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植民地と人民に独立を付与する宣言出典「国連の基礎知識」

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UN Photo/Saw Lwin

植民地人民による自決への願望が高まり、かつ国際社会の間にも憲章の原則の適用が遅すぎるとの認識が広まったことから、総会は、1960年、「植民地と人民に独立を付与する宣言(Declaration on the Granting of Independence to Colonial Countries and Peoples)」を採択した(決議1514(XV))。宣言は、外国による人民の征服、支配および搾取は基本的人権を否定するもので、国連憲章に違反し、世界平和と協力の促進にとっての障害であるとのべ、さらに「信託統治地域、非自治地域その他のまだ独立を達成していないすべての地域において、これらの地域人民が完全な独立と自由を享受できるようにするため、いかなる条件または留保もなしに、これらの地域人民の自由に表明する意思および希望にしたがい、人種、信仰または皮膚の色による差別なく、すべての権力をこれらの人民に委譲する迅速な措置を講じなければならない」と述べている。同じく1960年、総会は決議1541(XV)を採択し、「独立国家との自由な連合」、「独立国家への統合」および「独立」の3つは、完全な自治を達成するための正当な政治的地位の選択肢であることを承認した。

総会は、1961年、宣言の適用を調査し、かつその実施について勧告する特別委員会を設置した。一般に非植民地化特別委員会(Special Committee on Decolonization)と呼ばれているが、正式なタイトルは「植民地と人民に独立を付与する宣言履行特別委員会(Special Committee on the Situation with Regard to the Implementation of the Declaration on the Granting of Independence to Colonial Countries and Peoples)」である。特別委員会は毎年開かれ、請願者や地域の代表の聴取を行い、地域へ現地調査団を派遣し、地域の政治的、社会的、経済的および教育的状況に関して年次セミナーを開催する。

宣言の採択以来、8,000万人以上の人々が住むおよそ60の旧植民地が独立を通して自決を達成し、主権国家として国連に加盟した。総会は、非自治地域の人民が自決と独立への権利を完全に行使できるようにあらゆる必要措置をとるよう施政国に要請してきた。また、残っている軍事基地を地域から撤去し、外国企業その他が宣言履行の障害とならないようにするよう施政国に要請した。

これに関連し、ニュージーランドはトケラウについて特別委員会に協力を続けた。フランスは、ニューカレドニアの将来に関する協定に署名したことに続いて、1999年からは特別委員会へ協力を開始した。この数年、アメリカとイギリスの2つの施政国が正式には特別委員会の作業に参加していない。アメリカは、施政国としての役割は認識しており、国連憲章による責任は今後も果たして行くとの態度を維持した。イギリスは、その施政下にある地域のほとんどは独立を選択したが、少数の地域はイギリスとの連合を続けることを望んでいると述べた。

「国際植民地主義撤廃の10年(International Decade for the Eradication of colonialism),1991-2000年)」の終了に当たり、総会は2001-2010年を「第2次国際植民地主義撤廃の10年(Second International Decade for the Eradication of Colonialism)」に指定し、完全な非植民地化を達成するために努力を倍加するよう加盟国に要請した。西サハラなど、ある特定の地域に関しては、総会は、国連憲章と宣言の目的にしたがって非植民地化を達成するよう事務総長に要請した。