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水資源出典「国連の基礎知識」

10億の人々が十分な給水を受けられないと推定される。1キロの範囲内(往復30分)に毎日1人当たり20リットルの水を供給する水源がない。そうした水源には家庭用水道、公共の配水塔、ボアホール(掘削孔)、保護された堀井戸、保護された泉、雨水貯留タンクなどが含まれる。人間の生活や商業、農業のニーズ、それに基本的な公衆衛生のためのニーズを満たすために世界の水資源に対する需要は急増している。国連は長年にわたって水資源の危機の問題に取り組んできた。「国連水会議(United Nations Water Conference)、1977年」、「国際飲料水の供給と衛生の10年(International Drinking Water Supply and Sanitation Decade)1981-1990年」、「水と環境に関する国際会議(International Conference on Water and the Environment)1992年」、「地球サミット(Earth Summit)1992年」こうしたことはすべてこの重要不可欠な資源に焦点を合わせたものであった。とくに、この「10年」によって、開発途上国の13億人の人々が安全な飲料水を手に入れることができるようになった。

不適切な給水の原因は、水の非効率的な利用、汚染による水質の劣化、地下水の過剰利用などである。それを是正するには、とくに需要と供給、量と質に特別の注意を払いながら、少ない淡水資源をよりよく管理することが不可欠である。国連システムの活動は、もろく、限られた淡水資源の持続可能な開発に焦点を当てている。この資源は人口増加、汚染、農業用、工業用の需要によってますます早急な対応が迫られている。人間の健康、発達、福祉の多くの面にとって水は欠かせない。こうしたことから、すべての人のために、ミレニアム開発目標が水に関連した特定の目標を掲げている。

淡水資源の合理的開発の重要性についての国民意識を高めるために、総会は2003年を「国連国際淡水年(United Nations International Year of Freshwater)」に指定した。同じく2003年、国連システム全体の調整機関である国連システム事務局長調整委員会(CEB)は、「国連水関連機関調整員会(UN-Water)」(www.unwater.org)を設置した。これは、「ミレニアム宣言」と2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」の水に関連した目標を達成するために国連システムが行う活動を調整する機関である。ミレニアム開発目標の水に関連した目標を達成するグローバルな活動をさらに強化する目的で、総会は、2005-2015年を「『命のための水』国際行動の10年(International Decade for Action“Water for Life”)」に指定した。この「10年」は2005年3月22日に始まった。この日は現在「世界水の日(World Water Day)」として記念されている。2009年、ユネスコは、3年ごとに発行される「国連世界水開発報告書」の第3版を発表した。報告によると、「安全な飲料水を継続的に利用できない人々の割合を2015年までに半減する」というミレニアム開発目標の達成を目指したグローバルな努力は順調に進んでいる。ミレニアム目標はまた、基本的な衛生施設を利用できない人々の割合を半減することも目指している。

UN-Water:国連水関連機関調整委員会

2000年のミレニアム宣言の中で、国際社会は、2015年までに安全な飲料水を入手できない人の数を半減し、地方、地域、国家のレベルで水管理戦略を策定することによって、持続不可能な水資源の利用を停止すると誓った。UN-Water(国連水関連機関調整委員会)は持続可能な開発に関する世界首脳会議を受けて発足し、淡水と衛生施設に関するすべての問題に関連する進捗状況を監視、追跡する国連の機関として活動している。ミレニアム開発目標の達成は、すべての人が安全できれいな飲料水を利用できるかにかかっている。

UN-Waterのもっとも重要な刊行物―国連世界水開発報告書―は3年ごとに発行され、世界の淡水資源の状態について包括的な分析を行っている。また、水の持続可能な利用を実施する方法についての勧告を行う。

2003年に発行された最初の報告書は、将来の行動をモニタリングする際の基礎として11の課題を確立した。たとえば、安全かつ十分な水と衛生施設の基本的ニーズを満たすこと、生態系を保護すること、水の持続可能な利用の長期実行の可能性を促進する効果的な水管理、などである。第2回報告書は、世界の淡水資源の評価を行う一方で、進む都市化、人口増加、食糧生産のような外部社会政治的要因の問題を取り上げた。第3回報告書は、生物多様性、気候変動、地下水とバイオ燃料などとの関連でミレニアム開発目標の要求に取り組んだ。