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化学・生物兵器出典「国連の基礎知識」

「化学兵器禁止条約」(Chemical Weapons Convention: CWC)が1997年に発効したことによって、1925年に始まった作業は完了した。1925年はジュネーブ議定書が初めて有毒ガス兵器の使用を禁止した年であった。化学兵器禁止条約は、国際軍備管理史上初めて、締約国の条約上の義務順守を監視する厳格な国際検証体制を創設した。これには化学施設に関する情報の収集や通常の国際的な査察が含まれる。そのためにオランダのハーグに化学兵器禁止機関(Organization for the Prohibition of Chemical Weapons: OCPW)が設置され、積極的に活動を進めている。2010年末までに、世界の総人口のおよそ98パーセントを占める188カ国がOPCWに加盟した。その年、OPCW は、世界の申告された7万1,194トンの総化学剤のうちのおよそ4万3,131トン――60.58パーセント――が廃棄され、867万の化学弾頭および容器のうちの395万――45.56パーセント――が破壊された。また、1997年4月以来、81カ国でおよそ4,166回の査察が195の化学兵器生産施設、1,103の工業関連施設で行われた。世界的に4,918の工業関連施設が2010年末までに査察を受ける義務を有した。国際連合とOPCWとの関係に関する協定が2000年に署名された。

化学兵器条約とは異なり、1972年の「生物兵器禁止条約(Biological Weapons Convention: BWC)」には検証機構についての規定はない。条約は1975年に発効した。しかし、締約国は、信頼醸成措置の一環として、ハイリスクの生物学研究施設のような項目について詳細な情報を交換する。2006年、第6回生物兵器条約締約国運用検討会議は、条約の実施について締約国を助ける「履行支援ユニット(Implementation Support Unit: ISU)を設置することに決定した。核不拡散条約や化学兵器条約――それぞれIAEAとOPCWの支援を受ける――とは異なり、今までは生物兵器に関しては制度上の支援はなかった。このユニットは、国連軍縮部の一部として、2007年8月20日にジュネーブで活動を開始した。必要な資金は条約の締約国が負担する。条約の締約国会合が国連で定期的に開かれている。

国際社会は、BWCやCWCの普遍化をはかるとともに、それを全面的に実施し、かつ生物化学兵器の拡散を防止しなければならない。これは国際社会に課せられた重要な任務である。さらに、総会決議に基づいて設置された政府専門家パネルがミサイルに関係したあらゆる問題を取り上げている。