• プリント

ジェンダー平等と女性のエンパワーメント出典「国連の基礎知識」

男女の平等を促進することと女性のエンパワーメントは、国連のもっとも基本的な活動である。ジェンダーの平等は単に権利としての目標であるばかりでなく、ミレニアム開発目標も含め、他のすべての開発目標を達成するために不可欠の手段であると認められている。貧困と飢餓を撲滅し、初等教育の完全普及とすべての人の健康を達成し、HIV/エイズと闘い、そして持続可能な開発を容易にするためには、女性や男性のニーズ、優先順位、貢献に組織的な注意を払う必要がある。国連は女性の人権を積極的に促進し、武力紛争時や人身売買も含め、女性に対する暴力行為の惨害を根絶するために活動する。国連はまた、グローバルな規範や基準を採択し、開発援助活動を通すことなども含め、国家レベルでの実施やフォローアップを支援する。

女性の地位委員会(Commission on the Status of Women)は、経済社会理事会のもとに、世界におけるジェンダーの平等に向けての進捗状況を監視する。そのために1995年に開かれた第4回世界女性会議から生まれた行動綱領実施の再検討を行う。委員会は、女性の権利を促進し、あらゆる分野における差別と不平等を是正する行動について勧告する。過去60年間におけるこの45カ国委員会の活動の主な貢献は、女性に関する4回の会議の準備とフォローアップ、女性の権利に関する条約「1979年女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(Convention on the Elimination of All Forms of discrimination against Women)」の成立に向けての役務の提供である。

女子差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Discrimination against Women: CEDAW)「女子に対するあらゆる形態の差別撤廃に関する条約」の順守状況を監視する。23人の専門家で構成される委員会で、締約国が提出する報告に基づいて、条約の実施に関して、締約国と建設的な対話を行う。その勧告は、女性の権利とこれらの権利を享受させる手段についての理解を深めることや、女性に対する差別の撤廃に貢献してきた。

ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UNWomen: United Nations Entity for Gender Equality and the Empowerment of Women)(www.unwomen.org)は、2010年に、ジェンダー問題と女性の地位向上に関する事務総長特別顧問(Special Adviser of the Secretary-General on gender and advancement of women)、経済社会局の女性の地位向上部(Division for the Advancement of Women)、国際婦人調査訓練研修所(International Research and Training Institute for the Advancement of Women: INSTRAW)、国連女性開発基金(United Nations Development Fund for Women: UNIFEM)を合併して設立された。UN-Womenは、女性と女児に対する差別を撤廃し、女性のエンパワーメントをはかり、かつ、パートナーとして、また開発、人権、人道活動、平和と安全の恩恵を受ける者として男女間の平等を達成するために働く。UN-Womenは、女性の地位委員会のような政府間機関が政策、グローバルな標準や規範を作成するのを支援し、また、加盟国がこれらの標準を実施するのを支援する。そのため、要請があれば適切な技術的、財政的支援を行い、市民社会と効果的なパートナーシップを構築する。さらに、ジェンダー平等の達成に責任ある国連システムを維持し、国連全体が行う進歩を定期的に監視する。

事務局を越えて、国連のすべての機関はその政策やプログラムの中で女性とジェンダーに関する問題と取り組んでいる。女性の地位向上はミレニアム開発目標にとっても中心的な課題である。

世界女性会議

国連会議は、全国的な女性運動のエネルギーに応えて、メキシコ・シティ(1975年)、コペンハーゲン(1980年)、ナイロビ(1985年)、北京(1995年)で開かれ、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに関する理解を深め、コミットメントを高め、行動に活力を与えてきた。第4回世界女性会議(1995年)で、189カ国の政府代表は北京宣言と行動綱領を採択した。これは、公的、私的生活のあらゆる領域で差別と不平等をなくし、女性のエンパワーメントを確保する目的のものであった。
綱領は12のきわめて重要な関心領域を明らかにしている。

  • 貧困が女性に与える慢性的かつ増大する負担。
  • 教育の機会の不平等と不適切さ。
  • 健康の差および保健サービスを受ける際の不平等と不適切な保健サービス。
  • 女性に対する暴力。
  • 紛争が女性に与える影響。
  • 女性による経済構造および政策の策定と生産プロセスに対する不平等な参加。
  • 権限と政策決定における男女の不平等。
  • 女性の地位向上を図る機構の不備。
  • 国際的かつ国内的に認められた女性の人権に関する認識およびコミットメントの欠如。
  • 社会に対する女性の貢献を周知させるマスメディアの動員不備。
  • 天然資源の管理と環境保全に対する女性の貢献について適切な認識と支援の欠如。
  • 女児。

2010年、北京+15再検討会合はジェンダー平等に向けての進歩を歓迎、同時にミレニアム開発目標に乗せられている目標も含め、国際的に合意された開発目標を達成するための「宣言」や「行動綱領」を実施する必要を強調した。