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天然資源とエネルギー出典「国連の基礎知識」

国連は長年にわたって天然資源の管理について加盟国政府を支援してきた。1952年にはすでに、開発途上国は「自国の天然資源の使用を自由に決定する権利」を有し、自国の国家利益と合致する経済開発計画を実現するためにこれらの資源が使われなければならない、と国連総会は宣言した。

水資源

7億6800万の人々が十分な給水を受けられないと推定される。1キロの範囲内(往復30分)に毎日1人当たり20リットルの水を供給する水源がない。そうした水源には家庭用水道、公共の配水塔、ボアホール(掘削孔)、保護された堀井戸、保護された泉、雨水貯留タンクなどが含まれる。人間の生活や商業、農業のニーズ、それに基本的な公衆衛生のためのニーズを満たすために世界の水資源に対する需要は急増している。国連は長年にわたって水資源の危機の問題に取り組んできた。「国連水会議(United Nations Water Conference)、1977年」、「国際飲料水の供給と衛生の10年(International Drinking Water Supply and Sanitation Decade)1981-1990年」、「水と環境に関する国際会議(International Conference on Water and the Environment)1992年」、「地球サミット(Earth Summit)1992年」こうしたことはすべてこの重要不可欠な資源に焦点を合わせたものであった。とくに、この「10年」によって、開発途上国の13億人の人々が安全な飲料水を手に入れることができるようになった。

不適切な給水の原因は、水の非効率的な利用、汚染による水質の劣化、地下水の過剰利用などである。それを是正するには、とくに需要と供給、量と質に特別の注意を払いながら、少ない淡水資源をよりよく管理することが不可欠である。国連システムの活動は、もろく、限られた淡水資源の持続可能な開発に焦点を当てている。この資源は人口増加、汚染、農業用、工業用の需要によってますます早急な対応が迫られている。人間の健康、発達、福祉の多くの面にとって水は欠かせない。こうしたことから、すべての人のために、ミレニアム開発目標が水に関連した特定の目標を掲げている。

淡水資源の合理的開発の重要性についての人々の認識を高めるために、総会は2003年を「国連国際淡水年( United Nations International Year of Freshwater)」に指定した。同じく2003年、国連システム全体の調整機関である国連システム事務局長調整委員会(CEB)は、「国連水関連機関調整委員会(UN-Water)」(www.unwater.org)を設置した。これは、「ミレニアム宣言」と2002年の「持続可能な開発に関する世界首脳会議」の水に関連した目標を達成するために国連システムが行う活動を調整する機関である。ミレニアム開発目標の水に関連した目標を達成するグローバルな活動をさらに強化する目的で、総会は、2005-2015年を「命のための水」国際行動の10年(International Decade for Action “Water for Life”)」に指定した。この「10年」は2005年3月22日に始まった。この日は現在「世界水の日(World Water Day)」として記念されている。2012年、ユネスコは、「不確実かつ危険にさらされる水を管理して」とのテーマに3年ごとに発行される「国連世界水開発報告書」の第4版を発表した。

衛生施設

「ミレニアム開発目標報告書 2012年」によると、水と衛生に関するMDG目標について、安全な飲料水アクセスに関する開発目標は達成されたが、衛生施設に関しては、目標はまだ達成されていない。およそ25億人の人々が基本的な衛生施設を利用できないと推定されている。すなわち、公共下水道もしくは汚水処理タンク、簡易水洗便所、単純なおとし便所、または換気扇の付いた改善されたおとし便所などを利用できない。

エネルギー

世界人口のおよそ4分の1が電気のない生活をしており、それ以上の人々が料理や暖房のための現代の燃料を利用できない。エネルギーの適切な供給は、経済成長と貧困の撲滅にとって不可欠であるものの、従来のエネルギー・システムが環境や健康に与える影響は懸念の的である。さらに、1人当たりのエネルギー需要が増加しており、それが世界人口の増加とあいまって、現在のエネルギー・システムでは持続できないまでの消費レベルに達している。

エネルギーに関する国連システムの活動は、さまざまな方法で開発途上国を支援している。たとえば、教育や研修、能力育成を通して、また政策改革を援助することによって、またエネルギー・サービスを提供することによって開発途上国を支援している。汚染がかなり少ない再生可能なエネルギー源へ向かう努力も行われている。しかし、需要の増加が実際の供給能力を上回ってしまう。持続可能な開発への過程で、エネルギーの効率を改善し、よりクリーンな化石燃料技術へ向かうにはなお一層の努力が必要である。

2004年、国連システム事務局長調整委員会が設置した「国連―エネルギー(UN-Energy)」は、エネルギーの分野における主要な機関間メカニズムである。持続可能な開発に関する国際首脳会議に対して国連システムが一貫した対応をとれるようにし、かつ首脳会議のエネルギー関連の決定を実施するにあたって、民間セクターや非政府組織の主要な主体をその活動に効果的に従事させることをその任務としている。