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記者会見における事務総長の冒頭発言(2008年7月1日 於:日本記者クラブ)

2008年07月01日

報道関係者の皆様、おはようございます。訪日中に皆様にお会いでき、大変うれしく思います。私の日本での公務は、これが最後です。記者会見後すぐ中国に向かいます。

まず、国連事務総長として日本を訪問できたことを、とても幸せに思います。私は2006年11月、次期事務総長として、ここで皆様にお会いしました。随行員も私も、再びここで友人に会えたような気持ちです。私と随行員を温かく迎え、素晴らしい準備を整えていただいた日本の政府と国民の方々に対し、感謝の意を表したいと思います。

皆様もご存じのとおり、私の事務総長としての訪日はこれが初めてですが、すでに2度目の訪日が来週に予定されています。G8北海道洞爺湖サミットに出席するためです。古都京都ではじまった今回の訪日では、学生から学識者、さらにはビジネスリーダーや議員の方々、そしてもちろん、総理をはじめ多くの指導者の方々に至るまで、国民各層の幅広い人々と実りある交流ができました。

妻と私は、天皇皇后両陛下と皇太子同妃両殿下にもお目にかかることができ、大変光栄でした。私はまた、福田総理や、外相時代にお付き合いのあった町村官房長官、さらには高村外相とも実りある会談ができました。これらの方々からは、日本が国連改革の強力な支持者として、改めて国連へのコミットメントを強めていること、そして、国連での日本の役割と活動の拡大を決意していることを聞き、うれしく思いました。日本と国連が協力を強め、目下の喫緊の課題に取り組んでいけることを、私は大いに期待しています。私は訪日中、日本国民の皆様に単純明快なメッセージを送り続けました。それは、皆様が平和をはぐくむ国となったこと、そして、近代的な平和主義の伝統と、多国間主義を守り抜く決意を今後とも誇りとすべきだということです。国連にとっては、気候変動や食糧危機、ミレニアム開発目標(MDGs)などの課題について、国際的な取り組みを結集させる努力を共同で進めていくため、日本にさらに積極的な役割を果たしてもらう必要があるのです。来週のG8サミットでは、これら3つの緊急課題について、手遅れになる前に指導力を発揮し、対策を講じるよう参加者全員に訴えかけるつもりです。

しかしその前に、私は中国と、母国である韓国を訪問する予定です。日本と中韓両国はともに、グローバルな関心と責任を備えた友好国かつ隣国として、共通の未来をしっかりと見据えるようになっています。私は初の日中韓3カ国首脳会議の開催合意が成立したこととともに、北朝鮮政府による核開発計画放棄プロセス実施の公約を受け、朝鮮半島その他の情勢に心強い動きが見られることも歓迎します。私はまた、これら地域3カ国が気候変動や世界的な食糧・エネルギー危機、対アフリカ援助、そしてさらに重要なMDGsへの共通の取り組みについても、密接な協力を進めていくものと期待しています。この新たな日中韓パートナーシップと国連が手を携えることはごく自然であり、かつ必要でもあるのです。