• プリント

ミレニアム開発目標の達成出典「国連の基礎知識」

極度の貧困と飢餓

「2013年ミレニアム開発目標報告書」によると、収入が1.25ドル以下の人々の割合を半減させるとのMDGのターゲットは2015年の期限よりも5年早く達成された。2010年、極度の貧困の中で生活する人口の割合はすべての開発途上地域で減少し、1990年の47パーセントから22パーセントになった。それにもかかわらず、およそ12億の人々は極度の貧困のもとに生活し続けており、2015年の時点で9億7000万人の人々が1日当たり1.25ドル以下の生活をしていると推定される。それぞれの地域における進捗状況は一様ではない。中国における極度の貧困は1990年の60パーセントから2010年の12パーセントへと減少したが、サハラ砂漠以南のアフリカ地域や南アジアでは広く見られた。これらの地域は、2015年までに極度の貧困のもとに住む開発途上世界の人口のおよそ40パーセントにあたる人々が住む地域である。

1990年から2015年までの期間に飢餓に苦しむ人口の割合を半減させるとのMDG目標についてはある程度の進展がみられた。開発途上国における栄養不良人口の割合は1990-1992年の23.2パーセントから2010-2012年の14.9パーセントにまで減少した。しかし、世界の8人に1人にあたる8億700万の人々は2010-2012年間に最低のエネルギー必要量を満たす十分な食物を摂取することができなかった。

初等教育の完全普及

開発途上地域では初等教育を受ける機会を拡大することに関して大きな進展がみられ、就学率は2000年の83パーセントから2011年の90パーセントにまで上昇した。同じ期間、世界の初等教育就学年齢の子どもで非就学児童の数はほとんど半減され、1億2000万人から5700万人となった。サハラ以南のアフリカには世界の非就学児童の半分以上が住んでいる。地域の初等教育就学率は2000年の60パーセントから2011年の77パーセントにまで上昇したが、地域の人口が急速に増加していることは、2011年までに初等教育就学年齢の子どもは3200万人になることを意味した。南アジアではかなりの進展がみられ、初等教就学率は2011年に93パーセントに達した。

ジェンダー平等と女性の地位向上

男子と女子が教育を受ける機会を平等にすることに関しては着実な進展があった。開発途上地域全体おいて、ジェンダー・パリティ指数(女子の就学率に対する男子の就学率の割合)はそれぞれの教育レベルにおいてパリティに近い数値または受け入れられる範囲内の数値である。しかし、地域の間では教育のあらゆるレベルで大きなジェンダー格差が依存として見られる。初等教育のレベルではジェンダー・パリティはほとんど達成されているが、全体の教育レベルでその目標を達成しているのは130カ国のうちの2カ国だけであった。北アフリカ、サハラ以南アフリカ、西アジア、南アジアでの初等中等教育で女子は依然として障害に直面している。労働市場においては、女性は世界的に地歩を築いている。2011年、非農業部門の所得を得られる仕事についている人で100人のうち40人が女性であった。東アジア、コーカサスと中央アジア、ラテンアメリカとカリブ海域では所得のある仕事に就く男女の数についてのパリティはほとんど達成された。

子どもの死亡率の削減

世界的に、5歳以下の乳幼児の死亡率は1990年以来40パーセント下がった。東アジア、北アフリを筆頭に、すべての地域で子どもの生存に改善が見られたのは明白である。東アジアと北アフリカは2015年までに子供に死亡率を3分の1に削減するとの目標は達せられた唯一の地域である。ラテンアメリカとカリブ海域、東南アジア、西アジアでは5歳以下の子供の死亡率を50パーセント以上も下げた。他方、サハラ以南アフリカ、南アジアはそれぞれ39パーセント、40パーセントと死亡率を下げたものの、MDG目標を達成するには、とくにこれらの地域において、変化のペースをこれまで以上に加速させなければならない。

妊産婦の健康の改善

妊産婦の死亡率は1990年以来47パーセント削減された。すべての地域で進展がみられ、最高の削減が見られたのは東アジア(69パーセント)、北アフリカ(66パーセント)、南アジア(64パーセント)であった。1990年から2011年までの期間の開発途上国においては、熟練者が立ち会う出産の割合は55パーセントから66パーセントへと上がり、妊婦管理は63パーセントから81パーセントに上昇した。しかし、妊産婦の死亡率を4分の1に削減するとのMDG目標を達成するには努力を加速させなければならない。世界的に、熟練者の世話を受けることのなく出産される子供の数は5,000万人近くに達すると推定される。農村地帯で出産する女性は世話を受ける点では依然として不利な立場にある。若者の出産率を下げることでは進展が見られたものの、世界の1億3500万人の出産のうち、1,500万人以上が15歳から19歳までの女性による出産であった。

HIV/エイズ、マラリアおよびその他の疾病

地球全体であらたにHIVに感染した人の数は下がり続け、2001年から2011年にかけては21パーセントの下落があった。新たな感染はサハラ以南アフリカでは25パーセント、カリブ海域では43パーセントの下落が見られた。2001年にはおよそ250万人がHIVに感染したと推定される。抗レトロウィルス療法の拡大と新たな感染の減少は、エイズ関連の原因で死亡する人の数が減少していることを意味する。2011年、推定170万人がエイズで死亡した。これは2005年に比べ25パーセントの減少である。さらに、2011年末現在、開発途上地域の800万人がHIVもしくはエイズの治療として抗レトロウィルス薬の投与を受けていた。現在の増加率からみて2015年末までには1500万近くの人々が生命維持治療を受けていると考えられる。

2000年から2011年にかけて、マラリアの死亡率は世界的にみて25パーセント以上も減少し、およそ110万人の死亡が回避された。2011年までに、マラリアの伝染が見られる99カ国のうちの55カ国が、2015年までに発生率を75パーセント減少させることが確実だと思われた。この10年、サハラ以南アフリカでは蚊対策用の殺虫剤処理済み蚊帳の利用が実質的に拡大した。2011年までに、5歳未満の子供の3人に1人がそうした蚊帳の中で眠ることができた。

2011年、世界のおよそ870万人が結核と診断された。減少の割合は遅いものの、2015年までには結核の発症を抑え、逆転させるとのMDG目標は達成されると思われる。1995年から2011年までの間に、5100万人の患者が治療を受け、2000万人の生命が救われた。

環境の持続可能性

2012年のカタールのドーハで開かれた国連気候変動会議では京都議定書の下での2013年から2020年までの第二約束期間を設定することについて合意が生まれた。

1990年以来、21億人以上の人々が安全な飲料水にアクセスすることができた。これは、安全な飲料水に持続してアクセスできない人々の割合を2015年までに半減させるとのMDG目標を上回るものであった。農村地帯の貧しい人々のアクセス問題は依然として深刻で、安全な飲料水にアクセスできない人々の83パーセントは農村地帯に住んでいる。1990年から2011年までの期間に、19億の人々が便所、水洗トイレ、もしくはその他の改善された衛生施設を利用できるようになった。MDG目標を達成するには、2015年までにさらに10億の人々がそうした施設を利用できるように強力な努力が必要である。

2000年から2012年の間に、2億を超すスラム居住者が安全な飲料水、衛生施設、耐久性のある住宅もしくは十分な居住空間にアクセスすることができた。これは、少なくとも1億人のスラム居住者の生活を十分に改善するとのMDG目標を上回るものであった。それにもかかわらず、開発途上世界のスラム居住者の数は増え続けており、スラムで生活する人の数は、1990年の6億5000万人に比べ、2012年には8億6300万人となった。

開発のためのグローバルなパートナーシップ

開発途上国および後発開発途上国による開発先進国への無関税の市場アクセスは2011年には改善され、それぞれ、輸出の83パーセント、80パーセントに達した。開発途上地域の輸出収入に占める債務返済の割合は減少し、2000年には11.9パーセントあったのが、2011年には3.1パーセントになった。

グローバルな金融危機は依然として政府開発援助(ODA)に影響を与えているが、いくつかの国は定められた目標を達成するために援助予算をこれまで通りに維持したり、増加させたりしている。2012年、純政府開発援助は開発援助員会(DAC)に属する9カ国で増加した。

2013年末までに、世界の携帯電話の契約数は680万件に達すると予測されている。その普及率は96パーセントである。2013年末までに、およそ27億の人々がインターネットを利用していると思われる。しかし地域によって大きな差があり、開発途上国ではインターネット人口は31パーセントあるのに対し、開発先進国では77パーセントである。