び最低80%の初等教育学齢児童の初等教育修了。西暦2005年までに、初等、中等学校教育における性差を縮小すること。西暦2015年までに、すべての国における普遍的初等教育。  (b)西暦2000年までに、平均寿命がいずれの国においても60歳を下回らないこと。  (c)西暦2000年までに、5歳以下の幼児及び児童の死亡率を1990年のレベルの1/3、あるいは1,000人の出生あたり50ー70人のうちいずれか低い方のレベルにまで削減すること。西暦2015年までに、乳幼児死亡率を1,000人あたり35人以下、5歳以下の死亡率を1,000人あたり45人以下にすることを達成すること。  (d)西暦2000年までに、妊産婦死亡率を西暦1990年レベルの半分まで削減すること。西暦2015年までに、さらに半分まで削減すること。  (e)食糧が政治的圧力の道具に利用されるべきでないことを再確認しつつ、国内及び国際レベル双方において安全で栄養的に十分な食糧供給、食糧供給における合理的な安定度及びすべての人々の十分な食糧への物理的、社会的、経済的アクセスを確保することによって食糧安全保障を達成すること。  (f)西暦2000年までに、5歳以下の児童の深刻なあるいは緩やかな栄養失調を西暦1990年の半分に削減すること。  (g)西暦2000年までに、世界のすべての人々が社会的及び、経済的に生産的な生活をおくることができるような健康のレベルを達成すること。そして、そのためにすべての人々のプライマリ・ヘルス・ケアを確保すること。  (h)その採択の際、親への指導と親の責任の必要性に関してなされた留保及び宣言を特に考慮に入れつつ国際人口・開発会議の行動計画に従い、できるだけ早く、遅くとも西暦2015年までに適当な年齢のすべての人々が、基礎的ヘルス・ケア・システムを通じてリプロダクティヴ・ヘルスへのアクセスを可能にすること。  (i)西暦2000年までにマラリア死亡率及び罹患率を影響を受けている国々の少なくとも75%の国々において1995年のレベルの少なくとも20%まで減少させる目標をもって努力を強化し、コミットメントを高めること。そして、開発途上国、特に圧倒的な症例と死亡の例が発生しているアフリカにおいて、マラリアによる社会的、経済的損失を削減すること。  (j)西暦2000年までに、アジェンダ21第6章12項に従いグローバルな健康問題を起こしている主要な病気を根絶、除去あるいは抑制すること。  (k)女性の識字を強調しつつ、成人(適当な年齢層は各国において決定する)の非識字率を1990年のレベルの少なくとも半分に削減すること。初等、技術教育及び職業訓練に特別なプライオリティーを置きつつ質の高い教育への普遍的なアクセスを達成すること、非識字と闘うこと、及び教育へのアクセス、継続及び支援について性別による不公平を撤廃すること。  (l)持続可能な基礎において、十分な量の安全な飲料水とすべての人々に対する適当な衛生へのアクセスを提供すること。  (m)西暦2000年に向けての世界居住戦略に従い、すべての者が適当で十分な住居を入手できるよう改善すること。  (n)これらのコミットメントの履行を適当な最高レベルにおいて監視すること。また、十分で正確なデータと適当な指標の配布を通じて、それらの実行を促進する可能性を検討すること。 37. 貧しい人々及び弱い立場にあるグループの社会サービスへのアクセスは、次によって改善されなければならない。  (a)利用されていない土地に学校を設置することにより、貧しい人々の教育に対するアクセスを容易にするとともに教育の質を改善すること。貧しい家庭が学校に児童を留めるインセンティヴとして食事やヘルス・ケア等の社会サービスを提供すること。低所得のコミュニティーにおいて学校の質を向上させること。  (b)障害者を含む貧しい人々に対する機会を改善し、彼らの状況及び生計をよりよくするために必要な技能及び知識を発達させるために、公的、私的イニシアティヴ及び学校外教育の手段により教育・訓練を継続する機会を拡大し、改善すること。  (c)貧困の中で育った幼い児童が直面する不利を克服するために新しい学習技術、ラジオ及びテレビを通じるものを含めて、学校及び学校外の就学前教育を拡大し、改善すること。  (d)貧しい、低所得のコミュニティーに住む人々が、国際人口・開発会議の行動計画に従い、無料あるいは(支払い)可能な料金で、プライマリ・ヘルス・ケア・サービスを提供する質の高いヘルス・ケア・サービスへのアクセスを有することを確保すること。  (e)リプロダクティヴ・ヘルス・ケア及び児童に対するヘルス・ケア・サービスを改善する包括的国内戦略を開発するため、政府機関、ヘルス・ケア従事者、NGO、女性団体及びその他の市民社会の機関の間の協力を促進すること。また、国際人口・開発会議の行動計画に盛り込まれているように、特に、家族計画、安全な母性、出産前及び出産後のケア、母乳育児の恩恵に関する教育や援助を含むサービスに対し、貧しい人々でも十分なアクセスを有することを確保すること。  (f)すべての人々に予防、治療及びリハビリを確保するプライマリ・ヘルス・ケア・サービスに投資することは、社会・経済開発及び社会への幅広い参加を促進する効率的手段であることを認めつつ、ヘルス・ケア従事者に対し、低所得コミュニティー及び農村地域で働くよう慫慂すること、及びヘルス・ケア・サービスのない地域に遠隔地サービスを提供すること。 ・D.社会的保護の強化と脆弱性の削減 38. 社会的保護のシステムは、立法に基づき、職業を見つけることのできない人々―疾病、障害、高齢、妊娠・出産あるいは育児、看病、高齢者の介護のため働くことのできない人々、死亡あるいは夫婦の離別により生計維持者を失った家族、自然災害、市民的暴力、戦争あるいは強制立ちのきにより生計を失った人々―が、貧困におちいらないよう保護するために、適切な場合には必要に応じ強化、拡充されなければならない。HIV/AIDSの感染を受けた人々に対し然るべき配慮をしなければならない。このための行動は、次を含まなければならない。  (a)各国の財政、行政能力に応じたプログラムの選択により、必要とする人々に向けられたプログラム、普遍的な基礎的保護を提供するプログラム及び社会保障保険プログラムを強化するとともに拡大すること。  (b)必要な場合には、各国のコンテキストに関連したスケジュール、条件及び状況に応じて、すべての人々に対して社会保障を提供する社会的保護のプログラムを漸進的に拡大する戦略を策定すること。  (c)経済再構築にかかわる社会的セイフティー・ネットは、全般的な貧困の削減及び生産的雇用の増大の補完的戦略であることを確保すること。その性格上、セイフティー・ネットは、短い期間貧しい人々を保護し、生産的雇用を見つけることを可能にするものでなければならない。  (d)人々ができるだけ十分かつ早急に自立することを助け、家族を支援及び保護し、経済活動から疎外されている人々を再統合し、保護を必要とする人が社会から孤立あるいは汚名をきせられることを防ぐ社会的保護及び支援プログラムを策定すること。  (e)社会的保護のプログラムを強化するため収入を得るさまざまな手段を探求すること。社会的な保護及び支援を提供する民間部門及びボランタリー組織の努力を促進すること。  (f)この分野における自助組織、職業団体及びその他の市民社会の組織の革新的な努力を促進すること。  (g)自営業者及びその家族を含む労働者が貧困におちいる危険性から保護する社会的保護のプログラムを、できる限り対象者を拡張し、給付金を迅速に支払い、労働者が転職しても資格を継続することを確保することによって拡大し、強化すること。  (h)労働者、雇用者及び国家の出資金及び資金の蓄積が参加者によって監視できるために、出資による社会的保護計画が効率的で透明であることを、適当な規制によって確保すること。  (i)構造調整計画下において、十分な社会的セイフティー・ネットを確保すること。  (j)社会的保護及び社会的支援のプログラムが女性のニーズを満たし、特にそれらが女性の多岐にわたる役割及び関心、就中休業後の正規の仕事への復帰、高齢女性への支援、女性の多岐にわたる役割及び責任に対する認識を促進するものであることを確保すること。 39. 児童及び若年者を保護するため次により特別な努力を行わなければならない。  (a)児童の養育者及び教育者としての役割に対する支援を含む相互の支援を提供することにより家族の安定を促進するとともに、家族を支援すること。  (b)両親が親としての責任と職業生活を両立することができる質の高い育児と労働条件を含む社会的支援を促進すること。  (c)家族の組織とネットワークをコミュニティーの活動において支援し、参加させること。  (d)特に女児に特別な配慮を払いつつ、児童の権利を保護し、促進するために必要な立法的、行政的、社会的及び教育的措置をとること。  (e)特に困難な状況にある児童(軍事紛争地域の児童、家族の支援を十分受けていない児童、都市のストリート・チルドレン、遺棄された児童、障害のある児童、麻薬中毒の児童、戦争あるいは自然災害、人災の影響を受けた児童、身寄りのない未成年の難民児童、就労児、及び児童売買の犠牲者を含む経済的、性的に搾取され、あるいは虐待された児童を含む)の状況を改善し、児童の権利を保護すること。そして児童の権利に関する条約に従い、児童が食糧、住居、教育及びヘルス・ケアへのアクセスを有し、虐待及び暴力から保護され、社会への健康的統合及び家族の再統合に必要な社会的、心理的支援が提供されることとを確保すること。児童労働を教育に代替すること。  (f)貧しい若年者を対象としたプログラムを彼らの経済的、教育的、社会的及び文化的機会を高め、彼らの間の建設的な社会関係を促進し、世代間の貧困のサイクルを断ち切るため彼らのコミュニティーの外部との接触を提供すること。  (g)先住民の児童及びその家族、特に貧しい地域に住む人々の特別なニーズに対処すること。彼らが、自らの文化、言語及び伝統を十分に認められ、経済・社会開発プログラムの恩恵を十分に受けられるようにすること。  (h)社会におけるひとり親の状況を改善すること。そして、ひとり親の家族、女性が世帯主あるいは女性によって維持されている家庭が、十分な住居及び育児に対する支援等必要な社会的支援を受けることを確保すること。 40. 障害を持つ者を含む高齢者を保護するために特別な努力が必要である。  (a)家族の支援システムを強化すること。  (b)特に十分な家族の支援に欠ける場合に、農村の高齢者、高齢労働者、武力紛争、自然災害あるいは人災の影響を受けた高齢者、搾取され、身体的、精神的な放任及び虐待を受けている高齢者の状況を改善すること。  (c)援助を必要としている高齢者を支援し、高齢者が虐待と暴力から保護されるとともに、重48●世界社会開発サミット荷ではなく資源として扱われるような社会サービス及び社会保障へのアクセスを通じて高齢者の基礎生活分野におけるニーズを満たすことができることを確保すること。  (d)特に、両親がエイズあるいはライ病を含む深刻な病気のため、あるいはその他の理由により扶養することができない児童に対する責任を求められている祖父母に支援を提供すること。  (e)老後に備えて貯蓄を慫慂する金融環境をつくり出すこと。  (f)退職した労働者が、彼らの自国の発展に対する貢献を考慮して、貧困におちいらないことを保障する手段及びメカニズムを強化すること。  (g)政策及び計画の策定及びすべてのレベルにおける意思決定機関への世代横断的な参加を慫慂し、支援すること。 41. 適当な場合には、人々とコミュニティーは、国内及び国際レベルにおける次の行動を通じて災害による困窮、長期にわたる退去及び疎外から保護されなければならない。  (a)干害、地震、台風及び洪水などの自然災害の影響を低減させ、作用を緩和する効率的なメカニズムを企画すること。  (b)自然災害及び飢餓の効率的な緩和のための、早期警戒、アセスメント、情報の普及・管理を含む長期戦略と非常事態計画、及び早期に救援活動から復興と開発に展開することを確保する緊急対策を開発すること。  (c)人道緊急援助の分野において国連の活動を支援する国内ボランティア部隊の設置を含む政府、政府間及びNGOの努力を統合する補完的メカニズム、及び総会決議46/182及び49/139Bに従い、救援から復興、再建及び開発へのスムーズな移行を促進するメカニズムを開発すること。  (d)緊急食糧備蓄制度を、伝統的及び市場のメカニズムを十分使用しつつ、食糧貯蔵、輸送及び緊急の際の配給のための設備とともに厳しい食糧不足を防ぎ価格を安定させる方法として開発するとともに強化すること。  (e)災害の多い地域において、またコミュニティーに基礎を置く組織と協力して、適当な場合には労働の対価として食糧を与えるとともに、災害時の緊急の雇用及び再建計画に早急に拡大することができる災害に対応する伝統的な方法を導入しつつ、干害及び洪水を緩和する農耕法及び資源保存・インフラ建設プログラムを開発すること。  (f)災害時において、被災者特に女性及び児童に対して食糧、心理的・社会的ケア、医薬品、医療提供及びその他の救援を提供するため迅速かつ効率的な対応を可能にする必要な計画及びロジスティックなメカニズムを設置すること。救援がそれを必要とする人々に効率的に向けられることを確保すること。地方経済を再生し、資源保護と開発努力を支援するために災害支援を振り向け、組織すること。  (g)災害に対処していいる政府及びコミュニティーの活動を支援するために国連システム及びNGOよりの支援等の地域的、国際的支援を動員するとともに調整すること。  (h)早期警戒システムの開発を通じて自然災害への脆弱性を低減させること。 ●第3章 生産的雇用の拡大と失業の削減 ◎行動の基礎と目標◎ 42. 生産的労働と雇用は、開発の中心的要素であり人間の尊厳の決定的な要素である。持続的経済成長及び持続可能な開発そして生産的雇用の拡大は、協調して行わなければならない。完全、十分かつ適当な報酬のある雇用は、貧困と闘い、社会的統合を促進する効果的な方法の一つである。完全雇用の目標は、国家、社会パートナー及び市民社会のすべてのその他の主体が、すべての人々が生産的労働に参加し、それから恩恵を受けることを可能ならしめる条件を創造するために協力することである。グローバリゼーションと国家間の相互依存が増大する世界においては、各国の努力は国際協力により支援されなければならない。 43. グローバリゼーションと急速な技術発展は、労働移動を増し、新しい雇用機会及び新しい不確実性をもたらす。パートタイム、臨時雇用その他の不規則な形態の雇用が増大している。未だかつてない規模で新しい雇用機会の創出が必要であることに加えて、そのような環境は、特に人々、なかでも女性及び若年者が生産的に働き、変化する必要性に対応するために必要な知識及び技能を高めることにより、持続可能な開発のための人的資源の開発を促進する努力の増大が必要である。 44. 多くの先進国において、雇用の成長は、現在中小企業及び自営業において大きい。多くの開発途上国において、インフォーマル部門の活動は、しばしばフォーマル部門の賃金労働へのアクセスが限られている人々、特に女性に雇用機会を提供している。そのような企業の運営にかかわる障害の除去及びそれらの創造及び拡大に対する支援提供は、それらのいくらかの企業がフォーマル部門の一部をなすようにする努力の強化とともに労働者の基本的権利、健康及び安全と全般的な労働条件の漸進的な改善を伴わなければならない。 45. すべてのグループが、さらなる雇用機会の恩恵を受けることができる一方で、特別なニーズ及び人口のパターンと傾向の変化は、適当な政策を必要としている。ジェンダー間の平等、人種/民族グループ、宗教、年齢、健康、障害に基づく平等な機会及び無差別を確保するため、適用できる国際文書を十分尊重しつつ、すべての雇用政策の分野において、公的及び民間部門による特別な努力が必要である。労働市場へのアクセスについて、生産的活動における無差別待遇を確保するために特別な不利に直面しているグループのニーズに対して効果的な支援メカニズムを通ずるものも含めて特別な配慮がなされなければならない。 46. 育児及び高齢者の介護、家族のための食料の生産及び準備、環境の保護、不利で弱い立場にある個人及びグループへの自主的な支援の提供など多くの無報酬の生産的労働は、大きな社会的重要性を有している。世界中において、この労働は女性が行っており、女性はしばしば報酬のある労働と無報酬の労働双方の負担を担っている。無報酬の労働の社会的、経済的重要性及び価値を認識し、自発的な社会活動の慫慂、生産的労働の概念自体の拡大及び融通のきく就労条件を通じて無報酬の労働と組み合わせることにより(報酬のある)労働力へ参加を容易にし、個別に計算される場合でも、主要な国内経済計算と整合性があり、無報酬の労働の価値が反映されるような数値化の方法の開発等、無報酬の労働に社会的認識を与えるための努力が必要である。 47.持続的経済成長と持続可能な成長の促進という全般的なコンテキストの中で、次が緊急に必要である。  ●使用者、労働組合及び市民社会のその他の主体の完全参加のもと、雇用の創出を国内戦略及び政策の中心に置くこと。  ●農村及び都市地域双方において雇用機会を拡大させ生産性を向上させる政策。  ●労働者と企業家が技術と経済状況の変化に対応できるようにする教育及び訓練。  ●関連のILO条約及びその他の国際文書に規定された労働者の基本的権利を十分尊重する質の高い職。  ●政策の策定において、若年者、女性、障害者及びすべてのその他の恵まれないグループ及び個人の構造的、長期の失業及び不完全雇用に特別のプライオリティーを置くこと。  ●女性に対する平等な雇用機会及び賃金レートを確保し、家庭と職業的責任を分担する男女の間の調和のある相互に恩恵のあるパートナーシップを促進するための女性のエンパワメント、すべてのレベルでの決定過程におけるジェンダー間のバランス及び政策策定におけるジェンダーに配慮した視点からの分析。  ●教育と訓練の提供をも通じた不利で弱い立場にあるグループの構成員のエンパワメント。  ●労働と雇用に関するより広い認識と理解。男女双方に対する労働時間の柔軟性。 ◎行動◎ ・A.政策策定において雇用を中心に置くこと 48. 生産的雇用の拡大を持続可能な成長戦略及び経済社会政策の中心に置くことは、次を必要とする。  (a)完全かつ生産的で、適当に報酬のある自由に選択された雇用のための活発な政策の促進及び追求。  (b)失業及び不完全雇用の問題に対処することができる政策に国内及び国際レベルでプライオリティーを置くこと。 49. マクロ経済の安定化の手段の雇用に対するネガティヴな影響を最小化するためには次を必要とする。  (a)マクロ経済政策が相互に強化するものであり、広範な基礎をもつ持続的経済成長と持続可能な開発そして世界における生産的雇用の実質的増大と失業の減少に結びつくように政策の調整を追求すること。  (b)予算の調整が必要な際、実効性がある長期の職業成長を最も直接的に促進するプログラムにプライオリティーを置くこと。  (c)安定化政策の一部としての経済成長と雇用の創出に対する構造的制約を除去すること。  (d)健全な産業関係システムの開発と利用を通じて、資源に対する要求の競合が、インフレを招かない方法で解決されること。  (e)貿易と投資の自由化が経済、特に雇用に及ぼす情報を監視、分析し、配布すること。  (f)異なる雇用促進手段とその影響に関する情報の交換を行うこと。グローバルな雇用傾向の展開を監視すること。  (g)構造調整、安定あるいは改革プログラムが労働力、特に弱者及び職を失った人々に及ぼす悪影響を最小化する適当な社会的安全機構を設置すること。特に継続的な教育と再訓練を通じて彼らの再就職のための条件を創出すること。 50. 雇用の創出を最大化する経済成長のパターンを促進することは次を必要とする。  (a)適当な場合には、地方の資源を利用し、農村と都市地域における共同体資産を創造し、維持し、修復する経済社会インフラに対して労働集約的な投資を慫慂すること。  (b)短期及び長期の雇用の創出を刺激する能力を有する技術革新や産業政策を促進すること、及び不利な立場にあるグループに対する影響を検討すること。  (c)開発途上国に対し、具体的かつ適当な技術を選択する能力を授与すること。  (d)開発途上国に対し、技術及び雇用政策をその他の社会目標と統合するため、そして国内及び地方の技術機関を設置し、強化するために技術支援を行い、技術移転を拡大すること。  (e)市場指向の改革への適応を容易にし、大量失業を削減するために、市場経済移行期にある国々において人員の実地訓練プログラムの実施を慫慂すること。  (f)農村部門において、環境的に健全で、持続的な経済活動及び生産的雇用を拡大し、多様化することを目的に、畜産、林業、漁業及び農加工産業を含む農村の農業及び非農業生産における相互に支援的な改善を促進すること。  (g)職を創出し、個人、家族及びコミュニティーの社会的状況に対処するために政府と市民社会の構成員の間のパートナーシップを構築するコミュニティー経済開発戦略を慫慂すること。  (h)資金の不足している地域において貯蓄を動員し、投資を刺激する健全な政策を導入すること。  (i)自然資源の保存及び管理、脆弱な環境システムにおける代替的生計の促進及び危機的に影響を受けた脆弱な土地及び自然資源の復興と再生を通じて、アジェンダ21に固有の雇用創出能力を最大限にすること。  (j)特に農村地帯における現地の雇用集約的資源に基づいた再生可能なエネルギーの使用を慫慂すること。 51. 追加的な雇用を創出する民間部門の企業の創造及び成長の機会を促進するためには次が必要である。  (a)中小企業が直面している障害を除去するとともに、民間のイニシアティヴを阻害する規制を緩和すること。  (b)中小企業の信用、国内、国際市場、管理訓練及び技術情報へのアクセスを容易にすること。  (c)大企業と小企業の間の下請け契約プログラム等の取り極めを、労働者の権利を十分に尊重しつつ容易にすること。  (d)信用、生産資源及び社会保障の保護へのアクセスにかかわる差別を撤廃すること、及び適当な場合には家庭給付、社会支援を提供し、健康管理及び保育等を増大させることにより女性及び青年企業家の機会及び労働条件を改善すること。  (e)共同組合事業の発展を強化する法的枠組みを促進し、支援し、設置すること。資金を動員し、革新的な貸付プログラムを開発し、企業家精神を促進するようそれらを慫慂すること。  (f)インフォーマル部門及び地方企業が、さらに生産的になるとともに漸進的にフォーマル経済に統合されるために、可能な信用、情報、より広い市場、新しい技術、適当な技術及び管理技能、技術及び管理技能を向上させる機会及び施設その他の物理的インフラを改善することを通じて、インフォーマル部門が雇用を創出する能力を損なうことなく漸進的に労働基準及び社会的保護を拡大することにより、それらを支援すること。  (g)商工会議所及びその他の協議会あるいは小規模のフォーマル及びインフォーマル企業の自助機関等の独立組織の創造及び開発の促進。  (h)産業の訓練及び雇用創出機会の拡大を容易にすること。 ・B.教育、訓練及び労働政策 52. 今日の急速に変化するグローバルな環境において生産的雇用への人々のアクセスを容易にし、より質の高い仕事を創り出すためには次を必要とする。  (a)明確に教育のプライオリティーを定義するとともに、教育・訓練システムに効果的に投資すること。  (b)教育省とその他の省庁(労働省を含む)との間の新しい再活性化されたパートナーシップ、及び政府、NGO、民間部門、地方コミュニティー、宗教グループ及び家族の間のコミュニケーションとパートナーシップを導入すること。  (c)幅広い基礎教育、特に識字を確保すること。学習技能を改善するために不可欠な分析的、批判的思考を含む通常教育を促進すること。これは、専門技能を修得し、横断的、垂直的な職業移動を容易にするためそれらを早急に新しくし、応用し、質を向上させるための基礎である。  (d)さまざまなグループの労働力と社会的実情が考慮に入れられることを確保するために、識字運動、教育・訓練プログラムの企画に若年者と成人の学習者が活発に参加することを促進すること。  (e)教育と訓練プログラムが経済の変化に反応し、訓練機会への完全で平等なアクセスを提供し、女性の訓練プログラムへのアクセスを確保し、公共、民間部門が継続した訓練を提供し、労働者がそれを修得するインセンティヴを提供し、企業家技能を刺激することを確保するために生涯学習を促進すること。  (f)生産性及び生産的雇用を拡大するために、国連システムのプログラムを含む技術支援プログラムを通じてよく企画された適用可能な職業訓練及び研修プログラムを慫慂し、支援すること。  (g)職業市場への新規参入者の雇用に対する訓練プログラム及び解雇され、あるいは人員削減の対象となった労働者の再訓練プログラムを促進するとともに強化すること。  (h)革新的なモデル及び最善の慣行に関する国内的及び国際的情報交換を慫慂することによる調査及び知識普及の能力を強化すること。  (i)職業教育及び継続教育の分野において、職業経験と訓練の間の緊密な調整を有する相互に影響を与える技術及び誘導的方法を含む革新的な指導及び学習法法を開発すること。 53. 変化する経済条件の下で、労働者が適応し、雇用機会を増大させるためには次が必要である。  (a)使用者に対する間接的な労働コストが、労働者雇用に対する妨げとならないようにするために、労働需要を刺激する活発な労働政策を企画し、発展させ、実行し、分析し、監視すること。技能の不足及び超過を明らかにすること。職業ガイダンス、カウンセリング・サービス及び求職における活発な支援を提供すること。職業選択及び流動性を促進すること。企業、特に小企業に対し、労働力のより効果的な利用及び開発のために諮問サービス及び支援を提供すること。あらゆる形態の差別を防止し、不利で弱い立場にあるグループの雇用機会を改善する機関及びプロセスを設置すること。  (b)若年者及び障害者が職を見つけるために必要な技能の開発を支援する方法及び手段を増大し、雇用機会を改善すること。  (c)伝統的に男性が支配的な職業への女性及び女児のアクセスを促進すること。  (d)さまざまな形態の不規則な雇用に従事する人々のニーズに対処する戦略を開発すること。  (e)生産の段階的な中止あるいは企業の閉鎖の際、労働者の再配置を容易にするため、労働移動を促進し、再訓練し、社会保護の十分なレベルを維持すること。その際、不利で弱い立場にあるグループへの特段の注意を払うこと。  (f)十分な育児、高齢者の介護及びその他の支援サービス及び施設を開発することによって女性を労働力に統合あるいは再統合することを容易にすること。  (g)新しい技術の導入に備え、また、できる限り前もって雇用に対する影響を予測するために十分な保護と調整を確保しつつ、使用者と労働者との間の協力を慫慂すること。  (h)変化する職業市場に適応するため労働者を支援し、社会保護メカニズム、職業ガイダンス、求職相談、訓練、配置及び研修を提供し情報を共有するために公的及び民間の雇用サービスを強化すること。  (i)特に雇用、不完全雇用、失業及び所得に関する適当なデータ及び指標の開発及びフォーマルな市場の外部の労働状況をできる限り含む労働市場に関する情報の配布を通じて労働市場情報システムを強化すること。すべてのそのようなデータは、女性の男性に対する地位を監視するためジェンダー別に分析されなければならない。 ・C.労働と雇用の質の向上 54. 政府は、次により労働と雇用の質を向上させなければならない。  (a)約束した人権に関する義務を遵守し、完全に実施すること。  (b)強制労働及び児童労働の禁止、結社の自由、団結及び集団交渉の権利、男女間の同一価値労働同一賃金、雇用における無差別を含む基本的な労働者の権利の尊重を保障し、促進すること。真に持続的経済成長と持続可能な開発を達成するためにILO条約当事国はこれらの条約を完全に履行し、非当事国はこれらの条約の原則を考慮に入れること。  (c)これらの分野のILO条約及び少数者、女性、若年者、障害者及び先住民の雇用にかかわる権利に関するILO条約を批准することを真剣に検討し、完全に履行すること。  (d)国内の労働法制及び政策の策定の際の指針として既存の国際労働基準を使用すること。  (e)ILOの役割、特に雇用のレベル及び労働の質の改善に関する役割を促進すること。  (f)適当な場合には、労働者への企業の利潤の分配を高め、企業の決定における労働者と使用者の協力を促進する手段と方法を検討することを使用者と労働者に対して慫慂すること。 55. 健康で安全な労働環境を達成し、搾取を除去し、児童労働を廃止し、生産性を促進し、生活の質を向上させるため次を要する。  (a)健康と安全に関する条件を含む労働条件の改善を促進するために企画された政策を開発し、実施すること。  (b)関連の条約に従い、環境が健康に与える危険性を除去することを目指して削減し、職業衛生及び安全を提供する健康政策を改善すること。職業上の安全性を高め、健康のリスクを削減する方法に関する入手しうる情報及び指導をインフォーマル部門の企業とすべての労働者に提供すること。  (c)三者間の協力及び結社の自由、団体及び集団交渉の権利に基づいた健全な労働関係を国内法及び規制に従い促進すること。  (d)受け入れられた国際基準に反するあらゆる形態の児童労働を撤廃する特定の目標期限を設定すること。関連する既存の法律の完全な実施を確保し、適当な場合には、児童の権利条・約及びILO基準の履行のために必要な法律を制定すること。適当な健康、教育及びその他の社会サービスの提供を通じて就労児童、特にストリート・チルドレンの保護を確保すること。  (e)児童就労の主要な原因である家庭の貧困を根絶することを支援する労働政策及びプログラムを企画すること。児童就労を廃止し、特に社会サービス及びその他のインセンティヴの提供を通じて、父兄に対し児童を学校に送ることを慫慂すること。  (f)労働者、特に女性をセクシュアル・ハラスメント及び暴力から保護する政策及びプログラムを設定すること。  (g)公共企業及び民間企業に対し、労働環境を改善し、職業上の安全を高め、健康のリスクを除去することを目指して削減する技術及びノウ・ハウを開発、移転、採用することを慫慂すること。 56. 労働市場への女性の完全参加及び女性の雇用機会への平等なアクセスのためには、次を必要とする。  (a)雇用政策の基礎として男女間の平等の原則を設定すること。女性の雇用に対する偏見を撤廃するためにジェンダー間の問題を視点に入れた訓練を促進すること。  (b)例えば、採用、賃金、信用へのアクセス、手当、昇進、研修、キャリア開発、職務の割り当て、労働条件、雇用保険及び社会保障給付において適当な場合には、ポジティヴ・アクションをとることによって、性差別を撤廃すること。  (c)職場及び家庭における労働を容易にし、自己支援を慫慂し、所得を創出し、生産過程におけるジェンダー間の固定された役割を変革し、旧来の低賃金労働から抜け出すことを可能にする技術への女性のアクセスを改善すること。  (d)性別に基づく労働の分離を強化する政策と態度を変化させること。働く親が仕事と家庭的責任とを両立することができるようにするために、妊婦への社会的保護、出産休暇等の制度的支援、家事の分担を容易にし、負担を削減する技術、ひとり親の家庭のニーズに特別な注意を払いつつ、親の自発的パートタイム雇用及びワーク・シェアリングを含む柔軟な労働に関する取り決め、アクセスできる利用可能な質の高い育児施設を提供すること。  (e)育児及び家事の分担等家族及び家庭的責任のすべての分野において男性が積極的な役割を果たすよう慫慂すること。 ・D.特別なニーズを有するグループの雇用機会の拡大 57. 政策及びプログラムの企画の改善のために次が必要である。  (a)特殊なグループの特別なニーズを明らかにし、反映すること。プログラムが、公平、無差別であり、効率的かつ効果的にこれらのグループのニーズに応えることを確保すること。  (b)これらのグループの代表者が計画、企画及び管理に活発に参加すること。これらのプログラムが、期待されている受益者に到達することを確保するために正確な情報及び十分な資源へのアクセスを提供することにより、それらを監視し、評価し、修正しなければならない。 58. 雇用政策は、次により短期及び長期の失業の問題によりよく対処することができる。  (a)失業者ないしその団体の参加のもとに、雇用計画、再教育及び訓練計画、識字、技能向上、カウンセリング及び求職支援、臨時雇用計画、雇用サービス事務所との頻繁なコンタクト及び労働市場への参入及び再参入の準備を含む総合的な一連の手段を導入すること。  (b)長期失業の根本的な原因及び、それが高齢労働者やひとり親を含むさまざまなグループに与える影響を分析すること。特別な状況及びニーズに対処する雇用及びその他の支援政策を企画すること。  (c)失業者が社会に活発に参加する能力を改善し、十分な生活水準を維持し、雇用機会を利用することを可能ならしめるために雇用に対する障害及び妨げを削減する社会保障スキームを促進すること。 59. 不利で弱い立場にあるグループを対象とする労働市場への参入あるいは再参入のためのプログラムは、次により労働市場からの疎外の原因と効果的に闘うことができる。  (a)企業家精神及び社会に対する民間部門のその他の貢献の価値に対してよりよい認識を与えるために、ビジネス管理及び訓練に関する支援及び教育を含むような職業経験によって識字行動、通常教育あるいは職業訓練を補完すること。  (b)技能の水準を向上させること。また、住居、健康及び家庭生活における改善を通じて、職を得る能力を改善すること。 60. 政策は、次によりすべての若年者に対し彼らの将来に対する建設的な選択肢を保障することを探求すべきである。  (a)識字に優先度を置き、女子に対して特別に考慮して、初等、中等レベルの教育への平等なアクセスを提供すること。  (b)開発途上国、特にアフリカにおける非識字に対する闘いを慫慂し、国語の識字訓練を促進すること。  (c)さまざまな主体に対し、若年者の機知を刺激する包括的で調整されたプログラムを企画、実施するため力を合わせるよう慫慂すること。彼らを継続的雇用あるいは自営のため準備させること。彼らに指導、職業、経営訓練、社会的技能、職業経験及び社会的価値に関する教育を提供すること。  (d)将来に関する計画と意思決定に関して、その年齢と責任に相応の若年者の参加を確保すること。 61. 先住民が労働市場に完全に参加し、雇用機会に平等にアクセスするためには、先住民の特別なニーズを考慮に入れる包括的な雇用、教育及び訓練プログラムを開発する必要がある。 62. 障害者の雇用機会の範囲を拡大するためには次を要する。  (a)法律及び規制が障害者を差別しないことを確保すること。  (b)支援サービスの組織化、インセンティヴ・スキームの策定、自助スキーム及び小ビジネスの支援等積極的な手段を講じること。  (c)障害者を受け入れるために、その観点からの革新的な技術の促進を含む職場の適当な調整を行うこと。  (d)障害者のための介護のある雇用等代替的雇用形態を開発すること。  (e)障害者の労働市場への参加についての旧来の消極的態度の与える影響に関する社会における一般の認識を促進すること。 63. 移住労働者及びその家族の状況に対する国際協力及び国内における配慮を強化する必要性がある。そのためには、次を必要とする。  (a)政府は、既存の移住労働者に関する条約、特に移住労働者とその家族の構成員の権利の保護に関する国際条約を批准することを検討するよう慫慂される。  (b)国内法制にしたがって、受け入れ国の政府は、適当な滞在期間の要件を満たす合法的移住者及び合法的に受け入れ国に滞在しているその家族の構成員に対し、宗教活動に関する機会及び待遇の平等、労働条件、社会保障、労働組合への参加、健康、教育、文化及びその他の社会サービス、司法制度への平等なアクセス及び法の前の平等な扱いを含む基本的人権の享受に関して自国民に与えられると同等な取扱いをすることを早急に検討するよう慫慂される。  (c)出身国、中継国及び目的地国の政府は、非合法移住の原因を削減し、非合法移民の基本的人権の保障及び彼らに対する搾取の防止のために早急に協力するよう慫慂される。  (d)受け入れ国と出身国双方の政府は、非合法移住を組織し、非合法移民を搾取し、非合法移民の取引に従事する者を効果的に処罰しなければならない。  (e)出身国の政府は、移住者の帰国と自らのコミュニティーへの再統合を早急に容易にし、彼らの技能を利用する方法を早急に考案するよう慫慂される。出身国の政府は、知識、技能及び技術の移転において重要な役割を果たすことのできる資質のある移住者の自発的帰国を促進するため、目的地国と協力し、適当な国際機関の支援を得ることを検討しなければならない。目的地国は、年金その他の労働報酬の送金等の柔軟な政策を採用することにより自主的帰国を容易にすることを慫慂される。 ・E.労働及び雇用に対するより広い認識と理解 64. 労働及び雇用に対するより広い認識と理解のために次を必要とする。  (a)無報酬労働の社会の福利への重要な貢献を認識すること。そして、そのような仕事及びそれを行う人々の社会的認識に尊重、尊厳及び価値を認めること。  (b)労働と雇用についてのより包括的な知識を、特に無報酬労働、就中、被扶養者の保護、家庭農場あるいはビジネスにおいてなされた無報酬労働の形態、範囲及び分布を測定し、よりよく理解する努力を通じて開発すること。主要国内経済計算から独立している場合も、それと整合性のある計算に反映可能な、無報酬労働の価値を数量的に評価する方法の開発等、この分野における情報、研究及び経験を慫慂、共有するとともに配布すること。  (c)生産的雇用を拡大し、男女の雇用への平等なアクセスを確保し、子供及びその他の被扶養者の保護及び福祉を確保し、貧困と闘い、社会的統合を促進する戦略を開発する際、報酬労働と無報酬労働との間の関係を認識すること。  (d)さまざまな形態の仕事及び雇用に対するより幅広い理解の可能性と制度的必要性に関する開かれた対話を慫慂すること。  (e)人々が、教育・訓練、報酬労働、家庭的責任、ボランティア活動及びその他の社会的に有益な仕事、レジャーそして退職との間の時間の配分に柔軟性を与えることを容易にする方法を、特に女性が維持している家庭における女性の状況に特別な配慮を払いつつ確立するために、社会保障法制を含む政策及びプログラム、税制の範囲を国内のプライオリティー及び政策に従い検討すること。  (f)社会的に有益なボランティア活動を促進すること。そしてそのような仕事を支援するために、雇用の拡大に関する目標を希薄にすることなく適当な支援を割り当てること。  (g)仕事及び雇用に関する認識及び理解の変化のさまざまな側面及び生涯にわたる柔軟な労働時間のアレンジメントの新しい形態に関する経験の国際的交換を強化すること。 65. 追加的な社会的に有用な新しいタイプの雇用及び仕事の開発は、特に次が必要である。  (a)不利で弱い立場にあるグループがよりよく社会に統合され、これにより経済社会開発にさらに効率的に参加することを支援すること。  (b)保護を必要とする高齢者を支援すること。あるいは、教育的援助または社会的支援を必要とする家族を支援すること。  (c)社会開発政策の重要な成果であるこれらの形態の雇用及び仕事を通じて社会的絆を強化すること。 ●第4章 社会的統合 ◎行動の基礎と目標◎ 66. 社会的統合の目的は、権利と責任を有するすべての個人が積極的な役割を果たすことができる「すべての人々のための社会」を創造することである。そのような包含的な社会は、すべての人権及び基本的自由、文化的、宗教的多様性、社会的公正、不利な立場にあるグループの特別なニーズ、民主的参加及び法の支配の尊重に基づくものでなければならない。ほとんどの社会において多元的性格は、時折、異なるグループが調和と協力を達成し、社会のすべての資源への平等なアクセスを有するために問題となることがある。法の支配のコンテキストにおける各個人の権利の完全な承認は、必ずしも完全に保障されていない。国連の創設以来、人道的で、安定した、寛容で公正な社会の追求は、大目に見てもせいぜいさまざまな成果を残したとしか言えない。 67. しかし、進行中の非植民地化の継続、アパルトヘイトの撤廃、民主主義の拡大、人間の尊厳やあらゆる人権及び基本的自由及び文化的多様性の尊重の必要性に対するより広い認識、差別の非受容性、世界の先住民の独特な関心に対するより高い認識、社会のすべての構成員の連帯責任の概念の拡大、経済的及び教育機会の拡大及び通信のグローバリゼーション、社会的流動性、行動の選択及び自治のより大きい可能性に見られるような前進が確認された。 68. これらの前進の例にもかかわらず、社会の多極化及び細分化、国内及び国家内の所得と富の不均衡と不平等の拡大、抑制されない都市開発及び環境の悪化から起因する問題、人々、家族、社会グループ、コミュニティー及びさらに国家全体の疎外、社会的変化の急速なペース、経済変革、移住及び特に武力紛争地帯における大きな人口移動の結果による個人、家族、コミュニティー及び組織への負担等の消極的な展開が見られる。 69. さらに、家庭内暴力を含む、特に女性、児童、高齢者及び障害者に対するさまざまな形態の暴力は、いたるところで個人、家族及びコミュニティーの安全への増大する脅威となっている。社会の完全な分断は、完全にあまりに真に現代的な経験である。組織犯罪、不正薬物、非合法な武器取引、女性及び児童の取引、民族及び宗教紛争、内戦、テロ、すべての形態の過激派暴力、排外主義、政治的動機による殺人、そして大量殺戮はまさに社会及びグローバルな社会秩序に対する基本的な脅威である。これらの脅威が、政府が個別に、また適当な場合には共同して、多様性を認識し、保護し、重んじつつ社会的統合を強化するために、行動する差し迫った緊急の理由である。 70. ゆえに、緊急に次の必要性がある。  ●人々が平等にアクセスすることができ、彼らのニーズに対応する透明で責任のある公共機関。  ●公共の生活のあらゆる分野にすべての者が参加する機会。  ●社会の機能及び福利を定める決定の策定、実施及び評価への市民社会の参加と関与を強化すること。  ●人々が、情報を得た上で判断することを可能ならしめる一般に利用可能な客観的データ。  ●社会的安定の維持及び社会的公正と社会的進歩の促進。  ●無差別、寛容、相互の多様性の尊重及び多様性の価値の促進。  ●公平で平等な機会及び社会的流動性。  ●男女の平等及び公平と女性のエンパワメント  ●社会に完全に参加するにあたり障害に直面する人々のニーズ及び利害に対応する手段を特別に強調しつつ、すべての人々がアクセスすることができる社会を創造することを目指して物理的、社会的バリアを除去すること。  ●最高の到達可能な身体的、精神的健康の水準を享受し、開発の要素としての健康を得る権利への特別な注意を払うこと。  ●人権教育のコンテキストのなかで、互いの福利の保護の原則を促進すること、及び相互支援の精神を強化すること。  ●合法的な各国の防衛ニーズを認めつつ、武力紛争及び過剰な軍事支出、武器、中でも特別に有害な武器または無差別な影響を有する武器の取引、及び武器生産及び購入への過剰な投資の悪影響が社会に与える危険を認識し、対処すること。同様に、違法な武器取引、暴力、犯罪、不正薬物の製造、使用、取引及び女性や児童の売買と闘うことの必要性を認識し、対処すること。  ●すべての形態の暴力の撤廃及び女性に対する暴力の撤廃に関する宣言の完全な履行。 ◎行動◎ ・A.反応する政府と社会への完全参加 71. 政府は、発展の権利を含むすべての人権及び基本的自由を民主主義、開発及び人権の尊重の間の相互依存及び互いに強化し合う関係に留意しつつ、促進しなければならない。そして、公共の機関が次により人々のニーズにさらに反応できるようにしなければならない。  (a)決定が正確なデータに基づき、各国の憲法の枠組みの中で、政府の異なるレベルにおける責任及びサービスを組織し、提供される行政アレンジメントをレヴューしつつ、影響を受ける人々が参加して行われることを確保しなければならない。  (b)各国の憲法の枠組みの中で、国家、県(または州)、市及び地方が歳入を増加させる能力及び可能性のレヴューを継続して行うこと。コミュニティーの結合を維持し、増大するための地方のイニシアティヴを促進するため資源を割り当てること。  (c)行政規制を簡素化し、公共政策問題及び集団の利益のためのイニシアティヴに関する情報の配布を行い、情報への最大限のアクセスを容易にすること。  (d)市民と政府機関との間のルートを開設し、十分な信頼を促進すること。すべての人々、特に苦情の軽減を求めるルートあるいは通信機関へのアクセスを有しない人々が利用することのできる救済手続を開発すること。  (e)グローバルな技術変化が社会的統合に及ぼす影響を評価する関連の研究・調査の作成及び社会的統合のさまざまな構成要素を達成するために実施された政策及びプログラムの評価の作成を慫慂すること。革新的なモデル及び成功例についての情報の国内及び国際的交換及び配布。  (f)すべての役所が、人々に対し公共のサービスを誠実、公正かつ公平に提供することにつき責任をもつことを求めること。  (g)すべての市民にとってサービスが利用可能であるようにすること、及びサービスがすべての必要とする人々に提供されることを確保するため特別に留意すること。  (h)国民の政治参加を強化すること、及び地方、国内レベルにおける政治グループの透明性と責任を促進すること。  (i)すべての人権の完全な享受への障害を撤廃することを目的とする国際人権文書を批准し、できる限り留保に訴えることを回避し、履行することを慫慂すること。 72. 社会への完全参加を慫慂するためには次を必要とする。  (a)すべての人々、特に不利で弱い立場にある人々が、各国の憲法の枠組みの中で、彼らの利益を代表する独立の組織を設立し、維持する能力及び機会を強化すること。  (b)不利で弱い立場にあるグループを代表する機関に特別な注意を払いながら、市民社会の機関が、社会開発に関連する政策の策定、実行及び評価に協議資格で参加することを可能ならしめること。  (c)地方のプロジェクト、特に教育、ヘルス・ケア、資源管理及び社会保護の分野のプロジェクトの企画及び実施にコミュニティー組織をより多く関与させること。  (d)コミュニティー組織及び個人の自発的団体の組織及びそれらからの建設的貢献を慫慂する法的枠組み及び支援構造を確保すること。  (e)政府のみでは社会のすべてのニーズを満たすことができないことを認識しつつ、社会のすべての構成員が彼らの権利を行使し、責任を履行し、社会に十分に参加するよう慫慂すること。  (f)利用可能な経済資源を考慮に入れ、リハビリテーションと社会への積極的な参加を慫慂する普遍的で柔軟な社会的セイフティー・ネットを創設すること。  (g)不利な立場にあり疎外されている人々の教育及び情報へのアクセス、及び彼らの社会的、文化的生活への参加を容易にすること。  (h)スポーツと文化活動を通じて平等と社会的統合を促進すること。 ・B.非差別、寛容及び相互の多様性の尊重及び多様性の価値 73. 国内及び国際レベルにおける、差別の撤廃、寛容及び相互の多様性の尊重及び多様性の価値の促進のためには次を必要とする。  (a)人種主義、人種差別、あらゆるさまざまな形態の宗教的不寛容、排外主義及び社会のすべての生活分野におけるあらゆる形態の差別と闘うために適当な法律及びその他の規制を制定し、履行すること。  (b)人種差別撤廃条約及び女子差別撤廃条約などの国際条約を、できる限り留保を付することなく批准し、履行することを慫慂すること。  (c)女性の地位向上のためのナイロビ将来戦略の履行のコンテキストにおいて、雇用、教育、生産資源及び公共サービスへの従来よりの法的、社会的障害を除去するために特別な手段をとること。女性が自らの権利を認識し実現するために支援すること。特に健康、栄養及び教育に関して、家庭内の女児に対する差別を撤廃することを確保すること。  (d)態度、政策及び実践の変更を通じて、男女の間の平等と公平を確保すること。社会的、経済的及び政治的生活において女性の完全参加とエンパワメントを慫慂すること。あらゆるレベルの意思決定過程においてジェンダー間のバランスを高めること。  (e)差別的慣行を永続化する法制、慣例及び慣習を変更することを目的にレヴューすること。  (f)社会のすべてのグループに人々の権利及び苦情を除去するために利用可能な手段に関する情報を平易な言語で配布すること。  (g)差別的慣行にかかわる紛争及び摩擦を監視し、解決する機関を強化するか、あるいは設置すること。地方及び国内レベルにおいて、仲裁、和解手続きを開発すること。  (h)国家機関及び教育システムを通じて、表現の自由、民主主義、政治的多元主義、伝統、文化及び価値観の多様性、宗教的寛容及び原則、建国の基礎としての国内的伝統を促進し、保護するための模範を示すこと。  (i)世界で話され、使用される言語が尊重され、保護されるべきであることを認めること。  (j)すべての人々が協力し、調和して生活することが最も重要であることを認めること。国家の伝統及び文化的伝承が十分に保護されることを確保すること。  (k)情報及び表現の自由を十分に尊重しつつ、社会的統合のすべての側面についての理解及び認識を促進する独立の通信メディアを慫慂すること。 ・C.平等と社会的公正 74. 政府は、公平と社会的公正を次によって促進しなければならない。  (a)すべての人々が、法の下に平等であることを確保すること。  (b)健康・教育政策、社会的観点及びジェンダー間の平等と公平の観点からの公共支出、機会を平等にする男女の積極的貢献の促進を含む公共政策の定期的レヴューを行うこと。  (c)普遍的に普及させるために基礎的サービスへのアクセスを拡大し、改善すること。  (d)公共部門の雇用について平等な機会を提供し、指導と情報を提供すること。そして適当な場合には民間の雇用者に対して同様にするようインセンティヴを与えること。  (e)扶養し、教育し、社会化するとともに養育するという家族の役割を支援する政策に特別な注意を払いつつ、社会的統合を強化する傾向にある共同組合、コミュニティー及びその他の草の根組織、相互支援グループ、娯楽・スポーツ団体及びその他の類似の機関の自由な編成を慫慂すること。  (f)構造調整計画が、不利で弱い立場にあるグループ及びコミュニティーの経済的、社会的活動において疎外を防止することにより、それらへの前向きな影響を及ぼすことを確保しつつ、悪影響を最小化するように企画されることを確保すること。そしてそのようなグループとコミュニティーが、経済資源及び経済、社会活動へのアクセス及びコントロールを得ることを確保する手段を策定すること。不平等と経済的不均衡を削減するために行動をとらなければならない。  (g)特に不利で弱い立場にあるグループ、就中女性と児童の生活の質を向上させるため予防及び治療保健への十分なアクセスを促進すること。  (h)過疎、遠隔地域に居住する児童及び若年者、親が遊牧、放牧に従事するか先住民である児童及び若年者、ストリート・チルドレン、働き、あるいは幼い兄弟または障害があるかあるいは高齢の親の世話をしている児童、障害のある児童あるいは若年者が就学できるようにするための特別の手段を開発することにより基礎教育を拡大すること。先住民とのパートナーシップに基づき彼らに特有のニーズに応えることができる教育システムを設定すること。  (i)基礎教育の拡大が、質の改善、異なる能力の児童に対する適当な配慮、家庭と学校との間の協力、学校のカリキュラムと職場のニーズとの間の密接な関連を伴うことを確保すること。  (j)到達した成果に基づき、定期的に学校システムを評価すること。さまざまな評価の方法の適切さに関する調査結果を配布すること。  (k)すべての人々が、人生を通じて社会に貢献し、社会への完全参加から恩恵を受けることができるようにするためさまざまな学校、学校外の学習活動へアクセスできることを確保すること。学齢期に必要な学習の機会を得られなかった人々、勉学から職業に移行する過程にある若年者、生涯にわたり訓練を続け技能を高めることを希望する人々に教育機会を与えるために公共の機関、市民社会及び民間部門の機関を通じて、テレビ講座、通信講座等の新しい、実験的教育方法を含むあらゆる形態の教育方法を使用すること。  (l)女子に対し、非伝統的な職業訓練を含むあらゆるレベルの教育への平等なアクセスを提供すること。女性教師の雇用、柔軟な時間帯の採用、被扶養者及び兄弟の世話、その他の便宜等の手段の提供を通じて、彼女たちの教育へのアクセスを阻害しているさまざまな文化的、日常的な障害に対処するための手段を確保すること。 ・D.社会の特別なニーズへの対応 75. 社会の特別な集団のニーズへの政府の対応には次を含まなければならない。  (a)機関及びサービスが、不利で弱い立場にあるグループの特別なニーズに適応するように慫慂する特別の手段を明らかにすること。  (b)不利で弱い立場にあるグループの能力、素質及び経験を認め、促進すること。放任及び疎外を防ぐ方法を明らかにし、それらの社会への積極的貢献を可能にすること。  (c)言語の壁により悪影響を受けている人々に教育、言語訓練及び技術支援等の手段を通じて仕事及び社会サービスへのアクセスを確保すること。  (d)不利で弱い立場にあるグループの組織が、関係するグループの利益を促進し、社会全体を指導する地方及び国内の経済的、社会的、政治的意思決定に関与するよう、適当な場合には法制、インセンティヴその他の手段によって支援すること。  (e)不利あるいは弱い立場にある人々が、立法、政府、司法及びその他の公の機関あるいは関連の機関に職を求める機会を改善すること。  (f)復員兵及び内乱及び災害により避難している人々を経済的、社会的生活に統合する手段をとること。  (g)先住民の権利を促進し、保護すること。彼らがその文化的価値、言語、伝統及び社会組織の形態を十分に尊重しつつ、国内の経済的、社会的生活に参加する一方で彼らの文化的同一性を維持することを可能ならしめるために選択することができるよう彼らをエンパワーすること。  (h)1990年の世界子供サミットで採択された行動計画を履行すること。適当な場合には、児童の権利に関する条約を批准し、その条項を履行すること。  (i)青年が、彼らに影響を与える議論及び決定、及び政策及びプログラムの企画、実施及び評価に参加するよう慫慂すること。青年が社会の生活のすべての側面に参加し、関連の革新的な教育プログラムの提供を通じて、自足的生活を送る技能を習得することを確保すること。青年を身体的、精神的虐待及び経済的搾取から保護する法律及び手段を策定すること。  (j)若年者、特に就学していない若年者及びストリート・チルドレンが責任ある成人になれるよう特別な手段を講じること。  (k)障害者の機会均等化に関する国連標準規則を推進し、規則の実施のために戦略を開発すること。政府は、障害者団体及び民間部門と協力して、障害者が社会に貢献し、それへの完全参加によって恩恵を受けることができるために機会の均等化に向けて働かなければならない。障害者に関する施策は、障害よりもむしろ彼らの能力に焦点を当てるべきであり、彼らの市民としての尊厳を確保しなければならない。  (l)高齢者が社会への貢献を最大化し、彼らのコミュニティーで十分な役割が果たせるよう、高齢化に関する国連原則及び西暦2001年に向けての世界目標のコンテキストの中で、高齢者に関するウィーン国際行動計画を履行する戦略を再吟味あるいは開発すること。  (m)青年の社会への統合を促進することを目的に、青年の分野におけるさらなる計画及び適当なフォローアップのためのガイドラインの実施を容易にすること。  (n)少数者が、彼らの社会の開発に十分に参加し、貢献できるよう手段を講じること。 ・E.難民、避難民、庇護請求者、合法的移住者及び 非合法的移住者の特別な社会的ニーズへの対応 76. 難民、避難民及び庇護請求者の特別なニーズに対処するために次が必要である。  (a)政府は、特に紛争の解決、平和と和解の促進、少数者に関するものを含む人権の尊重、国家の独立、領土保全及び主権の尊重に関して適当な措置をとることによって難民及び避難民の移動の根本的な原因に早急に対処することが求められる。政府及びその他のすべての機関は、人々が自らの家に安全に留まる権利を尊重するとともに保護し、人々を逃亡に追い込む政策あるいはあるいは慣行を差し控えなければならない。  (b)政府は、難民、及び適当な場合には避難民に対する国際的保護に対する支援及び援助活動を強化し、彼らの苦難への永続的な解決の探求を促進することが早急に求められる。その際、政府は難民の保護及び支援に対するニーズに対する適当な責任の分担を促進する地域的、国際的メカニズムを強化するよう慫慂される。難民、就中女性及び子供の難民の特に搾取、虐待及びあらゆる形態の暴力に対する身体的保護を確保するためにすべての必要な手段を講じなければならない。  (c)難民の基礎的ニーズを満たし、永続的な解決の探求を支援するために避難国に対し、十分な国際支援が行われなければならない。難民は、自給を達成するために支援されなければならない。難民、特に難民女性は、難民支援活動の計画及びその実施に関与しなければならない。難民支援活動を計画し、実施するにあたって、女性及び子供の難民及び避難民の特別なニーズに特に留意しなければならない。難民は、十分な収容施設、教育、家族計画を含む健康サービス及びその他の必要な社会サービスへのアクセスを提供されなければならない。難民は、避難国の法律及び規制を尊重しなければならない。  (d)政府とその他の関連の主体は、難民が安全に尊厳をもって自発的に帰国し、国内避難民が自発的かつ安全に出身地に帰還し、社会にスムーズに再統合されるために包括的な条件を創造しなければならない。  (e)政府は、難民に関する国際法を遵守することを求められる。未加入の国は、難民に関する国際文書、特に難民の地位に関する1951年条約及び右条約1967年議定書に加入することを検討するよう慫慂される。政府は、さらに、人種、宗教、国籍、特定の社会グループへの所属あるいは政治的意見により生命または自由が脅かされている所へ強制的に帰還させないという原則であるノン・ルフールマンの原則を尊重するよう求められる。政府は、政府の領域内の庇護請求者が公平な審理へのアクセスを有することを確保し、庇護請求の迅速なプロセスを、難民の地位の決定のためのガイドライン及び手続きが女性の特別な状況に特に配慮したものであることを確保しつつ、促進しなければならない。  (f)政府及び関連の主体は、人々が他国において迫害からの庇護を求め、享受する権利を尊重しなければならない。 77. 合法的な移住者、特に合法的な移住労働者及びその家族の構成員の公平な待遇及び統合を促進するためには、次が必要である。  (a)政府は、合法的な移住者が人権の十分な尊重、受け入れ国の社会の法律の保護、経済的機会と社会サービスへの適当なアクセス等の公平で平等な処遇を受けること、人種主義、自民族中心主義及び排外主義からの保護を受けること、暴力及び搾取からの保護を受けることを確保すること。言語の習得が合法的移住者の効率的な統合において中心的役割をもつことを認識しつつ、資源の許す限り労働する予定でない移住者をも含めて言語訓練が提供されなければならない。早期の統合は、合法的移住者が、彼らの技能、知識及び能力をもって目的地国の開発に貢献するための手段であり、合法的移住者と受け入れ国の社会との間の相互理解が必要である。前者は、受け入れ国の社会の価値、法律、伝統及び原則を知るとともに尊重し、後者は合法的移住者の宗教、文化及び伝統を尊重する必要がある。  (b)受け入れ国の政府は、長期滞在資格を有する合法的移住者に対し、適当な場合には、市民的及び政治的権利及び責任を与え、彼らの帰化を容易にすることを早急に検討するよう求められる。長期移住者の子弟に自国民と同様の教育、訓練の機会を与え、彼らが経済活動を行うことを認め、受け入れ国で成長した者の帰化を容易にすることによって、彼らの統合を促進するために特別な努力を行わなければならない。児童の権利に関する条約第10条及びすべての関連する普遍的に承認された人権文書に従い、すべての政府、特に受け入れ国の政府は、家族の再統合の大きな重要性を認識し、合法的移住者の家族の一体性の保護を確保するためにその国内法制への統合を促進しなければならない。受け入れ国の政府は、宗教的不寛容、人種主義、自民族中心主義、排外主義及び男女差別と闘い、この点に関して必要な一般の感受性を創出するプログラム及び戦略にプライオリティーを置きつつ、移住労働者及びその家族の保護を確保しなければならない。  (c)政府及び関連の主体は、外国の教育及び認定書を一層(幅広く)承認することを通じて、合法的移住者の生産的雇用を促進するため教育・訓練機関に関する情報の国際的交換を慫慂しなければならない。  (d)政府は、適当な場合には、学校における代替的紛争解決及び紛争予防訓練を含む教育プログラムを通じて、人種間の調和及び文化間の理解を慫慂しなければならない。 78. 非合法な移住者に関連する問題及び基本的人的ニーズに対応するため次を必要とする。  (a)政府は、非合法移住の原因を削減し、非合法移住者の基本的人権を保護し、彼らに対する搾取を防止し、国内法制に従いアピールの適当な方法を提供し、人間の取引を組織する犯罪人を処罰するために協力するよう求められる。  (b)目的国、中継国及び出身国は、適当な場合には、移住の流れを管理し、非合法な移住を防止し、適当であれば移住者の帰還及び出身地のコミュニティーの再統合を容易にするために協力しなければならない。  (c)政府は、非合法移住の受け入れ国に与える影響を削減するために、そのような国々、特に途上国の特別な状況に留意しつつ協力するよう求められる。  (d)政府は、すべての非合法な移住者及びその家族を人種主義、自民族中心主義及び排外主義から保護する効果的な手段を促進するよう求められる。 ・F.暴力、犯罪、不正薬物及び薬物濫用の問題 79. 暴力、犯罪、薬物濫用及び、不正薬物の生産、使用及び取引、及び中毒者のリハビリに対処するため、次の対策を求める。  (a)社会におけるあらゆる形態の暴力を防止するため、女性、児童、高齢者及び障害者に特別な配慮を払いつつ特に家庭内暴力を防止、撤廃し、暴力の被害者を保護するために具体的な政策、公衆の健康及び社会サービス・プログラムを導入し、実施しなければならない。特に、女性に対する暴力の撤廃に関する宣言は、国内的に履行され、施行されなければならない。さらに、児童の権利に関する条約の条項は、尊重されなければならない。  (b)女性に対するあらゆる形態の搾取、濫用、ハラスメント及び暴力、特に家庭内暴力、及びレイプを撤廃するため十分な手段がとられなければならない。有害な伝統的あるいは因習的慣例及びあらゆる形態の過激主義から起因する暴力に予防的行動と被害者のリハビリ双方を含む特別な注意が払われなければならない。  (c)児童及び若年者のエネルギーと創造性を彼ら自身とコミュニティーを改善する方向に向けるプログラムを、彼らが犯罪、暴力、薬物濫用及び取引への参加を防止するために実施すること。  (d)紛争グループ間の和解と信用の構築に向けての努力、あらゆるレベルにおける教育における暴力によらない紛争解決の訓練、破壊された社会組織の再建、及び法の支配とあらゆる人権の尊重の再確立を含む、紛争の平和的解決と紛争後の社会の再統合のためのメカニズムを改善すること。  (e)犯罪者、特に若年犯罪者へのリハビリ及び社会への再統合を十分に行うためNGO及びコミュニティー組織とのパートナーシップを確立すること。そのための方法は、拘留中の家族とのつながりを維持する努力、及び釈放後の生産的雇用及び社会生活への再統合に向けての努力を含むであろう。  (f)国内及び国際的な組織犯罪及び暴力の使用とテロと闘う戦略、政策、立法及びその他の手段を策定する国際協力と調整の強化。  (g)実行可能な薬物生産に替わる経済的代替案を創造し、そのような活動に関与する社会グループの完全統合を促進する開発プログラムに対する国内的、国際的支援に特別に留意しつつ、非合法な薬物貿易に使用される作物の生産及び加工を防止あるいは実質的に削減するための効果的かつ環境的に健全な国内戦略を採用すること。  (h)不正薬物のない社会を創造するために薬物の消費に対する需要を防止あるいは削減する総合的な多分野プログラムを強化しつつ、国内的及び国際的に調整された手段を通じて、薬物濫用、薬物取引、汚職及び関連犯罪と闘うこと。市民社会の機関及び民間部門と協力して、薬物の濫用の予防は促進されなければならず、また、児童、若年者に対する予防教育並びに以前薬物、アルコール中毒であった人々、特に児童及び若年者に対するリハビリ、教育プログラムを、彼らが生産的雇用を確保し、薬物及び犯罪のない生産的生活をおくるために自立、尊厳及び責任を達成することができるよう促進しなければならない。  (i)麻薬取引及びマネー・ロンダリング・ネットワークを確認し、その首領を訴追し、そのような犯罪活動より起因する資産を押収するため、国内的、国際的に作業すること。  (j)総合的薬物禁止戦略を支援すること及び、薬物取引及びテログループへの流出を防止するため、前駆化学物質、火器、弾薬及び爆発物をコントロールする努力を強化すること。  (k)国内的及び国際的に調整された方法を通じて、女性及び児童の取引と闘うこと、及び同時に女性及び児童の取引の被害者のリハビリのための機関を設置あるいは強化すること。 ・G.社会的統合と家族の責任 80. 家族は社会の基礎的単位であり、そのようなものとして強化されなければならない。それは、総合的保護と支援を受ける権利を有する。異なる文化的、政治的及び社会的システムにおいて、さまざまな形態の家族が存在する。結婚は、意図する両者の自由な合意により成立するものでなければならず、夫と妻は平等なパートナーでなければならない。 81. (構成員を)支援し、教育し、養育するという役割を通じ、社会的統合に貢献する家族への援助は、次を含まなければならない。  (a)家族とその個々の構成員、特に最も不利な立場にある構成員のニーズに対応するため企画された社会的、経済的政策を児童の養育に特別な注意を払いつつ慫慂すること。  (b)家族の構成員が自らの社会的責任を理解し対応する機会を確保すること。  (c)家庭内及び社会内の相互の尊重、寛容及び協力を促進すること。  (d)家庭における男女の平等なパートナーシップを促進すること。 ●第5章 実施とフォローアップ 82. 人々及び彼らの幸福へ投資するとの国内及び国際レベルの新たで大きな政治的意思によってのみ社会開発の目標を達成することができるであろう。社会開発とサミットの行動計画の実施は、第一義的に政府の責任であるが、国際協力と援助はその完全な実施のため不可欠である。実施に際し、すべてのレベルにおいて次が決定的に重要である。  ●あらゆる人権及び基本的自由の促進及び保護、民主的機関の支援及び女性のエンパワメント。  ●ある特定の問題に対応するために個別に開発された目標、プログラム及びレヴュー・メカニズムの統合。  ●国家、地方機関、NGO特にボランタリー組織、アジェンダ21に規定されたその他の主要なグループ、メディア、家族及び個人を含むパートナーシップ。  ●世界の多様性及びサミットの目標の達成に向けられた手段をとる必要性を認めること。  ●支援される人々を、目標設定、プログラムの企画、活動の実施及び成果の評価において完全に参加できるように能力開発をすること。  ●十分で予測可能な新規で追加的資金の動員に向けての努力。そのような資金がその利用可能性を最大限にする方法で動員されること。あらゆる利用可能な資金提供及びメカニズム、就中、譲許的及び贈与的条件を含む多国間、二国間及び民間資源を利用すること。  ●連帯、パートナーシップの概念の拡大及び個人、コミュニティー及び国家間の相互の尊重及び関心の道徳的責務。 ◎行動◎ ・A.国内戦略、評価及びレヴュー 83. 国内の実情に従い、国内レベルにおける行動計画の履行への統合されたアプローチの促進のために次が必要である。  (a)マクロ経済、ミクロ経済、部門別政策及びそれらが貧困、雇用、社会的統合及び社会開発に及ぼす影響を分析し、レヴューすること。  (b)国内及び国際的主体のすべての努力の調整の強化によって、社会開発を促進する政府の政策及びプログラムを増強すること。公の管理組織の効率及び運営能力を強化すること。アジェンダ21の勧告及びフォローアップを適当に考慮に入れつつ、資源の効果的かつ透明な利用を容易にすること。  (c)貧困の撲滅、生産的雇用の拡大及び社会的統合の促進を目指した手段をとることにより、貧困、失業、社会的緊張及び社会的疎外の範囲、分布及び特徴を評価すること。  (d)政府の行動、他の政府、国際、地域及び亜地域機関と協力してとられる国家の行動、市民社会の主体、民間部門及び共同組合とのパートナーシップ及び協力によってとられる行動を含むサミットの成果を履行するための総合的な部門横断的な戦略及び社会開発のための国内戦略を、各主体の具体的な責任を明らかにし、合意されたプライオリティー及び時間的枠組みを付して、1996年までに策定あるいは強化すること。  (e)社会開発の目標を、伝統的な部門間の境界を越え、透明性と責任をもち、直接影響を受けるグループが参加して策定され、実施される国内開発計画、政策及び予算に統合すること。  (f)各国のコンテキストの中で、全般的な貧困を削減し、絶対的貧困を根絶し、雇用を拡大し、失業を削減し、社会的統合を促進する期限付きの目標及びターゲットを定めること。  (g)省庁間の調整、部門間の協力、資源の配分の調整及び国家の首都から地方都市への垂直的統合のための組織的能力開発の促進及び強化。  (h)貧困、雇用、社会的統合その他の社会的要因を評価し、社会政策及びプログラムの影響をモニターし、政策及びプログラムの効果を改善する方法を見出し、新しいプログラムを導入するために社会開発の量的及び質的指標を、可能な場合にはジェンダー別に開発すること。  (i)市民社会の政策策定への参加のためのアレンジメント及び国際機関との協力を含む実施及び監視メカニズムを強化すること。  (j)すべての国は、成功、問題及び障害を明らかにして、あるいは定期的な国内報告書の形態にて、サミットの成果の履行に向けての進歩を定期的に評価しなければならない。そのような報告書は、経済、社会及び環境分野におけるさまざまな報告手続きを考慮して、統合された適当な報告システムの枠組みの中で検討されることができよう。 84. 社会開発のための国内戦略の策定の国際的支援においては、二国間及び多国間機関による次の行動が必要である。  (a)社会開発の総合的戦略を策定、調整、実施、及び監視するための能力を強化あるいは再構築する能力を強化するため国々を支援すること。  (b)他の国際的行動計画のもとでなされる類似の企画プロセスに対してさまざまな機関が提供する支援を調整すること。  (c)レヴュー及び政策分析を容易にし、各国に対しその要請に応じて専門知識、助言及び支援を提供するために、社会開発の統計及び指標の収集及び配布のための改善された概念及びプログラムを開発すること。 ・B.市民社会の関与 85. サミットの宣言及び行動計画の効果的な履行のためには、教育、健康、貧困、社会的統合、人権、生活の質の向上、救援及びリハビリの分野において、政策策定及び実施に建設的に参加できるようにするため地域組織及び非営利NGOの強化を必要とする。このために次を必要とする。  (a)特に不利で弱い立場にある人々の間のそのような組織の創設及び発展を慫慂し、支援すること。  (b)そのような組織が社会開発戦略及びプログラムの企画、実施及び評価に関与する法的及び規制的枠組み、制度的取り決め及び諮問的メカニズムを設置すること。  (c)直接参加による計画、プログラムの企画、実施及び評価、経済的、財政的分析、信用管理、調査、情報及び権利擁護等の非常に重要な分野において、そのような組織に対して能力開発プログラムを支援すること。  (d)小規模無償プログラム等の手法及びコミュニティー・レベルでとられ、管理されるイニシアティヴへの技術的及びその他の行政的支援を通じて資源を提供すること。  (e)そのような組織間の専門知識及び経験のネットワーク及び交換を強化すること。 86. 民間セクターを含む市民社会の社会開発への貢献を次により促進することができる。  (a)社会開発における政府と市民社会の間のパートナーシップ及び協力を容易にする計画及び政策策定手続きを開発すること。  (b)民間企業に対し、特に雇用機会の創出、職場における社会支援サービス、生産的資源へのアクセス及びインフラの建設に関して社会開発に貢献する非商業活動を含む投資及びその他の政策を追求するよう慫慂すること。  (c)労働組合が、特に公平な条件下での雇用機会の創出、訓練、ヘルス・ケア及びその他の基礎的サービス及び持続的経済成長及び持続的開発を容易にする経済環境の開発に関する社会開発プログラムの計画及び実施に参加することを可能ならしめるとともに慫慂すること。  (d)持続可能な農業・農村開発計画及びプログラムの策定及び実施に農家の代表者組織及び共同組合が参加できるようにし、また、彼らの参加を慫慂すること。  (e)貧しい人々あるいは弱い立場にあるグループに属する人々の間等において、共同組合の発展を慫慂するとともに促進すること。  (f)特に開発途上国における学術・調査機関が、社会開発プログラムに貢献することを支援すること。特に、経済、社会開発に関する情報及び考え方を収集、分析、配布することを通じて、社会的進歩の独立、公平、普遍かつ客観的モニターのメカニズムを促進すること。  (g)教育機関、メディア及び公共の情報及び意見のその他の情報源に対して、社会開発への挑戦に特別な取扱いを与え、コミュニティー全体における社会政策に関する広い情報を得られた上での議論を容易にするよう慫慂すること。 ・C.財政資源の動員 87. サミットの宣言及び行動計画の国内レベルにおける履行は、公的及び民間部門双方の実質的な新規で追加的資金を必要とするであろう。社会開発のための公的資金の利用可能性を高めるためには国内レベルで次を必要とする。  (a)持続的開発の関心事を認識した累進的、公平かつ経済的に効率的な税金及び貧しい人々に恩恵を与えない補助金の削減を通じて、より大きな国内貯蓄及び投資を慫慂することを目指したマクロ経済政策及びミクロ経済政策を各国のプライオリティー及び政策に従い実施すること。  (b)社会、経済開発への資源を増大するために、適当な場合には、過度な軍事支出及び武器生産及び購入を国家の安全保障に従いつつ削減すること。  (c)公共支出の配分において社会開発に高いプライオリティーを置くこと、及び国連のプログラムへの予測可能な資金を確保すること。  (d)社会開発のための資金が、関連のプログラムの策定及び実行に対して責任を有する行政のあらゆるレベルにおいて利用可能であることを確保すること。  (e)公共資源の効率的かつ透明な利用を増大すること。浪費を削減するとともに汚職と闘うこと。最も大きな社会的ニーズの分野に集中すること。  (f)社会プログラムのための公的及び民間の革新的な資金源を開発すること。市民社会による、受益者の寄与及び個人の自発的寄付を含む社会開発に対する資金の動員のための支援的環境を創造すること。 88. 開発途上国、特にアフリカ及び後発開発途上国における宣言及び行動計画の実行は、追加的財政資源及びより効果的な開発協力と支援を必要とするであろう。このためには次を要する。  (a)開発途上国、特にアフリカ及び後発開発途上国においてサミットのコミットメントが有する社会開発プログラムの財政的意味合いを明らかにすること。  (b)政府開発援助(ODA)の対国内総生産(GNP)比0.7%の合意目標をなるべく早く達成するために努力し、社会開発プログラムに振り向けられる割合を増やし、本宣言及び行動計画の目的と目標達成に要する行動の範囲と規模にみあったものとする。  (c)関心のある先進国と開発途上国のパートナーの間で、平均してODAの20%及び国内予算の20%をそれぞれ基礎的社会プログラムに割り当てるとの相互のコミットメントに合意すること。  (d)開発途上国、特にアフリカの開発途上国、アジア・太平洋、ラテン・アメリカ、カリブの低所得国及び後発開発途上国の貧困の撲滅にODAの高いプライオリティーを置くこと。  (e)リハビリテーション及び社会インフラの開発等、社会分野の活動に対する贈与あるいはソフト・ローンの形態を含む支援を提供すること。  (f)小島嶼開発途上国の特別なニーズ及び脆弱性に対する国際社会のコミットメントをバルバドス宣言に従い、また小島嶼開発途上国の持続可能な開発のための行動計画の関連条項に基づき、特に社会開発プログラムに対する十分で、予測可能な、新規で追加的資源を含む効果的手段を提供することによって実施すること。  (g)内陸開発途上国がサミットの結果を履行するために行う努力に対して、これらの国に特有な挑戦及び問題を考慮に入れつつ国際的な支援及び援助を行うこと。  (h)適格な国内の専門家、あるいは必要な場合には、亜地域、地域あるいは他の開発途上国からの適格な専門家をプロジェクト及びプログラムの計画、準備及び実行において活用すること、及び現地の専門知識の存在しない所においては、可能な場合にはそれを開発することを優先すること。  (i)開発途上国と先進国の間のパートナーシップ及び開発途上国間の協力の増大に基づき支援を強化し、南南協力を拡大する方法と手段を探求すること。  (j)総コストを最小限に維持し、プロジェクト及びプログラムの効率を最大にすること。  (k)国内貯蓄を促進及び動員し、生産的投資に対し海外の資源を誘引する経済政策を開発すること。社会開発プログラムに対する公的及び民間双方の革新的な資金源をそれらの効果的な利用を確保しつつ探求すること。  (l)貿易の自由化が、開発途上国における基礎的生活分野を満たすことについての進歩に与えた影響を、開発途上国の国際市場へのアクセスを拡大するための新しいイニシアティヴに特別な注意を払いながら監視すること。  (m)社会プログラム及びインフラの分野を含む共同事業を促進するため直接協力を慫慂すること。  (n)被援助国に対し、社会開発における国際協力のための国内調整メカニズムを強化するとともに、援助国が国内行動計画に対しさらに資源を与えるコミットメントをし得るように国際援助の効果的利用を確保するよう慫慂すること。  (o)開発途上国の社会開発プログラムの目標を達成することについてその援助の影響、補完性及びコスト効果性を改善するために、マルチ及びバイのドナーに対し、融資政策と計画手続きを調整することを目指して、協議するよう招請すること。 89. 市場経済移行期にある国々におけるサミットのコペンハーゲン宣言及び行動計画の履行のために、継続的な国際協力と援助が必要である。  (a)サミットの社会開発プログラムについてのコミットメントが、市場経済移行期にある国々において有する財政的インプリケーションを評価すること。  (b)持続的経済成長及び持続可能な開発を確保するために、マクロ経済安定プログラムの実施に対する技術・経済援助を増大すること。  (c)人的資源の開発の分野における変革を支援し、慫慂すること。  (d)市場経済移行期にある国々の社会開発プログラムの目標を達成することについてその援助の影響を改善するために、マルチ及びバイのドナーに対し、融資政策と計画手続きを調整することを目指して協議するよう招請すること。 90. 開発途上国が宣言及び行動計画を履行することを可能ならしめるためには実質的な債務削減が必要である。特に1994年7月ナポリで開催された主要先進7ヶ国首脳会議及び1994年10月に開催された世界銀行・IMF総会の議論を踏まえ、次によりさらなる進展がもたらされるであろう。  (a)国際金融機関を含む国際社会に対し、開発途上国、特に低所得重債務国の債務負担を実質的に緩和する追加的で革新的な方法を、それらの国々が新たな債務危機に陥ることなく持続的経済成長及び持続可能な開発を達成することを容易にするために引き続き探求するよう招請すること。  (b)後発開発途上国、特にアフリカ諸国の二国間債務を実質的に削減する手段をできるだけ早く探求すること。その他の開発途上国の非常に負担の大きい債務及び債務返済負担の管理と軽減へのその他の革新的アプローチをできるだけ早く探求すること。  (c)マルチ債務が、債務全体の重要な部分を占めている開発途上国に対し、この増大する問題に永続的な解決方法を探求するために特別な考慮を与えること。  (d)債務削減及び/または、免除のようなより永続的な解決方法に影響を与えることなく、債務の免除または削減によって利用可能になった資源を社会開発プログラムに投資する社会開発債務スワップを検討することを慫慂すること。  (e)適格な開発途上国が、商業債務を削減することを支援するために国際開発協会(IDA)債務削減ファシリティーの資源を動員すること。また、ファシリティーを補足するための代替メカニズムについて検討すること。  (f)債権国、商業銀行及び国際金融機関に対し、それらの権限内で次を検討するよう招請すること。後発開発途上国及び低所得国及び中所得国の商業債務問題に取り組むイニシアティヴ及び努力を継続すること、大きな犠牲を払いつつ債務返済及び国際的義務を引き続き果たしている、大きな債務負担を有する低所得国への適当な新規の金融支援の提供を検討すること、開発途上国、特に低所得重債務国の債務負担を実質的に軽減する追加的で革新的な方法をそれらの国々が新たな債務危機に陥ることなく、持続的経済成長及び持続可能な開発を達成することを容易にするために引き続き探求すること。 91. 構造調整計画が社会開発目標、特に貧困の撲滅、生産的雇用の創出及び社会的統合の強化を含むことを確保するために、政府は国際金融機関及びその他の国際機関と協力して、次を行わなければならない。  (a)基礎的社会プログラム及び支出、特に社会の貧しく弱い立場にある層に関係するものを予算削減から防ぐこと。  (b)ジェンダーの視点に配慮した、社会に対する影響評価の方法及びその他の関連する方法により構造調整計画の社会開発に与える影響をレヴューすること。ネガティヴな影響を削減し、ポジティヴな影響を改善する政策を開発すること。  (c)小企業、共同組合及びその他の形態の零細企業が、所得及び雇用の創出の能力を開発することができるような政策をさらに促進すること。 92. 国際金融機関は、宣言及び行動計画の履行のために資源を動員することに貢献しなければ ならない。このため、関連の機関は早急に次の手段をとることを求められる。  (a)世界銀行、国際通貨基金、地域及び亜地域開発銀行及び基金並びにその他のあらゆる国際金融機関は、適用できる場合には、貸付プログラムにおける社会分野への貸付により高いプライオリティーを与えることを含めて、社会開発目標をそれらの政策、プログラム及び業務にさらに統合しなければならない。  (b)ブレトンウッズ機関及び国連システムのその他の機関及び組織は、政策対話を改善するとともに、構造調整計画が貧しく弱い立場にあるグループへの影響に特別な注意を払いつつ持続的経済成長及び社会開発を確保するための新たなイニシアティヴを開発するために関係国と協力しなければならない。  (c)国連は、世界銀行、国際通貨基金及びその他の国際開発機関と協力して、構造調整計画が経済、社会開発に与える影響を研究し、調整国が、経済成長、職業の創出、貧困の撲滅及び社会開発のための条件をつくり出すことを支援しなければならない。 93. 既存のチャンネルの資金のフローの増大に加えて、関連する国連機関、特に経済社会理事 会は、財源を創出する新しく、革新的なアイデアを検討し、この目的のための有益な提案を するよう要請されなければならない。 ・D.国連システムの役割 94. 国際協力の枠組みは、他の最近開催され、あるいは開催が予定されている社会開発関連の国連会議、特に世界子供サミット、国連環境・開発会議、世界人権会議、小島嶼開発途上国の持続可能な開発に関する地球会議、国際人口・開発会議、第4回世界女性会議、国連人間居住会議(ハビタットII)の結論とともに、サミットの結果の統合され包括的な実行、フォローアップ及び評価を確保するため、開発のための課題のコンテキストの中で開発されなければならない。国際レベルにおいて、国内レベルと同様、コミットメント及び目標及びターゲットの財政的、組織的インプリケーションを評価し、プライオリティーを設定し、予算及び作業プログラムを立案しなければならない。 95. 政府間レベルにおける社会開発の検討においては、総会及び経済社会理事会の役割について特別な留意がなされなければならない。このために、  (a)最高の政府間メカニズムとして、総会は、サミットのフォローアップに関する事項についての主要な政策決定及び評価機関である。総会は、「社会開発サミットの結果の履行」と題する議題を含めなければならない。1996年に総会は、貧困の撲滅に関するサミットの結果を履行するためにとられた手段の効率性を、国際貧困撲滅年に関する活動の一部として、レヴューしなければならない。  (b)総会は、サミットの結果の履行の全般的レヴュー及び評価を行い、さらなる行動とイニシアティヴを検討するために2000年に特別会期を開催しなければならない。  (c)第50回国連総会は、1996年の国際貧困撲滅年に引き続き、貧困撲滅に関するさらなるイニシアティヴを検討することを目指して、第1次国連貧困撲滅の十年を宣言しなければならない。  (d)総会は、経済社会理事会と同様に、重要な社会問題及び国際協力を通じてそれらに取り組む政策に関する国際的な対話を促進するためにハイレベルの代表者の会合を招集することができよう。  (e)総会は、開発のための課題作業部会の諸会議の結果の履行のための共通の枠組みに関する初期作業を活用しなければならない。  (f)経済社会理事会は、総会に対する国連憲章における役割のコンテキストにおいて、また総会決議45/264、46/235、48/162に従い、サミットの結果の履行におけるシステム内の調整を総監し、この点に関して勧告を行うであろう。経済社会理事会は、同理事会がサミットの結果の履行及び同理事会の効率性の改善に向けてなされた進歩をレヴューすることができるように専門機関の作業との関係をより緊密にしつつ、国連憲章のマンデートの範囲内で、その役割及び権限、構成、資源及びプロセスを強化する方法を検討しなければならない。同理事会は、1995年の実質会期において、社会開発委員会のマンデート、議題及び構成を同委員会の強化の検討を含めて、他の関連する委員会及び会議のフォローアップとの相互の協力の必要性を考慮に入れつつレヴューするよう招請される。同理事会は、また会議の結果の履行のための共通のフレームワークに関してその時期までに完了している初期作業を活用しなければならない(上記パラ94及び95(e)参照)。また理事会は、政府及び国際的主体に対し、明確な政策勧告を行えるような一貫したシステムを確立することを目指して、社会開発分野における報告システムをレヴューするよう要請されなければならない。  (g)開発のための課題に関する議論及び1995年の経済社会理事会調整セグメントにおける国連の経済社会分野の諸会議の結果の履行のための共通のフレームワークに関する議論の枠組みの中で、経済社会理事会と世界銀行、IMF開発委員会との合同会合を開催する可能性につき検討されなければならない。事務総長とIMF、世界銀行、ILO、国連の基金・計画及びその他の関連の機関は、宣言及び行動計画の履行を検討する目的で開発委員会会合に先立ち合同会合を開催する可能性につき検討しなければならない。  (h)地域及び亜地域におけるサミットの結果の履行を促進するために、地域委員会は、地域政府間機関及び銀行と協力して、サミットの結果の履行に向けてなされた進歩をレヴューし、それぞれの経験に関する意見を交換し、適当な手段を講じるために、2年に1回、政治的なハイ・レベルの会合を開催することができよう。地域委員会は、その会合の結果について適当なメカニズムを通じて経済社会理事会に報告しなければならない。  (i)経済的、社会的及び文化的権利に関する条約を締約国が遵守することに関して、宣言及び行動計画のこれらの側面をモニターすることにおける経済的、社会的及び文化的権利委員会の重要な役割を強調しなければならない。 96. 国連システムは、開発途上国、特にアフリカ及び後発開発途上国に対して、宣言及び行動計画を実行することについて技術協力及びその他の形態の支援を行わなければならない。そのために、  (a)技術及び部門別機関及びブレトン・ウッズ機関を含む国連システムは、それらの努力が補完的であることを確保するために社会開発分野における協力を拡大し、改善しなければならない。また、可能な場合には、サミットの共通の目標にかかわる社会開発のための共同のイニシアティヴに資源を組み合わせなければならない。  (b)国連組織が国内レベルの社会開発努力を支援する効率性と効果を改善し、サミットの目標に対応する能力を高めるために、国連システムのさまざまな部分、特にそのオペレーション活動を刷新し、改革し、活性化する必要性がある。すべての専門機関及び国連システムの関連機関は、サミットのフォローアップを考慮に入れるため、適当な場合には、それらの活動、プログラム及び中期戦略を強化し、調整するよう招請される。関連する運営機関は、この点に関してその政策、プログラム、予算及び活動をレヴューしなければならない。  (c)行政調整委員会は、参加機関がサミットの目標を達成するためその活動を如何に最も適切に調整することができるかについて検討しなければならない。  (d)国連の基金、計画及び専門機関は、(サミットの目標)達成に関する各自の計画及びプログラムについての報告書を定期的に適当なフォーラムに提出しなければならない。 97. 国連システムは、市場経済移行期にある国々に対して、適当な技術協力及びその他の形態の援助を検討し、提供しなければならない。このために、  (a)各国連機関は、これらの国々が社会開発プログラムを企画し、実施する努力を支援しなければならない。  (b)国連開発計画は、市場経済移行期にある国々の特別なニーズを考慮に入れつつ、社会開発プログラムの実施を支援する努力を引き続き行わなければならない。  (c)技術的、部門別機関、IMF及び世界銀行を含む国連システムの組織及び機関は、市場経済移行期にある国々の社会開発分野への協力を継続しなければならない。 98. サミットのコペンハーゲン宣言及び行動計画の履行は、国連システムの多くの機関を包含する。この努力において一貫性を確保するために総会は、次を考慮しなければならない。  (a)特に経済社会理事会への報告及び経済社会理事会との調整にて開催される会合を通じる等、経済社会開発プログラム分野の世界、地域及び国内レベルにおける国連システムの活動、ブレトン・ウッズ機関及びWTOの調整を促進し、強化すること。  (b)WTOに対し、行動計画の履行に、国連機関と協力して行う活動を含め如何に貢献することができるか検討するよう要請すること。  (c)ILOに対し、マンデート、三者構成及び経験により雇用及び社会開発分野において果たすべき特別な役割を有することに鑑み、宣言及び行動計画の履行に貢献するよう要請すること。  (d)事務総長に対し、宣言及び行動計画の履行の効率的な調整を確保するよう要請すること。 99. サミットの結果を履行するために関連決議、特に総会決議47/199に従い、開発のための国連オペレーション活動を強化しなければならない。このために、  (a)国連開発計画は、地方、国内及び地域レベルにおける能力開発に向けての国連システムの努力を組織しなければならない。また、そのフィールド・オフィスのネットワークを通じて社会開発プログラムの実行の調整を支援しなければならない。  (b)国レベルの調整は、コペンハーゲン宣言及び行動計画、そして関連する国際合意を十分に考慮するため、レジデント調整システムを通じて改善されなければならない。  (c)国連システムは、社会開発及び行動計画の実施の重要な手段として、すべてのレベルにおける南南協力及び開発途上国間の技術協力を慫慂するとともに、支援しなければならない。  (d)国連の開発努力は、決議47/199に述べられている通り、開発途上国の増大するニーズに相等しい、予測可能で、継続的で保障された開発のためのオペレーション活動資金の実質的増加により支援されなければならない。  (e)国連システムの情報収集、分析及び社会開発指標を開発する能力は、さまざまな国々特に開発途上国の経験を考慮に入れて強化されなければならない。国連システムが、要請に応じて政策及び技術的支援及び助言を提供する能力もまた、この点に関する国内能力を改善するために強化されなければならない。 100. アジェンダ21に規定されている主要なグループの支援及び参加は、行動計画の履行の成功のために不可欠である。これらのグループのコミットメントを確保するために、それらは国内、国際レベル双方における企画、策定、実行及び評価に関与されなければならない。そのために、行動計画の履行のレヴューに責任を有するメカニズムを含む、関連のあらゆる国連機関に効果的に参加することを支援し、促進するとともに可能ならしめるためのメカニズムが必要である。 1998年1月 国際連合広報センター 東京都渋谷区神宮前5丁目53‐70国連大学ビル8階 〒150‐0001電話(03)5467‐4451〜2